いのちをはぐくむ大津市食育推進計画(抜粋)食べつな健ぐ「健康・環境・伝統」

更新日:2018年08月27日

平成20年3月に大津市食育推進計画が完成しました。大津市の特徴をふまえて、健康・環境・伝統をキーワードにまとめました。

はじめに

近年、社会情勢のめまぐるしい変化により「食」をめぐる様々な問題が発生しています。そのため、平成17年に施行させた食育基本法をもとに、大津市でも一人一人が「食」を見つめ直し、家庭・学校・地域等、あらゆる場で食育推進に取り組む「大津市食育推進計画」を策定しました。

食育の推進は、大津市基本構想に定めた将来都市像「人を結び、時を結び、自然と結ばれる結の湖都・大津」をげんきに健康・たのしく環境・おいしく伝統をキーワードに実現していくものです。
また、この計画は、大津市総合計画実行計画「結プラン」の基本政策に「食育のまちづくり」として掲げ、食に関する意識の啓発と地域に根ざした食育の推進を図るものです。

「大津市食育推進計画」が市民、事業者や関係機関団体、行政や教育機関との「食」による連携・協働のまちづくりに寄与するため、皆様方のご支援、ご協力を心から願っております。
結びになりましたが、策定にご尽力賜りました大津市食育推進計画策定懇話会委員の皆様をはじめ、関係の皆様に心から厚くお礼申し上げます。

大津市長 目片 信

第1章:計画の基本的事項

1.計画策定の趣旨

近年、社会経済情勢のめまぐるしい変化を背景に、家族構成や食生活をはじめとするライフスタイルも大きく変わってきました。日々忙しい生活を送る中で、毎日の「食」を大切にする心や、優れた食文化が失われつつあります。また、食生活においては、栄養の偏り、不規則な食事、肥満や生活習慣病の増加、過度の痩身志向などの問題に加え、「食」の安全上の問題、さらには「食」の海外への依存など、様々な問題が発生しています。

こうした状況を迎えている今日、私たち一人ひとりが、「食」について見つめ直し、自然の恩恵や「食」に関する感謝や理解を深めながら、家庭、学校、地域等あらゆる場面で食育の推進に取り組むことが必要とされています。
国においては、平成17年7月に「食育基本法(注1)」を施行し、平成18年3月には「食育推進基本計画(注2)」を策定し、国民運動として食育(注3)を推進しています。

本市としては、市の特性をいかした方向性や基本的な考え方、具体的な施策を体系化し、関係部局が連携して食育を推進するために、「大津市食育推進計画」を定めるものです。

コラム1

注1:食育基本法

国民が生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むため、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てる食育を推進するため、平成17年7月に「食育基本法」が施行されました。
同法第18条において、「市町村は、食育推進基本計画を基本として当該市町村の区域内における食育の推進に関する施策についての計画を作成するよう努めなければならない」とされています。

注2:食育推進基本計画

平成18年3月に、食育の推進に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図るために必要な基本事項や食育を国民運動として強力に展開することなどがまとめられた「食育推進基本計画」が策定されました。

注3:食育

「食」をめぐる状況の変化に伴う様々な問題に対処し、その解決を目指した取り組みをいいます(食育白書より)。
「食育」は、生きる上での基本であって、知育、徳育及び体育の基礎となるべきものと位置付けられるとともに、様々な経験を通じて、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができる人間を育てるものとして、食育の推進が求められています。

コラム2:大津市の概要

本市は、日本最大の淡水湖であるびわ湖の南西に広がる県庁所在地で人口332457人(平成20年1月末現在)です。
琵琶湖に沿った南北に細長い地形で東にはびわ湖、西には比叡山や音羽山の山並みが美しい自然豊かなまちが形成されています。
平安の時代に都が京都に移ったことにより、本市は湖上交通の要や宿場町として繁栄を極め、また、世界遺産に登録されている比叡山延暦寺などを代表とする神社仏閣が多数存在し、歴史あふれるまちでもあります。
琵琶湖で獲れる魚介類は、湖の恵みとして大切に利用されてきており、なれずしの一種である鮒寿しは、古くは平安時代の文献にも登場し、すべてのすしの元祖といわれています。
びわ湖より流れる瀬田川で獲れるセタシジミは、江戸時代より味がよいと定評があり、シジミ汁やシジミ飯などにして食べられてきました。その他びわ湖産魚介類の佃煮やえび豆などの伝統料理が家庭の味として親しまれています。本市には、湖国ならではの食材を味わうことができる食文化があります。
また、都市部と農村部が混在した土地柄も特徴的で、身近に「食」に関する体験が楽しめる場所が豊富にあり、環境に配慮した活動も活発に展開されています。琵琶湖は母なる湖として、本市の食文化や産業などを支えています。

2.計画の位置づけ

計画の位置付けイメージ図

(1)計画の位置づけ

本計画は、食育基本法第18条に基づく「市町村食育推進計画」です。また、県の計画や本市の他の事業計画との整合性を図りつつ、食育の取り組みを効果的に推進していきます。

コラム3:大津市総合計画

総合計画は、地方自治体の計画の中で最上位に位置する計画です。
まちづくりの基本理念、将来都市像や基本政策などを定めた「基本構想」と基本構想に基づき施策や重点事業などを体系的にまとめた「実行計画」により「大津市総合計画」を構成し、総合的かつ計画的なまちづくりに取り組むものです。将来都市像「人を結び、時を結び、自然と結ばれる『結の湖都』大津」の実現を目指しています。

