市長定例記者会見(令和3年12月28日)

更新日:2022年01月25日

  • 日時 令和3年12月28日(火曜) 14時30分から
  • 場所 大津市役所 別館1階 大会議室

市長説明

 皆さん、こんにちは。本日は年末のお忙しい中、お集まりいただき、誠にありがとうございます。また、市政記者クラブの皆様におかれましては、平素、広く市政情報を公表していただいていることに対し、この場をお借りして厚く御礼を申し上げます。本当にいつもありがとうございます。

 定例記者会見に当たり、1件、ご報告がございます。今月2日に窃盗の疑いで守山警察署に逮捕され、22日に起訴をされた本市都市計画部、会計年度任用職員に対し、本日、懲戒処分を行い、免職といたしました。市民の皆様の信用を失墜する事態となったことは大変遺憾であり、ここに深くお詫び申し上げます。なお、詳細につきましては、この後、別途、人事課から発表させていただきますので、よろしくお願いします。

令和3年を振り返って

 それでは、今年最後の定例記者会見になりますので、まずはこの一年を振り返ってお話をさせていただければと思います。

 今年も新型コロナウイルス感染症の感染が長期化する中で、市民の皆様の命と健康を守り、暮らしと営みを支える対応に奔走する一年となりました。

 特に7月中旬から感染拡大の第5波においては、これまでとは比較にならない勢いで感染者が増加し、県内の医療提供体制がひっ迫しました。市内においても、1日当たりの新規感染者数が100人を超える日もあり、自宅で療養される方が400人に迫る緊迫した状況となりましたが、医療従事者の皆様のご協力と健康観察や疫学調査にあたる保健所の懸命な対応により、1人も自宅療養者の方の命を失うことなく乗り切ることができました。

 一方、最優先で取り組んだ新型コロナウイルスワクチンの接種については、県内で最も早く、4月12日から開始し、国からのワクチン供給が不安定な時期が度々ありましたが、昨日までに接種対象者の市民31万人あまりのうち86.1%の方に2回の接種を完了していただきました。改めまして、医療従事者の皆様をはじめ、会場案内や予約の支援にご協力いただきましたボランティアの皆様、ワクチン接種に携わっていただいた全ての皆様に御礼を申し上げます。

 既に12月から医療従事者を中心に3回目となるワクチン接種を開始しております。来年1月には高齢者施設や通所施設、通所サービス事業所の入所者や従事者などの巡回接種を開始するとともに、今後、高齢者の接種が本格化することから、個別接種に加えて、2月1日から大津市ふれあいプラザ、2月20日から瀬田公園体育館において集団接種の再開を予定しております。引き続き、関係者の皆様と連携して、安全で円滑なワクチンの接種に努めてまいります。

 また、8月には、大雨によって市内で大きな被害が発生しました。地点によっては50年に一度の大雨となり、道路の冠水や河川の氾濫などが多数発生し、床上や床下浸水の被害を受けた住宅が20棟以上に上りました。被災された皆様には心からお見舞いを申し上げます。

 また、国道1号が土砂の流入によって5日間にわたって通行止めになったほか、国道161号では、近江神宮ランプ上り線の出入口及び付近の市道が現在も通行止めとなっています。この箇所の復旧につきましては、土砂撤去を進めておりますが、安全面を考慮するとともに、民有地内における対策を踏まえて取り組んでまいります。

 また、8月には、長年要望を重ねてまいりました淀川水系河川整備計画の変更がなされました。大津放水路につきましては、引き続き、実施時期を検討するとされるにとどまりましたが、大戸川ダムにつきましては、本体工事の実施が明記をされ、前進することとなりました。大戸川流域においては、平成25年の台風18号をはじめ、これまでから幾度となく災害に見舞われてきた地域であり、一日も早い本体工事の完成を引き続き要望しております。

 また、市民の皆さんの安心安全の取組としては、昨年度から取り組んでまいりました交通安全条例を市議会11月通常会議で議決いただくことができました。令和元年に発生した痛ましい交通事故を胸に刻み、来年度はこの条例に沿って交通安全計画の策定や各種事業に取り組んでまいります。

