プチ起業に関する情報

更新日:2018年08月27日

プチ起業とは

プチ起業とは、「プチ」が付いていますが、一般的な起業と根本は変わりありません。
起業の中でも、自宅等を用いて比較的安価で手軽に事業を起こすスタイルが、プチ起業です。自宅等で事業を行うため、家庭に重点を置きやすい起業のあり方といえます。
限られた顧客を対象に他にはないことや新しいことをビジネスにする場合に、低リスクでスタートできる起業スタイルです。

プチ起業をする人はどんな人でしょうか?

プチ起業をする人たちは、とても多様性に溢れています。なんのために起業したか、どんな仕事の仕方がしたいかにより、様々なスタイルで起業できるメリットがあります。育児や介護などで、決まった時間に仕事をすることが困難な女性や副業OKな会社にお勤めの方、週末や夕方をうまく使って起業する会社員、主婦業の傍ら家事の合間に自分の好きなことを活かしたい方に合ったスタイルで、代表的なスタイルとして自宅の一部を解放して事業をする「サロネーゼ」などがあります。
総じて、「企業に縛られたくない」「仕事に充分な時間を使えない」「仕事中心に時間を使いたくない」「自分の好きなことをお金に変えたい」「さらなる成長を目指したい」「集客や営業、販売を自らの力でやってみたい」といった方々にお勧めです。

雇用ではなくプチ起業を選ぶ理由

1.勤務時間の制約がない…

雇用されると、雇用契約書に基づく働き方をしなくてはなりません。例えば、子どもが体調不良になった時にそばにいてあげたり、自分や家庭の都合で仕事量を調節したりすることが難しくなります。自分が事業主になれば、時間の使い方や稼ぐお金、商品、人間関係まで全て自分で決めることができます。子どもの帰宅に合わせて仕事を切り上げるなど、自分の都合に合わせフレキシブルに働くことができます。

2.自分の好きなこと、やりたいことを生かせる…

あなたには趣味や寝食を忘れて没頭してしまうほど好きなことはありますか?お金や時間をかけてでもやりたいことを仕事にすることができたら、とてもやりがいと満足感が得られます。自分の特技や趣味を活かして人の役に立ち、プチ起業を成功させるには努力も必要ですが、大好きなことなら頑張れますね。自分の好きなことを人の役に立つものに変えて、それをお金に変えることがプチ起業への第一歩です。

3.人間関係、仕事の仕方、スタイルなど全てが自由…

企業に入社すると、会社のルール(服装、使用する機械などのツール、会議や打合せなど)や価値観に自分を合わせる必要があります。また、会社では特に人間関係(お客様や上司部下、同僚など)を自分で選ぶこともできません。「退職理由の4割は人間関係」と言われるほど、人間関係には難しい面があります。プチ起業では、関わる人たちの多くを自分から選んでいくことができます。誰と仕事がしたいか、誰に納品したいかを自分で決めていくことができます。
起業すると、誰かに「こうしてください」と指示されることはほとんどないので、逆に周りの要望に全て応えようとして流されてしまい、混乱する方も多くいらっしゃいますので、経営理念や自分の軸を強く持ち、選んでいく強さが必要です。

4.幅広い価値観に触れ、人格を磨くことができる…

起業すると、自分でお客様を探す必要がありますので、商品・サービスの魅力をできるだけ多くの人に伝えていく必要があり、たくさんの人と会うことになります。活動範囲を限定されない分、自分とは全く違う価値観の人や、様々な考え方の人とも出会い、人から学ぶ機会が増えます。
プチ起業は、利益ではなく自己研鑽に主軸を置いてスタートできるメリットもあります。

プチ起業はこんな方に合います。

1.少ない資金で低リスクに始めたい…

主婦の年間のお小遣いの額は、世帯年収の2~3%程度と言われています。年間10万円~12万円を自由に使えるお金だとすると、プチ起業はそこからスタートすることが可能な起業方法です。一般的な起業は、事業資金を準備し、家族の同意を得ていく必要があり、さらに融資を受ける場合は事業計画書を作成して、収支計画を明らかにする必要があるなど、はじめにいくつかのハードルが出てきます。事業資金をお小遣いの範囲からスタートするならば、家族も安心して応援することができます。