(2)大津市総合計画の中の大津市食育推進計画として

本市では、大津市総合計画の基本方針である『次代を支える「ひとのつながり」を創る』の基本政策『希望に満ちて生き生きと暮らすことのできるまちにします』の施策の中に、『食育のまちづくり』を挙げています。

重点化の視点として、「食」に関する正しい情報を選択する能力を育むことや地元の食材を生かした食文化の振興、「食」について自ら考え実践できる子どもの育成に取り組むなど、多方面の分野から食育推進を目指していくことを計画しています。

大津市総合計画の将来都市像「ゆい結の湖都・大津」の実現を目指すプロジェクトについての『結』の視点に沿い、本計画でも『食べつなぐ:健康(げんきに)環境(たのしく)伝統(おいしく)』として、特性を生かした食育を目指します。

子どもから大人まで「食育」を身近なものに感じてもらえるように、健康は『げんきに』、環境は『たのしく』、伝統は『おいしく』としました。

健康は『げんきに』という言葉と結びました。「毎日の食事で『げんきに』健康づくりを」という意味を込めています。
環境を『たのしく』という言葉と結びました。「みんなで『たのしく』環境の大切さを学んで『食』を守っていきましょう」という意味を込めています。

伝統を『おいしく』という言葉と結びました。現代の子どもや若い世代の人たちにとって、伝統料理などは馴染みの少ないものになっています。「子どもの時から、楽しい食卓を囲んで『おいしく』 伝統料理などの『食』を味わえるように」という意味を込めています。
「食育」はまさに、「食」が「健康・環境・伝統」を「結(結ぶ)、つなぐ」と考えます。
市民、行政、教育機関、関係機関・団体などの連携・協働のもと、さまざまな分野から食育を推進します。

1)健康:げんきに(いのちを結ぶ~次の世代へつなぐ)

次代を担う子どもたちの健やかな成長を目指し、子どもの育つ環境や子育て家庭を取り巻く状況などに注目し、子どもから大人までの生涯にわたる取り組みを実施します。

  • 子どもから大人まで生涯にわたる食育推進
  • 健康づくりを目指し、地域で広げる食育推進
  • 「食」に関する知識や「食」を選択する力を学べる食育推進
  • 「食」に感謝する心を育む食育推進

2)環境:たのしく(豊かな自然と結びつく~ふるさとをつなぐ)

大津の豊かな自然環境に注目し、自然の恵みに感謝する心を学んだり、環境問題に対する活動を推進したりするなど、自然環境保全、環境保持を絡めた取り組みを実施します。

  • 山と湖とまちの環境に配慮した食育推進
  • 地元の食材を大切にした地産地消を広げる食育推進
  • 「食」の安全を守る食育推進
  • 日常生活や体験を通して自然の恵みに感謝する食育推進

3)伝統:おいしく(伝統的な行事や作法と結びついた食文化~食文化をつなぐ)

私たちの生活そのものが、昔から受け継がれ築かれてきたものです。個人あるいは家族が、地域社会においてさまざまな人たちとつながることによって生まれてきたさまざまな文化は、大津の歴史となり伝統となります。
歴史ある大津の伝統を、「食」を通じてつなぐことを目指して取り組みを実施します。

  • 気候風土に結びついた地域の食文化を伝承する食育推進
  • 「行事食」「郷土料理の食」にふれあい、豊かな味覚を育む食育推進
  • 「日本型食生活」の良さを大切にする食育推進
  • 家族で一緒に食卓を囲み、食事を楽しむ食育推進
3本柱のイメージ図と写真

3.基本理念

食育を通じて、市民一人ひとりが、生涯にわたって健全な心身を培い、豊かな人間性を育むため、「食」に関する知識と「食」を選択する力を習得し、健全な食生活を実践することができるようにします。

4.計画の策定の経過と計画の期間

計画の推進体制 (イメージ図)

推進体制のイメージ図

(1)計画の策定の経過

市民や有識者による懇話会において内容を検討し、その結果を踏まえてこの計画を策定しました。また、アンケート調査やパブリックコメントなどの機会を通じて、市民の意見を十分に把握し計画へ反映しました。

(2)計画の期間

計画期間は、平成20年度から平成23年度までの4年間とし、計画期間中に状況の変更等が生じた場合には見直しを行います

5.計画の推進体制

社会経済情勢の変化に適切に対応するとともに、地域の特性をいかした大津市らしい食育を具体的に推進するために、家庭、学校、地域などそれぞれの立場で、具体的な取り組みを行います。

1)市の役割

庁内関係部局の食育の取り組みを総合調整し、地域の関係団体、事業者等と連携・協力を図りながら、計画の推進に努めます。
また、市民一人ひとりが「食」についての意識を高め、自発的な食育の実践活動に取り組むことが何よりも重要であることから、「大津市食育推進計画」の趣旨を広く市民に対して周知し、食育を積極的に推進します。

2)家庭の役割

食生活の大部分を担う家庭の役割は、食育を推進するうえで最も大切な場であり、食育の原点です。
大人は自分自身の健康に留意した食生活を実践するとともに、子どもの欠食や孤食をなくし、「食」に感謝する心や「食」に関する正しい知識を伝える役割を担っています。
特に、成長期にある子どもたちにとって、朝食の欠食、孤食、食生活の乱れは、将来にわたって心身の健康に大きな影響を及ぼすことから、毎日の生活の中でバランスのとれた健全な食生活を実践し、家族みんなで「食」について学ぶ機会を積極的に持つことが大切です。
市民一人ひとりが自主的かつ積極的に、生涯にわたり健全な食生活の実現に努めることが、食育の推進に重要な役割を果たします。

