第2期大津市いじめの防止に関する行動計画(地方いじめ防止基本方針)

更新日:2020年02月13日

大津市・大津市教育委員会は、大津市子どものいじめの防止に関する条例に基づき、いじめの防止に関する行動計画を策定しています。
この計画は、いじめ防止対策推進法に定める、地方いじめ防止基本方針としても位置づけています。

行動計画本編

概要版

概要版(子ども向け)

計画の概要

計画の策定にあたって

2011年(平成23年)10月11日に、大津市立中学校の生徒がいじめを苦に自ら命を絶たれました。亡くなられた中学生に対して、心から哀悼の意を表します。
大津市では、このような悲しみを二度と繰り返してはならないという強い決意のもと、その事件を受けて調査を行った第三者調査委員会の報告書や市議会で制定された「大津市子どものいじめの防止に関する条例」に基づき、いじめ対策推進室や大津の子どもをいじめから守る委員会を設置し、子どもに寄り添った相談対応や、全小中学校に、いじめ対策担当教員を配置するなどの取組を行ってきました。また、2014年(平成26年)3月には、市や学校が実施する3年間の取組をいじめの防止に関する行動計画に定め、保護者や地域住民の皆様、関係機関等が連携して、子どもとともに取り組んでまいりました。
しかし、いじめ対策に終わりはありません。大津市では2015年(平成27年)3月にご遺族との間で大津の事件にかかる裁判について和解しました。私たちは、その和解の内容を真摯に受け止め、いじめが死につながることを忘れてはなりません。
そして、常に、私たちの取組が子どもたちに届いているのかを確かめながら、子どもたちが、学校に行くことが楽しい、学校がよくなったと思ってもらえるように、いじめ対策を進める必要があります。
このような考え方を基本として、これからの6年間のいじめ対策に必要な取組をまとめた第2期行動計画を策定しました。
私たちは、大津の事件の反省と亡くなった中学生のつらさを決して忘れることなく、市民の皆様とともに、子どもたちのために、大津だからこそしなければならないこと、大津だからこそできること、そのようないじめに対する推進にこれからも全力を尽くしてまいります。皆様のお力をいただきますよう心からお願い申し上げます。

計画の基本方針

行動計画を策定するにあたり、次の3つの基本方針を掲げます。この基本方針は第1期行動計画(2014年(平成26年)3月策定)から受け継いでいくこととします。

1 過去の反省を忘れないこと

大津市は、「いじめが死につながる」ことを心に刻み、大津市内の中学校の生徒が自ら命を絶った事件を忘れず、反省し、大津市立中学校におけるいじめに関する第三者調査委員会からの提言、そして事件を受けて制定された大津市子どものいじめの防止に関する条例に基づく取組を進めることに全力を尽くします。

2 子どもの主体性を尊重し、子どもの声を大切にすること

条例においては、「子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境をつくること」を目的としています。子どもの声を聴くことなしに、いじめの本当の解決はありえません。子どもの主体性を尊重し、子どもの声を大切にすることで、いじめ対策に関する施策を実効的なものとします。

3 地域社会全体で取り組んでいくこと

子どもが安心して生活し、学ぶことができる環境を整え、一人一人の尊厳を大切にし、相互に尊重しあう社会の実現のため、各取組主体がそれぞれの責務及び役割を自覚し、主体的かつ積極的に取り組むだけでなく、相互に連携し、地域社会全体でいじめの防止に取り組みます。

計画の期間

2017年度(平成29年度)から2022年度(令和4年度)までの6年間を計画期間とします。中間の2019年度(令和元年度)に、時代の変化や子どもの変化に対応するため、中間見直しを実施しました。

第2期行動計画期間

いじめの定義

「いじめ防止対策推進法」では、「いじめ」は次のような行為と定義されています。

  1. 行為をしたもの(A)も行為の対象となった者(B)も児童生徒であること
  2. AとBの間に一定の人的関係があること
  3. AがBに対して心理的又は物理的な影響を与える行為をしたこと
  4. 当該行為の対象となったBが心身の苦痛を感じていること