2.自由に楽しく!気軽に始めたい…

大きく売上をあげようとすると、自分が不得意なことや、やりたくないことも無理をしてやる必要が出てきます。お客様の都合に合わせて家族を待たせたり、自分の時間を削ることも出てくるでしょう。特に女性の方は、育児や家事などのプライベートと両立しながら、大きな売上よりも大好きな事でお金をいただく方を優先するような働き方を希望する方が多いので、プチ起業が合うと思います。

3.プライベートも今までどおり大事にしたい…

事業規模を大きくすると、告知範囲を広くしていく必要があります。情報を多く発信することは、家族や自宅などの個人情報も広く知られていく可能性がありますし、良くも悪くも目立つことになります。あえて事業規模を大きくせず、身近なところでビジネスを展開するプチ起業は、プライベートを今までと同じようにと考える方にも合った起業法です。

プチ起業のメリット・デメリット

メリット

ローコスト&ローリスク…趣味の延長から少ない資金でスタートできる起業のため、高額の開業資金は不要です。そのため家族の同意や応援が得られやすいでしょう。もし事業に失敗して途中でやめてしまっても、金銭的なダメージを最小限で抑えることができます。好きなことで起業していれば、もともと好きだったことに時間を切ってきたことになるため、失敗しても精神的なダメージはさほど大きくないと思います。

デメリット

大きな広告費をかけられないため、事業を始めてすぐは知名度が低く、売上が延びない時期が続くことが多いです。すぐにお客様がつかないとあせったり、辛く感じてしまうと思います。営業は自分自身ですることになるため、無理をせずに一人ひとりとSNSでやったとしてもストレスを感じる人はいます。事業を継続していくには、信頼を作り上げ、少しずつ顧客を獲得していく粘り強さが必要です。

プチ起業の例

「サロネーゼ」

自宅でサロン(教室)を開催して人気を博している女性たちです。最近は、美容、リラクゼーション、フラワーアレンジメント、料理、手芸など様々な種類のビジネスがされています。

「フランチャイズ型教室」

大企業等から商号や商標、商品やノウハウなどを利用する権利をもらい、ビジネスを行うスタイルです。サロネーゼの中にも、フランチャイズのモデルを使って起業している方が多く、学習塾や英語教室などが有名です。

「資格講師」

起業につながる新しい資格が次々と出てきています。申込者に対し資格や認定取得に必要な技術やノウハウを教える仕事が資格講師です。最近は協会を立ち上げて、独自のメソッドで新しい資格を作っている方もおられます。講師以外にも、アドバイザーやコンサルタント、アテンダー、サポーターなどの肩書きを名乗ることもあります。

「美容系」

大きく分けて顧客に対して直接施術を行うエステ系と、美容関連の商品を販売したり、認定資格取得に向けたスクール等を開催する販売系があります。

  • エステ系…フェイシャル施術、リラクゼーション、アロマテラピーなどがあります。
  • 販売系…施術用の機械や基礎化粧品の販売、美容系認定資格や技術向上のためのスクール開催などのビジネスがあります。

「ショップ運営系」

身近なところでは、手作り販売や食品関連がありますが、近年はワークショップやネットを使ったビジネスが広がっています。

  • 手作り系…リボン雑貨、フラワー雑貨、和雑貨などを製作販売するビジネスです。
  • ワークショップ系…筆ペンアートや曼荼羅アート、美文字ワーク、ハワイアン雑貨などを製作するイベントを開催し、参加費を得るビジネスです。
  • 食品系…お料理教室、食育講座、何らかのテーマをつけてのお茶会などが食品系プチ起業の主流です。飲食店の開設、お菓子やお弁当の販売等には販売資格等が必要ですのでご注意ください。
  • ネットショップ系…自分で手作りした商品の販売、独自のコンセプトで商品を仕入れて販売するセレクトショップ、スキル・知識・ノウハウを書籍化・映像化したもの等を情報商材として販売するビジネスなどがあります。

