木造住宅の耐震改修工事事例について

更新日:2020年05月13日

実際に改修された耐震改修工事の事例を紹介いたします。今後改修をご検討されるにあたってご参考になれば幸いです。 

ここに紹介したものはあくまでも一例であり、耐震補強工事の程度・方法等は、個々の建築物の状態によって異なりますので、まずは耐震診断を行い、建築物の現況を把握した上で適切な補強計画をご検討ください。

1.耐震壁、接合金物の設置

一般的に、在来工法による木造住宅は、耐震壁と呼ばれる壁によって地震力に抵抗するものとされています。建築基準法では、建物の規模や形状により必要とされる壁量が定められていますが、昔に建てられた建築物には、この基準を満たしていないものが存在します。

そこで、新たに耐力壁を追加設置することで、地震に対する耐力が増すこととなります。また、軸組部材(柱、梁、筋交い等)相互の接合部を金物で緊結することで、構造体本来の耐力を確保することができます。

耐力壁・接合金物設置工事事例の画像
  • 改修事例1:耐震壁増設のため筋交いを設置
  • 改修事例2:筋交いより大きな耐力を有する構造用合板張りの壁を設置
  • 改修事例3:筋交いの柱・梁接合部に接合金物を取付け
  • 改修事例4:特に大きな引抜力が生じる柱にホールダウン金物を設置

2.屋根の軽量化

建築物にどれだけの地震力が働くのかは、建築物そのものの重量が大きく関係し、重い建築物ほど地震時により大きな力が作用するとされています。
昔の建築物では、土葺きの瓦屋根のように屋根重量の非常に重い建築物が見受けられますが、これを軽量な屋根に葺き替えることにより、建築物に働く地震力を抑えることができます。

屋根の軽量化工事事例の画像
  • 改修前:耐震診断における分類上、「非常に重い屋根」とされる土葺き瓦屋根
  • 改修後:引掛け桟瓦葺きとすることで屋根を軽量化

一般的に「軽い屋根」とされているものには、金属板葺きやスレート葺き等があります。

3.基礎の補強

建築物の基礎は、建築物の重量を地盤に伝え、建物全体を支える重要な役割を果たしているものであり、現行の基準では、原則として基礎は鉄筋コンクリート造とすることが義務付けられています。耐力壁についても、基礎と緊結されていることでその効果を発揮します。

昭和初期の建築物等では、玉石の上に束立てしただけのような基礎も多く見受けられますが、これらを鉄筋コンクリート造の構造体で補強することや、耐力壁の下部に新たに基礎を設置することで、建築物の一体性を高めることができます。

基礎の補強の画像
  • 新たに設置する基礎の鉄筋配置
  • コンクリート打設が完了し新たな基礎が完成

現行基準では、基礎の形式は地盤の耐力に応じたものとしなければなりません。事例のような布基礎形式とする以外に、地盤の性質によってはべた基礎、又は杭基礎としなければならない場合があります。

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