3)学校、幼稚園、保育園等の役割

子どもが将来にわたって心身の健康と豊かな人間性を育むため、学校、幼稚園、保育園等の活動を通じて、保護者や地域との連携・協力のもと、子どもたちが「食」の大切さを理解し、「食」の楽しみを実感できるような食育の推進を行います。
また、本市には大学が集積しており、これらの学校と協力した取り組み等も期待されます。

4)地域、団体の役割

乳児から高齢者まで、皆が生涯にわたって健康でいきいきと暮らしていくために、地域ぐるみで食生活改善に取り組んでいくことが大切です。
生活習慣病を予防するための食生活や、環境に配慮した食生活の工夫等の知識を普及する食育ボランティアや団体等の活動が期待されます。
また、核家族化している現代社会において地域の人々による、伝統料理などの地域の食文化や日本型食生活の良さなどを伝えていく場の提供等が期待されます。

5)生産者・食品関連事業者の役割

生産者は環境に配慮した生産活動を行うことや、生産過程を消費者(市民)が学べるような生産体験の場の提供などの交流を積極的に行うことが期待されます。
食品関連事業者は健康に配慮した商品の製造やメニューの開発、「食」に関する分かりやすい知識(栄養・食の安全等)の提供等が期待されます。

第2章:「食」をめぐる現状(国内・大津市)と課題

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1.「食」をめぐる現状(国内)
(食育推進基本計画、平成18年度、平成19年度食育白書より一部抜粋)

(1)生活習慣病の現状

近年では、子どもを含めて肥満の増加が見られます。男性では、30~60歳の約3割に、女性では60歳以上で約3割に肥満が見られます。
女性の場合は20歳代の約5人に1人がやせており、過度のやせ志向の問題も指摘されるようになってきています。

生活習慣病である糖尿病については、全人口の1割を超える1,620万人が「強く疑われる」と「可能性が否定できない」に当てはまり、増加傾向です。 メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)について「強く疑われる」と「予備群と考えられる」と該当する人は、40~74歳の男性の約2人に1人、女性の約5人に1人になります。

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(2)「食」に関する正しい知識の普及状況

日本型食生活は、米を中心とした水産物、畜産物、野菜等の様々な食材から構成された栄養バランスの良い食事です。しかし、近年、脂質の摂り過ぎや野菜不足等の栄養の偏りが見られます。
また、子どもを含めて朝食の欠食等、不規則な食生活の傾向が広がっています。男女ともに朝食欠食の割合が最も高かったのは20歳代となっています。

(注意)内閣府 食育に関する意識調査より

適切な食品選択や食事準備のために必要な知識・技術があるとする人は男性で約3割、女性で約5割しかないなど、健全な食生活の実現に欠かせない「食」に関する知識や判断力が低下しています。

「食」に関する知識
  「している」人の割合が高い層 「していない」人の割合が高い層
栄養バランスに気をつけている 女性30歳代及び50歳代以上 男性の20~40歳代
食を通じたコミュニケーションの充実 男性の20~30歳代女性の20~50歳代 男性の60歳代以上
規則正しい食生活に努めている 男性の70歳以上女性の50歳以上 男性の20~40歳代女性の20歳代
食事に関する作法に気をつけている 女性のすべての年代 男性の20歳代及び50歳代以上
自ら料理に取り組んでいる 女性の30歳代以上 男性のすべての年代

 

グラフ

(3)高齢者の低栄養等の問題

高齢者が健康でいきいきと生活を続けるためには、健全な食生活を心がけることも重要です。高齢者では、食生活を支える口腔機能の低下、食べる物が好みに偏る、少食による栄養不足などの食生活に関する問題が増加しています。

(4)家族で楽しく食卓を囲む機会の変化

現代では、生活様式の多様化によって家族等と楽しく食卓を囲む機会が少なくなりつつあります。ほとんどの小学生、中学生が家族とともに暮らしていると思われますが、朝食や夕食を一人で食べる孤食が見られ、子どもたちの「食」を通じたコミュニケーションの充実、挨拶や食事のマナーを習得する機会が減少しています。

(5)食品の安全性の問題

近年、BSE問題、輸入野菜の残留農薬問題など、「食」の安全を脅かす事件で国民の安心感・信頼感が揺らいできています。また、遺伝子組換えなどの新たな技術開発により、食生活を取り巻く状況も大きく変化しています。食品の安全性が損なわれることによって、人々の健康に悪影響を及ぼし、重大な被害を生じさせるおそれがあります。

食糧自給率のグラフ

(6)食料自給率の現状

日本の食料自給率は、世界の先進国の中で最低の水準であり、多くの「食」を海外に依存しています。日本のカロリーベースの食料自給率は、近年では40%前後ですが、長期的には、低下傾向となっています。

グラフ

(7)食文化の伝承の状況

現代では、国内においても、国外の食材や料理等の多様な食生活を、子どもの頃から気軽に楽しむことが可能となっています。そのため、日本各地で育まれてきた日本の食文化が失われつつあると指摘されています。

(8)「食」への感謝の意識

世界中では、まだ多くの人が飢餓や栄養不足で苦しんでいますが、日本では食べ残しや食品の廃棄が大量に発生しており、食料が豊富にあることが当たり前のように受け止められる傾向にあります。