「大津市子どものいじめの防止に関する条例」においてもほぼ同様に定義されていますが、行為をした者(A)を子どもに限定してないなど、「いじめ」をより広く定義しています。(ただし、児童虐待に該当するものは除きます。)

例えば、次のようなことがいじめとなります。「冷やかし、悪口、いやなことを言われる」、「仲間はずれにされる」、「暴力をうける」、「金品をとられる持ち物を壊される」、「嫌なことや危険なことをされる・させられる」、「インターネット上で嫌なことをされる」

「いじめ」とは、その言葉からイメージされる執拗な嫌がらせや暴力だけではありません。子どもたちは「いじめ」と考えていない行為であっても、それを受けた子どもが苦痛を感じている場合は、「いじめ」となります。
また、行為をされた子どもが、「自分はいじめられていない。」と言った場合であっても、「いじめ」ではないと判断するのではなく、本当に苦痛を感じていないか子どもの様子をきめ細かく観察して確認する必要があります。さらに、子どもが苦痛を感じていないように見える場合であっても、苦痛を感じると考えられるような行為をされている場合は、「いじめ」と同様に適切に対応する必要があります。
「いじめ」は決して他人事ではなく、どの子どもも「いじめ」の被害者にも加害者にもなってしまうことがあります。
なお、「いじめ」の中には、犯罪行為として取り扱われるべきと認められ、早期に警察に相談することが必要なものや、児童生徒の生命、身体又は財産に重大な被害が生じるような、直ちに警察に通報することが必要なものもあります。

行動計画に位置づけられている具体的取組

行動計画には90項目のいじめ対策にかかる取組が、実施主体ごとに整理されて位置づけられています。それぞれの具体的取組の内容については、行動計画本編第3章をご覧ください。

施策体系のイメージ

計画の推進

行動計画を着実かつ継続的に実施していくため、以下の項目により、各主体の取組状況を把握し、計画全体の進捗状況をモニタリングします。

  • 行動計画に位置づける各取組について、毎年度、取組の目標を設定し、年度終了時に取組の実績に基づき自己評価をし、今後の方向性を確認します。
  • 毎年度、子ども(小学校4年生~中学校3年生)を対象に、アンケート調査を実施し、いじめに対する意識や行動の変化状況の把握を行い、今後の取組に活用します。
  • 中間見直し前、次期計画策定前に、アンケート調査を通じ、保護者・市民等のいじめに対する意識や行動の変化状況の把握を行い、計画の見直し、策定に活用します。

 

成果指標

計画を進行管理する上で、計画の達成度を測るため、成果指標を設定します。成果指標は毎年実施する子どもを対象としたアンケート調査結果をもとに算出します。なお、毎年調査を実施しますが、成果を把握するためには長期的に検証する必要性があるため、計画の最終年度である2022年度に目標値を定めました。
施策の効果を測る指標の数値は、行動計画を推進する上で重要な数値となるものの、その結果だけに捉われることなく、「子どもをいじめから守る」という一番大事なことに立ち返って、施策を検討していかなければなりません。

成果指標
指標 校種 平成28年度(2016年度)
基準値
令和4年度(2022年度)
目標値
おおつっこ相談チームの認知率 小学校 75.7% 82%
中学校 74.6% 90%
前学年のときにいじめを受けなかった子どもの割合 小学校 62.1% 68%
中学校 74.8% 81%
いじめを受けたとき、誰かに相談した子どもの割合 小学校 62.3% 68%
中学校 49.4% 65%
いじめを受けて誰かに相談した結果、いじめが改善された子どもの割合 小学校 66.1%※ 72%
中学校 64.3% 70%
いじめを見たとき、いじめの解決に向けた行動をとった子どもの割合 小学校 73.4% 79%
中学校 53.4% 59%

「いじめを受けて誰かに相談した結果、いじめが改善された子どもの割合」の小学生の目標値については、2016年度(平成28年度)の基準値74.3%を実績値が下回る状況が続いています。関連するアンケート調査の設問を2017年度(平成29年度)以降変更した影響もあると考えられます。そのため、設問変更後の2017年度(平成29年度)の実績値66.1%を基準として目標値を再設定しました。

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