「在宅系」

  • ライター系…専門資格やスキルを活かし、情報誌などにエッセイや活動ルポなどを提供するビジネスです。取材、告知媒体文書の作成、企業や社長のSNS更新代行などがあります。
  • デザイン系…紙媒体としてチラシやパンフレット、名刺等の作成、インターネット関連としてホームページやブログのカスタマイズ、写真撮影、音楽製作、キャッチコピー製作などがあります。
  • アフィリエイト…自分のWebページやメールマガジンを利用して、広告主の商品やサービスに関連した情報を掲載したり、Webサイトのリンクを貼ったりすることで広告料収入を得るビジネスです。自身のホームページを経由して会員登録や商品購入があると報酬が支払われる方式です。ほとんどが成果報酬で広告代理店のようなビジネスです。

プチ起業をする際の注意点

1.法律関係は必須…

そもそも、行う予定の事業には、何らかの法律の制限があるかもしれません。違反すると罰則などもありますので、あらかじめ、書籍やセミナーで勉強したり、専門家に相談しておく必要があります。まずは、お近くの商工会議所や商工会などの公的機関、市役所の地域ビジネス支援室などに相談されることをお勧めします。さらに、起業後は個人であっても税務署に開業届を提出しなければなりませんし、許可が必要な事業は、県や市に許可を得るための届出をする必要があります。
また、開業後は毎年、税務署に確定申告書(会社は決算申告書)の提出が必要です。従業員を雇用した場合は、社会保険や雇用保険の手続きなどがあります。
事業を始める際は、法律上必要なことをまず最初に把握し、順番にクリアしていくことが大事です。

2.税金・社会保険に要注意…

当面は扶養の範囲内で収入を得ていこうと起業される方は、アルバイト・パートなどの給与収入と、個人事業による事業収入では、所得税法上の扶養の範囲が異なることに注意が必要です。所得税法上の扶養は給与収入103万円以下と言われますが、これは給与所得者控除の65万円を差し引いて38万円以下の条件であるという意味です。事業収入の場合は、収入から実際の必要経費を差し引いて所得を算出し、その金額が38万円以下であることが扶養の条件になります。
また、社会保険上の扶養がありますが、これは税金上の扶養とは条件が異なります。社会保険の場合は、一般的に所得ではなく収入で130万円未満が条件になりますので、所得条件で税金上の扶養になれたとしても、社会保険料はご自分で負担することになる場合もあります。事業を行う前に確認しておくことをお勧めします。

プチ起業して事業を軌道に載せるには

1.経営スキルの向上

起業家の仕事は多岐にわたります。資金の調達と運用、法務や税務の手続、新しいビジネスなどの企画、情報収集、商品(サービス)づくりや改良、営業、販売、接客といった様々なことをこなす必要があります。こうしたスキルや知識の他にマネジメントに必要なコミュニケーション能力、広告宣伝物製作スキル、ITに関するスキルなど、今は多様な能力が求められます。全て「ここまで学んだらゴール」というものではありませんが、まずは広く浅く身につけることをお勧めします。
スキルを磨くことは、きっと事業の安定につながりますので、起業後もセミナー等を積極的に利用しながらスキルアップしていきましょう。