時代の変化によって、国民の食生活や食を取り巻く環境が変わり、「食」に対する意識、感謝の念が薄れてきています。
また、都市部に生活している人々には、食生活が農業、漁業、流通など様々な人と活動に支えられているということを日々の生活の中で実感することが難しくなってきています。

(9)環境に配慮した食生活についての意識

地球温暖化防止や循環型社会の形成を目指して、食品リサイクルをはじめとして食品廃棄物の再生利用等で環境保全に取り組んでいます。環境保全の取り組みによって、国内の自然の中で得られる「食」が守られています。
農業や漁業は、限られた国土や水資源の自然の恩恵に支えられています。環境に配慮をする意識については、まだ国民内に格差があり、十分に浸透していないのが現状です。

2.「食」をめぐる現状(大津市)

(大津市食生活・食育に関する調査、健康増進コース・生活習慣病健診結果より)

(1)食生活の現状(大津市食生活・食育に関する調査、健診でのアンケート結果より)

1)食事の摂取回数

食生活・食育に関する調査の結果では、全年代ともに90%以上が三食とも摂っていました。間食状況では、女性の方が多く、肥満の人ほど多く摂っていました。

2)朝食欠食状況(大人)

朝食欠食状況では、国や県と同様の傾向にあり、20歳代、30歳代男性の欠食率が多くなっていました。健康増進コース受診者の問診票から20~39歳の男性では、特にひとり暮らしをしている人に朝食欠食が目立ちました。

3)朝食欠食状況(子ども)

子どもの朝食欠食状況では、小学4年生では、「時々食べる」、「食べない」を合わせて6%、中学生では、週3日以下しか食べないが7%でした(滋賀県19年度調査で「ほとんど食べない」、「食べない日もある」と回答した子ども:小学5年生9.2%、中学2年生16.3%)。
右:大津市の小学4年生朝食欠食状況生活リズムのアンケートより(大津市地域女性団体連合会実施調査)
左:大津市の10歳代(中学生以上)の朝食欠食状況大津市食生活・食育に関する調査より

朝食欠食状況のグラフ
朝食を欠食している20歳、30歳代男性の割合
  調査年度 20歳代 30歳代
大津市 19年度 27.4パーセント 18.5パーセント
滋賀県 16年度 28.6パーセント 23.2パーセント
全国 17年度 33.1パーセント 27.0パーセント

(2)肥満・やせの割合の状況(大津市生活習慣病健診、増進コース結果より)

BMI(ボディマス指数)が25.0以上の肥満の人の割合は、全体的には男性、女性ともに受診者の約2割(各種健診結果)でしたが、 男性40~50歳代では約3割(生活習慣病健診結果)と特に多くみられました。大津市男性のBMIが25.0以上の割合は、県の平均値より高く、女性はほぼ同じでした。
一方、20~40歳代女性では、やせ(BMI18.0未満)の割合が国の調査結果に比べ、大津市の方が多い結果となりました。

(3)生活習慣病の現状

受診者のうち高血圧で治療中の人は、 40~64歳で約2割、65~74歳で約4割、75歳以上では約半数でした。脂質異常症、糖尿病では、全体で約2割前後の人が治療中でした。経年的な変化では、受診が必要とされる「要医療」の判定者が年々増加しています。

グラフ

治療中の割合(男性)

グラフ

治療中の割合(女性)

グラフ

「朝食・夕食をひとりで食べている割合」
生活リズムのアンケート、大津市食生活・食育に関する調査より

(4)子どもの「孤食」の問題
(大津市食生活・食育に関する調査結果より)

夕食をひとりで食べている子どもについて、大津市内の小学生、中学生ともに、滋賀県の小学生、中学生より多く「孤食」の傾向が見られる結果でした。

環境に配慮した食生活の認識状況

(5)環境に配慮した食生活の認識状況
(大津市食生活・食育に関する調査結果より)

「食べ残さない」について、国では92.8パーセントが実践していると答えていました。 大津市の調査では69.5パーセントに留まりました。
大津市では「生ゴミは水を切ってから出す」が47.7パーセント、「ガス、電気、水の節約」が46.3パーセントと、半数近くの市民が何かの方法で環境に配慮しているという結果がでました。

食に関しての活動の状況のグラフ

(6)伝統や環境と「食」の関係性の認識状況
(大津市食生活・食育に関する調査結果より)

「食」に関しての活動では、「食材の買い物」が70.5パーセント、「料理」が57.7、「種まき・田植えの体験」が19.6パーセント、「芋掘りや収穫の体験」が28.2パーセントという結果が出ました。多くの市民が「食」に関して、何らかの活動・体験を行っていました。
地域の郷土料理については、国では68パーセント、大津市では66.9パーセントが「知っている」と答えていました。大津市では、知っている郷土料理を自由に記載してもらったところ、鮒や鮎、シジミを使ったメニューなどがあげられていました。

(7)食育の周知、認識状況(大津市食生活・食育に関する調査結果より)

「食育」について、 「言葉も意味も知っている」は44.2パーセントでした(国は26.0パーセント)。国の調査結果より数値が上回っていました。このことについては、大津市の調査は、国の調査より後に実施したため、以前よりも認知度が高まっているためではないかと考えられます。
「食育」への関心度は国と同様で約70パーセントでした。
メタボリックシンドロームについて、「言葉のみを知っている」は、91パーセントと国の傾向と同様でしたが、「言葉も意味も知っている」は、70パーセントでした(国は77パーセント)。

