結核集団感染事例の発生について

更新日:2021年12月07日

平成25年5月16日

保健所の接触者健康診断により、結核発病者1人、結核感染者19人を確認したところであり、これは、厚生労働省の定める結核集団感染の基準に該当することからお知らせします。
なお、発病者及び感染者は全員が適切に治療などを受けており、これ以上感染が広がる可能性はありません。

1 初発患者の状況

  1. 性別:男性
  2. 年齢:30歳代
  3. 住所:大津市
  4. 診断までの経過:咳及び胸痛のため、平成25年1月31日に医療機関を受診し、2月4日結核と診断される。
  5. 感染経路:不明
  6. 現在の患者の状況:結核指定医療機関を軽快退院し、外来治療中。

2 感染者の状況

初発患者の家族及び初発患者が個人で経営する事業所の利用者に感染があった。

3 経過

  1. 大津市保健所では、平成25年2月4日に診断した医師からの結核発生届を受けて、2月5日から調査を開始し、2月18日に、接触度の高い101人を接触者健康診断の対象として健康診断を開始するとともに、市外の接触者については住所地を管轄する市外21保健所に健康診断を依頼した。
    対象者は2月4日(診断日)から3か月遡り平成24年11月1日以降の濃厚接触者を選定した。
    5月10日、市内外22保健所実施分の健診結果を集約した結果、発病者は1人(40歳代女性)、感染者が19人(10歳代~50歳代の男女)であることを確認した。
  2. 発病者1人は外来治療をしており、感染者19人のうち15人は発病のリスクを減らすための治療を開始している。1人は医療機関を受診し、経過観察中である。他の3人は、現在医療機関受診を勧奨している。
  3. 他人に感染させるおそれがあった患者は初発患者のみで、現在軽快退院し、今後新たに感染を広げる可能性はないと考えられる。
  4. 接触者健診の結果から、感染者19人、結核発病者1人を確認し、集団感染と判断した

健康診断対象者数

101人

健診実施数

93人

健康診断の結果

  • 発病者 1人
  • 感染者 19人
  • 経過観察 10人
  • 異常なし 63人

健診受診勧奨中

8人

参考

1 結核とは

結核菌により、主に肺に炎症を起こす感染症です、通常は免疫力により結核菌の増殖を抑えられるので、感染した方がすべて発症するわけではありませんが、免疫力が低下した場合は発病することがあります。
感染者のうち発病する確率は通常10%程度といわれています。潜在性結核感染症は、症状はありませんが、病原体を保有しているので、発病予防のために服薬が必要です。

2 結核患者の発生状況

日本はまだ結核の中まん延(注意1)の状態にあり、県内でも年間200人以上の新規患者が発生しています。
(注意1)中まん延:WHOは、結核罹患率(人口10万対)10以下を「低まん延国」と定めています。日本の結核罹患率は平成23年に人口10万人あたり17.7人で、依然「中まん延国」とされます。低まん延国となっている欧米先進国に比べまだ多い状況です。

滋賀県内での結核発生患者数

平成21年220人、平成22年205人、平成23年244人(羅患率17.3)

大津市内での結核発生患者数

平成21年48人、平成22年55人、平成23年70人(羅患率20.6)

3 結核の検査と治療

血液検査等で感染の有無、胸部エックス線検査で発病の有無、喀痰塗抹検査で感染性の有無を判断します。感染しても薬により発病を抑えることができます。感染後、発病した場合でも、早期に発見できれば感染性がないため、入院せずに治療が可能です。発見・治療が遅れると感染性結核に進行しますので、早めの受診が重要です。

4 集団感染の定義(平成19年3月29日付厚生労働省結核感染症課長通知)

同一の感染源が、2家族以上にまたがり、20人以上に結核を感染させた場合をいいます。なお、発病者(患者)1人は6人の感染者に相当するとして計算します。
今回は、発病者1人(6×1=6)、感染者19人、合計で感染者は25人

5 全国の結核集団感染事例発生件数(厚生労働省健康局結核感染症課調べ)(件)

 

平成18年

  • 学校 7件
  • 病院等 4件
  • 社会福祉施設 2件
  • 事業所 16件
  • 家族・友人 9件
  • その他 11件
  • 合計 38件

平成19年

  • 学校 2件
  • 病院等 4件
  • 社会福祉施設 1件
  • 事業所 22件
  • 家族・友人 11件
  • その他 10件
  • 合計 42件

平成20年

  • 学校 3件
  • 病院等 10件
  • 社会福祉施設 3件
  • 事業所 21件
  • 家族・友人 12件
  • その他 7件
  • 合計 47件

平成21年

  • 学校 5件
  • 病院等 4件
  • 社会福祉施設 2件
  • 事業所 13件
  • 家族・友人 8件
  • その他 7件
  • 合計 30件

平成22年

  • 学校 2件
  • 病院等 9件
  • 社会福祉施設 6件
  • 事業所 14件
  • 家族・友人 6件
  • その他 4件
  • 合計 36件

平成23年

  • 学校 7件
  • 病院等 16件
  • 社会福祉施設 2件
  • 事業所 17件
  • 家族・友人 8件
  • その他 8件
  • 合計 49件

注意1

集団発生の場所が1件で2カ所以上の場合があり、発生場所の合計と件数は一致しない。

市民の皆様へ

結核は過去の病気ではありません。現在も多くの患者が発生しています。結核は予防と早期発見・早期治療が大切です。

  1. 2週間以上咳が続いたら早めに受診しましょう。
    結核の初期症状は、かぜとよく似ています。2週間以上、咳や痰・発熱などの症状が長引く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
  2. 乳児のBCG接種は必ず受けましょう。万一結核に感染した場合の重症化を防ぐため、乳児は必ず生後1歳になる1日前までにBCG接種を受けましょう。
  3. 日頃から健康に気をつけましょう。免疫力が低下しないように規則正しい生活を心がけましょう。また、栄養バランスのよい食事と十分な睡眠、適度な運動などが大切となります。
  4. 65歳以上の方は、定期的に胸部X線検査を受けましょう。65歳未満の方は、職場や学校などが実施している健診を受診し、早期発見に努めましょう。
  5. 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第53条の2の規定により事業者、学校の長、矯正施設、その他の施設の長及び市町村長は定期の結核健康診断を行うこととされています。

この記事に関する
お問い合わせ先

健康保険部保健所 保健予防課 感染症対策第2係
〒520-0047 大津市浜大津四丁目1番1号 明日都浜大津1階
電話番号:077-526-6306(感染症対策第2係)
ファックス番号:077-525-6161

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