2.商品クオリティ(質)の向上

ビジネスで商品(サービス)のクオリティは非常に重要です。質が低い商品(サービス)を出してしまうと、今は口コミなどで悪い評判がすぐに広がりますし、クレーム対応に追われるなど全てのことが後手になります。特に、個人の信用が武器になるプチ起業では、一旦失った信用を取り戻すのは大変なことです。商品を出す最初が肝心なことは当然ですが、日頃よりクオリティ(質)の向上に取り組む習慣を身につけることが大切です。商品やサービスを通じてお客様が満足を得て、良い評判が広がりますと、やがてブランド化されます。ブランド化によって顧客が増えると売上や利益も出しやすくなり、事業の安定化につながります。
クオリティを上げるための手法としては、アンケートをとること、信頼できる人にモニターになってもらうこと、専門家のサポートを受けることなどがありますので、ぜひ取り入れて下さい。
また、販路開拓には商品ターゲットのリサーチ、心のこもったセールスレターやアフターフォロー、商品や顧客の情報分析、スムーズな取引や代金の支払い、デザインや内装のクオリティアップも気を使って下さい。

3.集客・営業・販売について

プチ起業をする方々の多くが苦手と答える分野です。事業を継続できなかった方は、ほとんどここでつまずいています。しかし、考え方を少しシフトさせ、スキルと経験を積めば誰でもできることが、集客・営業・販売です。その力を磨く3つのポイントを説明します。

(1)営業(販売)活動をする覚悟はありますか?

起業すると、仕事は自分で取りにいかなくてはならない場合が大半です。利益が出るように、事業の枠組みや売上目標、費用の見込みなどを自分で設定することが大切ですが、初めから目標をクリアすることは簡単ではありません。そのために営業能力や集客力、人脈が必要になるのですが、そもそも人を集め、顧客を獲得していく覚悟がないと次のステップに移れません。

(2)営業(販売)ステップと競合対策は明確ですか?

「素晴らしい商品さえあれば自然に売れる」という時代は終わりました。「資格があれば仕事が来る」、「有名であれば儲かる」ということもなくなりました。
まずは自分の商品やサービスを売るための営業ステップを整理しましょう。広く宣伝するためにインターネットやSNSを活用することは一般的ですが、今は情報が溢れている時代ですので、見てもらうところからハードルがあります。身近な仲間を通じた口コミなどもうまく組み合わせていく必要があります。ただし、無理な営業は精神的にも疲れますので、気の合う方や商品に興味をもっていただけそうな層に対象を絞ることをお勧めします。
また、競合がある場合は、逆に見て、なぜあなたの商品(サービス)が選ばれるのかを分析することも大事です。

(3)人脈形成のための心構えとスキル

ビジネスにおける人脈は、ただ単に名刺を集めただけでは得られません。お互いにメリットがある関係を築くことが必要です。出会った方は、この先自分にとってメリットになるかもしれませんが、時間には限りがありますので、誰とお付き合いを深めるか、ご自身で選ぶ基準をもつことが大事です。まずは、自分の未来のためにたくさんの人に会いにいきましょう。同時に対面、SNS、メールなどでのコミュニケーションスキルを身につけましょう。大事なことは、自分のことを知ってもらうのはもちろん、相手のことを知ることです。共にサポートし合えるような関係になれる方を見抜くことが大切です。「人脈が欲しい」と自分のアピールばかりしていると、相手の本質は理解できません。ビジネスにおける人脈形成は、長期的な投資と考え、相手の役に立ち、かつ相手に必要とされるような方を選んでいくことが大切です。

4.事業理念

市場経済が飽和状態にある中、市場にあなたのビジネスが選ばれ、社会に必要とされていくには、「なぜあなたはそれをしているのか」、「なぜあなたのビジネスが社会に必要なのか」を明確に打ち出していく必要があります。事業をしていると、様々な局面で判断を迫られます。そんな時、理念があれば、たとえ辛い時や苦しい時、悩んだ時にもぶれずに進むことができます。また、お客様に選ばれ続けるには、あなた自身が事業への思いを持ち続けていかなくてはなりません。たとえ、チラシや名刺1枚であっても、あなたの姿勢や生き方、理念を反映させて、まわりの方に応援してもらえるビジネスを展開することがポイントになります。
資金も活動時間も限られてプチ起業では、人の心を動かす理念こそがあなたのビジネスの原動力になると思います。