3.大津市の課題

「食をめぐる大津市の現状」をもとにすると、以下のような課題が考えられます。

(1)食育の取り組みに対しての課題

食育推進の実践については、食習慣が決まっている大人とこれから正しい食生活を学んでいく子どもとでは、目指す目標が異なるので、分けて示します。

1)健康

子ども:不規則な食生活の改善、正しい情報の選択と理解
健全な食生活の実践は、健康な身体づくりの基礎となる上で大切です。子どもの不規則な食生活や朝食欠食の高い割合の現状から、乳児期から発達段階に応じ、正しい生活習慣を確立できるような取り組みが必要です。
テレビ・雑誌などから多くの情報を得られますが、子どもの頃から正しい行動ができるよう、情報の選択、理解する力を身に付けられる環境を整えることが必要です。

大人:食生活からの生活習慣病予防、正しい知識提供を受ける機会を増やす
肥満や生活習慣病が増加し始める30歳代は、仕事や子育てに忙しく、栄養バランス等の自分自身の「食」に配慮する時間を確保することがなかなかできません。
しかし、自分のためにも、子どもの世代へ「食」の正しい知識や食文化を伝えるためにも、身近な場所で食生活について正しい情報を得ることができる環境整備や健康を見直す機会のない人への取り組みが必要です。

2)環境

子ども:「食」と環境に配慮した食生活を考える機会を増やす
学校や地域では、「食」と環境を関連付けた活動は多く行われています。環境について興味をもっているかについては、個人差が大きく、「食」と環境の関係についてもまだ十分普及していません。子どもが身近なところで大人から「食」と環境の関係を学ぶことは、現状では難しいと思われます。
子どもが環境に配慮した食生活を身につけるためには、学校、地域、家庭などで、体験や指導を通じて、環境と「食」について学ぶ機会をつくることが必要です。

大人:「食」と環境について考える、学べる機会を増やす
環境を配慮した食生活は「エコ・クッキング」など限られた場所で行われることが多いため、毎日の生活で学ぶ機会は多くはありません。「食」と環境の関係を身近な場所で、身近なこととして考えることができるような取り組みが必要です。環境問題が注目される現代では、「食」と環境についてひとりひとりが考え、限られた自然の恩恵を意識できるような取り組みが必要です。

3)伝統

子ども:孤食を減らし、家庭や地域から食文化や食事マナーの継承の機会を増やす
「孤食」の増加によって、大人と楽しく食卓を囲む機会が減ってきています。一緒に食事時間を過ごす「食」を通じたコミュニケーションは、「食」の楽しさを実感させ、精神的な豊かさをもたらします。
多様な家族形態や生活観があり、食事のスタイルも様々になってきていますが、その中でも、食事をする楽しさを体験し、食事は大人から食文化を学ぶ機会という意識を広める取り組みが必要です。

子ども・大人:地域の食文化、行事と結びついた食文化に触れる機会を増やす
転入者や核家族の多い地域では、公民館などでの催しや講座以外では、家庭の中で地域の食文化に触れることが難しい現状です。また、現代では、祭事などの伝統的な行事と結びついた食文化を地域の人たちと楽しむ機会も減っています。
地域の身近な場所で食文化に触れられ、伝承する必要性を感じられるような取り組みが必要です。

(2)大津市の食育を取り巻く背景の課題

1)「食育」に含まれる意味が十分に広まっていない

現代では、店舗に行けば食べ物が手に入ることが普通になっており、農家の方が長い期間かけて環境に気を配りながら野菜を育て、収穫し、市場を通り、店舗に並ぶといった手元に届くまでの一連の過程を知ることはなかなかできません。そのため、食べ物に感謝する気持ちも薄れつつあります。また、外食や孤食等の様々な食事のスタイルがあり、食事を楽しむ文化等を学習・体験できる場も減少しています。
食育は、健康な身体をつくる正しい食の選択という意味については広まりつつありますが、感謝や環境、文化等の大切な意味も含まれているということがまだ十分に普及できていません。
食育についてより多くの市民に広めるためには、家庭・地域・行政・教育機関等、それぞれの機関でそれぞれの意味で取り組みを行うことや食育月間や食育の日に、食育について積極的に周知を行うことが必要です。

食育推進を行う市民へのサポート体制イメージ図

2)食育の取り組みが整備されていない

「食育推進を行う市民へのサポート体制」(イメージ図) 

食育の活動は、既に、ボランティア、民間企業、行政等の様々な組織が、伝統料理を伝える講習会や地引網の体験等、地域に密着した取り組みを実施しています。また、教育機関でも「食」に関する学習や環境に配慮することや食への感謝の気持ちを教える農業の体験など、「食育」につながる授業や活動を数多く行っています。
本市では、このような食育についての取り組みを行っているにも関わらず、関係者が食育という視点で取り組みを整理することや伝え合う機会がなく、行政・地域・市民との連携についても検討する機会がありませんでした。
今後は、食育推進というひとつの目標に向かって、連携、協働し、様々な分野で行われている活動を整理して、成果を把握、共有できる体制をつくることが必要です。

第3章:目指す市民像と具体的な取り組み

1. 目指す市民像

市民の目指す姿を、健康、環境、伝統の三本柱の視点で、年代別に示しました。食育推進を実施していくためには、それぞれの年代別の課題に沿った取り組みが必要です。その取り組みを行うことによって、食育を広め、充実していくことができ、目標に到達できると考えます。
「食」が胎児や出産、母乳、育児の様々なエネルギー源になる妊産婦の時期、離乳食から食べることを習得し、食事のマナー等も身に付けていく重要な時期になる乳幼児期、自分自身で「食」について考えられるようになってくる学童期、心身の成長に重要な時期である青少年期、自分自身の健康管理としての「食」、子どもをもつ親としての「食」についての伝承を行う役割で重要な時期である青年期・壮年期、また主に自己の健康管理が大切になる壮年期・高齢期に年代を分けました。
市民の目指す姿のそれぞれの具体的な内容は、以下のとおりです。

(1)妊産婦

  • 健康
    産前産後の健康な体を維持するために、バランスの良い食事をとり、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい体重増加にする口腔内に関心を持ち、歯や歯肉を健康に保つ方法を知っている
  • 環境
    タバコやお酒の害から赤ちゃんを守ることや、安全な食品を選ぶことができる
  • 伝統
    赤ちゃんや家族との暮らしを楽しみながら、毎日の食事を楽しみ、体と心の健康につなげる

(2)乳幼児期

  • 健康
    おなかがすく生活リズムがもてる
  • 環境
    栽培、収穫、料理を通して食べ物に触れはじめる
  • 伝統
    家族や仲間と一緒に食べる楽しさを味わう。「いただきます・ごちそうさま」の挨拶をする。

(3)学童期(6歳から12歳)

  • 健康
    産前産後の健康な体を維持するために、バランスの良い食事をとり、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい体重増加にする口腔内に関心を持ち、歯や歯肉を健康に保つ方法を知っている
  • 環境
    タバコやお酒の害から赤ちゃんを守ることや、安全な食品を選ぶことができる
  • 伝統
    赤ちゃんや家族との暮らしを楽しみながら、毎日の食事を楽しみ、体と心の健康につなげる

(4)青少年期(13歳から18歳)

  • 健康
    自分の体の成長や体調の変化を知り、極端なダイエットなどはしないで自分の体を大切にできる。自分が「何を」「どれくらい」「どのように」食べたらよいのかがわかり実行できる。
  • 環境
    環境や資源に配慮した食生活を送ることができる
  • 伝統
    一緒に食べる人を気づかい、楽しく食べることができる

(5)青年期・壮年期(19歳から39歳)

  • 健康
    食べたい食事のイメージを描き、健康的な食生活を生活習慣として身につけ、楽しく実行できる
  • 環境
    環境や資源に配慮した食生活を送ることができる
  • 伝統
    子どもの発達段階に応じて、地域に伝わる食文化やマナー、早寝・早起き・朝ご飯など、健全な食生活習慣を身につけさせる役割を担う

(6)壮年期(40歳から64歳)

  • 健康
    産前産後の健康な体を維持するために、バランスの良い食事をとり、お母さんと赤ちゃんにとって望ましい体重増加にする口腔内に関心を持ち、歯や歯肉を健康に保つ方法を知っている
  • 環境
    タバコやお酒の害から赤ちゃんを守ることや、安全な食品を選ぶことができる
  • 伝統
    赤ちゃんや家族との暮らしを楽しみながら、毎日の食事を楽しみ、体と心の健康につなげる

(7)高齢期(65歳以上)

  • 健康
    栄養バランスなど健康的な食生活を生活習慣として身につけ楽しく実行できる
  • 環境
    環境や資源に配慮した食生活を送ることができる
  • 伝統
    子どもの発達段階に応じて、地域に伝わる食文化やマナー、健全な食生活習慣を子や孫、地域に伝える

2.具体的な取り組み

市民の未来につながる食育を推進するためには、一人ひとりの意識が大切であることはもちろんのこと、家庭・地域・行政・教育関係等が協力し連携して取り組むことが必要です。
そのため、それぞれにおける食育を推進するための取り組み項目を示しました。なお、以下の取り組み事例は、18年度の事例を参考として取り上げています。
今後は、これらの活動を食育の視点を意識して充実させていきます。また、「食」に関する新たな事業や活動を実施する際には、食育を推進するための視点を持って取り組みます。

(1)食育推進に向けた市民や関係機関の取り組み

家庭
  • 早寝早起き朝ごはん運動の推進
  • 子どもの「孤食」をなくす
  • 食育推進のための体験活動への参加

食育の基本は家庭にあります。朝目覚めて、朝ごはんを食べることによって生活リズムを整えます。家族で食卓を囲み、子や孫へ健康的で豊かな食生活、大津で育まれ受け継がれてきた食文化を伝えていきます。
しかしながら、核家族化が進んでいる現代においては、これが難しくなってきているのが現状です。地域や市内各地で行われている体験活動に積極的に参加し、地域とのつながりを深め、皆で食育をすすめます。

ボランティア団体
  • 健康推進員、地域女性団体連合会、環境フォーラム、郷土料理研究会等多様な「食」に関する体験活動の機会の提供
  • 食文化の伝承活動
  • 食育推進の普及啓蒙活動

家庭と地域をつなぐことが、ボランティア団体の大切な役割です。様々な体験活動の場を設け、健康的で豊かな食生活、大津で育まれ受け継がれてきた食文化を伝え、食育を実践できる人を育てる活動を行います。

  • 大津市健康推進連絡協議会
  • 大津市地域女性団体連合会
  • おおつ環境フォーラム
  • 郷土料理研究会
郷土料理お弁当の写真
健康フェスティバルの写真
関係団体 栄養士会・歯科医師会・医師会等
  • 専門知識と活動を通じた食育の推進

「食」や健康に関する専門的な知識を生かし、生活習慣病の予防や、生涯にわたって健康的な生活が送ることができるよう、様々な機会を通じて情報提供や啓発を行い、食育を推進します。

食品関連事業所
  • 健康に配慮した商品やメニューの提供
  • 食育に関する多様な体験活動の機会の提供

外食産業、食品の製造、流通、販売事業者は、安全性の確保や健康情報の発信等、消費者に提供する商品を通じて食育を推進します。また食品の製造や流通過程などを学ぶための多様な体験活動の機会の提供を行います。

農林漁業者
  • 農林漁業の多様な体験の機会の提供
  • 安心な農産物の生産
  • 環境に配慮した生産活動

自然の恵みを大切にする心、「食」への感謝の気持ちを育み、家庭と生産者とのつながりを深めるため、農林漁業の体験の場を提供します。また市民が安心して消費できる地産品を生産し、大津の豊かな自然を未来につなげる生産活動を行います。

滋賀県
  • 滋賀県食育推進計画の推進

県においては、「滋賀県食育推進計画~まるごとおおみいただきますプラン~」を平成19年6月に策定されました。この計画と連携しながら、食育を推進します。

(2)食育推進に向けた大津市の取り組み

本市では、子どもから高齢者まで生涯にわたって食育に取り組むことを目指し、関係各課が市民や関係団体と体制整備をはかり、連携・協働して食育の推進に努めます。
それぞれの役割と取り組みについて、以下にまとめました。

小学生の田植え体験
幼稚園・学校
  • 食育推進体制の整備
  • 「食」に関する指導の充実
  • 「食」に関する体験活動の推進
  • 地場産物を取り入れた給食(小学校)

子どもの孤食をなくすこと、子どもの頃から食に関する正しい知識を選択すること、環境に配慮をした食生活を考えられるなど、食育に関心をもつ子どもを増やす食の環境づくりが必要です。
学校や地域など、大津市全域で子どもが食育についての活動を体験できるような取り組みを行っていきます。

保育課・保育園・子育て総合支援センター
  • 食育推進体制の整備
  • 「食」に関する指導の充実
  • 食に関する体験活動の推進
  • 地場産物を取り入れた給食(保育園)

乳幼児期は子どもの健全な育成のために重要な時期です。給食や体験活動により、「食」への感謝の心を育み、基本的な食習慣を身につけ、健康的で豊かな食生活が送れる子どもを育てます。また子どもたちへの食育を通じて、家族みんなの食育につなげます。

健康長寿課・社会福祉協議会
  • 配食、給食を通じた高齢者の食育推進、低栄養対策

「食」は生きる上で必要不可欠なものであるとともに、生活の楽しみのひとつでもあります。配食サービス、給食を通じて、健全な食生活の確保を行います。

消費生活センター
  • 「食」の安全に関する情報提供

食の安全性や食品表示に関する情報を正しく理解できるように、講習会などの機会を作り、情報を提供します。

調理中の写真
健康推進課・すこやか相談所
  • 年代別の課題に応じた食育の実践
  • 生活習慣病予防と食育の推進
  • 食育推進(健康推進)の活動者の育成と協働

子どもから高齢者まで、健康でいきいきとした生活を送るため、生活習慣病の予防等「健康おおつ21」計画と連動し、年代別の課題に応じた食育の取り組みを進めます。また、各所で行われている取り組みをつなぐ拠点となります。

生涯学習課・生涯学習センター・児童館・公民館
  • 地域の特性を生かした自主活動の推進
  • 食文化の伝承活動
  • 「食」に関する体験活動の推進

家庭と地域、世代をつなぎ、地域で食育を実践していくため、子どもから高齢者まで体験活動や講座等を通じて、市民団体と連携し様々な取り組みを実施します。

環境保全課・ごみ減量推進課

大津の豊かな自然を未来につなぐため、「食」と環境のつながりを意識し、「食」の大切さの啓発を行います。また、安全で安心して消費できる地産品の生産の促進や、体験活動による市民と生産者の交流で、距離を縮め「食」と「農」の理解を深める事業を行います。

  • 自然体験、調理体験を通じた環境啓発
  • 食べ残し等生ごみの処理を通じた環境啓発
農林水産課・環境保全課
  • 食料生産と地球環境の理解促進
  • 農業体験を通じた環境啓発
  • 環境こだわり農業の理解促進
  • 環境に優しい生産方式の普及
地引網の写真
農林水産課
  • 大津産食材の直売所(朝市)の活性化と情報提供
  • 大津産食材の情報提供
  • 都市農村交流などを通じた食育の推進
  • 安心な農産物の流通促進
  • 食育推進の活動者の育成と協働(農漁業)
観光振興課・観光協会

ホームページ等にて大津の物産、郷土料理などの周知・啓発

大津で育まれ受け継がれてきた食文化を、広く市民に継承していくため、イベント開催時やホームページ等を通じて発信します。

男女共同参画課
  • 男女共同参画による食育の推進

男女共同参画の視点から、講座等を開設し食育を推進します。

企業局営業開発課・都市再生課・公設市場
  • 「食」をテーマとした事業、活動の推進

第4章:食育推進に向けた数値目標

本市の食育推進計画では、第2章で示した国や市の現状と課題をふまえ、第3章において目指す市民像を具体的に示しました。そして、個人、家庭、地域、企業、行政の様々な取り組みの中で、その目指す市民の姿に近づけるような体制を作ります。
さらに、その成果を推し量るために、23年度までに達成していきたい目標を数値化しました。

食育推進に向けた数値目標
食育推進に向けた数値目標 現状 平成23年度
(1)食育に関心を持っている市民の割合 68.3パーセント(注1) 90.0パーセント
(2)学校給食における地場産物を使用する割合(食材数ベース) 15.0パーセント(注2) 20.0パーセント
(3)朝食を欠食する市民の割合
  • 20歳代男性
  • 4か月児をもつ母親
27.4パーセント(注1)
8.3パーセント(注3)
15.0パーセント 3.0パーセント
(4)「食事バランスガイド」等を参考に食生活を送っている市民の割合 12.0パーセント(注1) 60.0パーセント
(5)BMI(ボディマス指数)25.0をこえる40~64歳の市民の割合 男性:29.2パーセント(注4)
女性:17.6パーセント(注4)
増加しない
(6)環境に配慮した食生活を送っている市民の割合 78.0パーセント(注1) 増加している
(7)夕食をひとりで食べる10歳代の市民の割合 11.0パーセント(注1) 増加しない

注1:平成19年度大津市食生活・食育に関する調査結果
注2:平成19年度学校給食栄養報告
注3:平成19年度大津市4か月児健診問診項目
注4:平成18年度大津市基本健康診査

(1)食育に関心を持っている市民の割合

「食育」についての正しい理解が、子どもから高齢者まで広く市民に浸透する概念となるように、母子健康手帳交付時の相談からはじまり、各年代における相談、学習、健診などの機会に啓発します。また、「食育」は、健康・環境・伝統の三本柱の全てに関係しているということを伝え、「食」をきっかけに様々な分野に対する関心を高めます。

(2)学校給食における地場産物を使用する割合

給食等に滋賀県や大津市の豊かな自然環境から生まれた食材を使用します。そのことを給食指導等にいかして、子どもたちに、自然と食べ物との関わり、地域と食べ物との関わり、農業や漁業に携わる人々への感謝の心をもつことの大切さを伝えます。

(3)朝食を欠食する市民の割合(朝食を週に4~5日以上食べない市民)

国の調査・本市の調査でも、朝食欠食については課題でした。特に、20歳代の男性に多く見られ、30歳代から肥満者や生活習慣病が増加していることからも早いうちの対応が必要です。
また、乳児期の子どもは、「食」に関して基礎づくりの大切な時期です。この時期の子どもをもつ母親は、産後の体力回復のために、さらには朝食を食べる習慣を子どもに伝えるためにも、朝食欠食は改善する必要があります。
そのために、健康フェスティバルなどの「食」に関連する催事、大津市ホームページ・広報誌などによる啓発を行います。また、子育て総合支援センターや保育園での取り組み、健康増進コース、初めてのパパママ教室、妊婦のつどい、母子健康手帳発行時の相談、4か月児健診後の相談、離乳食教室等を行います。

(4)「食事バランスガイド」等を参考に食生活を送っている市民の割合

全ての市民が、バランスの良い食生活を送ることを理想としたいところですが、現代では、ライフスタイルが多様化しているため、三食ともにバランス良く食事をとることが困難になっています。しかし、食事バランスガイド等を参考にし、行動しようと意識し、食生活、栄養面から自分の健康に配慮する人が増えることは、健康を維持するためにも必要です。そのために、バランスのよい日本型食生活をイメージしたキャラクター「おぜんちゃん」やランチョマットなどの啓発用教材を作成します。また、各年代における相談、学習、健診などの機会、「食」に関連する催事、大津市ホームページ・広報誌などにより食事バランスガイド等を普及啓発します。

 

トレーニングルームの写真

(5)BMI(ボディマス指数)25.0をこえる40~64歳の市民の割合

食生活の乱れや運動不足から肥満の人が増えています。本市では、男性の約3割が肥満という結果が出ています。肥満は、生活習慣病のリスクのひとつです。食生活の見直し改善等により、肥満の解消を目指します。
そのために、栄養講座・栄養相談・健康運動教室・トレーニングルーム・健康増進コース・特定健診保健指導等を行います。

(6)環境に配慮した食生活を送っている市民の割合

本市には、比良山、比叡山、琵琶湖などの豊かな自然に恵まれています。その豊かな自然環境を守るためにも、環境に配慮をする必要があります。また、この環境からいただく多くの食材を残さず感謝して食べることも大切です。
各年代における環境に配慮した料理教室や体験学習、チラシの配布等の啓発を行います。

(7)夕食をひとりで食べる10歳代の市民の割合

本市の調査結果では、夕食をひとりで食べている「孤食」の子どもが多いことがわかりました。食事は、栄養を摂るだけでなく、楽しみ、心を豊かにすること、大人から食文化や食事のマナーを教えられる場であること、といった多くの大切なものを得られる時間です。
家庭における食育を推進していくために、学校、児童館等、食育を推進する様々な分野の担い手が食育を実践し、連携を図りながら、あらゆる機会を活用して家庭への積極的な働きかけを行います。

本計画をより実効性のあるものとするために、大津市行政の事業については、大津市食育推進庁内委員会において進捗状況の管理と推進を図り、毎年大津市保健対策協議会に報告するとともに、広く市民に公表いたします。
また、計画の達成状況については、関連する各計画における評価指標や市民アンケート調査等で適切に現状を把握します。そして、計画最終年度の平成23年度に市民有識者による大津市食育推進懇話会を開催し、そこで検証、評価し、その結果をふまえ、さらに効果的な食育の推進を図ります。

 

大津市食育推進計画本編に添付している参考資料

この記事に関する
お問い合わせ先

健康保険部保健所 衛生課
〒520-0047 大津市浜大津四丁目1番1号 明日都浜大津1階
電話番号:077-522-7372
ファックス番号:077-525-6161

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