 一方で、未来に向けたまちづくりの種まきを意識して様々な事業を実施しました。新たに市内の全ての小中学校で始めた学校夢づくりプロジェクトでは、子供たちの思いや発想を基に、学校や地域が力を合わせて創意工夫を凝らした事業を展開してくれています。子供たちの夢や目標を育み、将来の職業選択につながることを期待しておりましたが、コロナ禍にあって、地域を元気にすることにもつながっていると感じています。皆様にも度々取材をしていただきまして、感謝申し上げたいと存じます。

 また、就任後検討してまいりました地域産業振興条例も市議会11月通常会議で議決をいただきました。感染症の影響を受けて売上げが大きく減少した市内中小企業者等へ4億円超の市独自の支援金の給付や需要喚起策として、今月1か月間、「がんばろう大津!最大20%が戻ってくるキャンペーン」などを実施していますが、経済の活性化や雇用の確保といった直接的な効果のみならず、幅広く市民生活の豊かさを支えているという観点から、行政、事業者、市民などが一体となって総合的に地域産業の振興に取り組んでいくよりどころにしたいと考え、制定しました。

 さらに、大津湖岸なぎさ公園やその周辺の魅力向上とにぎわい創出に関しましては、官民連携で「SLOW OTSU」と題して、地域の魅力の磨き上げと密を避けた誘客を促進する取組を進めています。

 大津港で整備中の新たなビワイチの拠点となるサイクルステーションは、来年5月初旬頃にオープンする予定となっております。

 さらに、琵琶湖畔のコンベンション機能を生かしたMICEの推進を図るとともに、地球規模の環境問題に対する関心が高まることを期待して、滋賀県とともに、2023年に日本で開催される予定のG7閣僚会合・環境大臣会合を誘致することを先般表明しました。先日も知事とともに外務省、環境省に要望にまいりましたが、引き続き、県と連携して取組を進めてまいります。

令和4年1月からの取組について

 最後に、来年1月からの取組を2つご紹介したいと思います。

 まずは市の施設へのネーミングライツの導入についてであります。既に多くの自治体で取り組んでいるところではありますが、大津市初の導入施設として、皇子山総合運動公園の野球場と近江神宮外苑公園について、ネーミングライツパートナーを募集することとしております。来年1月上旬から募集を開始する予定でありますので、ご興味のある企業、団体の皆様には、ぜひご応募いただければと思います。

 皇子山総合運動公園野球場は昭和35年に建設され、滋賀県を代表する球場として、県下の球史に残る数多くの名勝負の場として、長年、多くの人に親しまれており、今も高校球児などの憧れの球場となっています。1万5,000人の観客を収容することができ、今年度にはスコアボードをLED型の高精細なビジョンに改修しており、完成すれば縦5.76メートル、横21.12メートルと県内で最も大きなスコアボードとなります。

 また、近江神宮外苑公園につきましては、令和元年11月に開設し、商業施設が公園を取り囲む立地を生かしながら、多彩なイベントが開催されるにぎわいの場としてご利用いただいております。このネーミングライツにつきましては、詳しくは市ホームページ等でお知らせをしてまいります。

 また、来年1月からNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送が始まります。放送開始に合わせて、びわ湖大津観光協会において、大河ドラマのゆかりの地を紹介するホームページを一部、1月から公開することとしております。

 本市には、粟津の地で壮絶な最期を遂げたと言われる木曽義仲が葬られた義仲寺など、源氏ゆかりの地が数多くあることから、大河ドラマをきっかけに大津の豊かな歴史を再認識していただければと思います。

(写真)会見で話す佐藤市長

 最後になりますが、今年も残すところ、あと僅かとなりました。大変厳しい状況の下、市政を推進することができましたのは、市民の皆様、関係者の皆様のご理解とご協力のたまものであり、厚く御礼を申し上げます。来るべき新年が皆様にとってすばらしい一年となりますことをお祈り申し上げたいと存じます。

 そして何より、市政記者クラブの皆様におかれましては、今年一年、本市の情報発信にお力添えを賜り、この場をお借りして、改めて厚く御礼を申し上げます。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

 まずは私からは以上です。 

質疑応答

産経新聞 先ほども市長のお話の中にございましたが、この1年で市が力を入れて取り組んできた2つの事業についてお尋ねします。

まず1点目です。現在、なぎさ公園の周辺で11月末頃から「SLOW OTSU」が開催され約1か月が経過しましたが、その成果をどのように捉えられていますか。具体的な動員数や経済効果などがありましたら教えてください。また、今後のなぎさ公園の活性化プロジェクトにどのようにつながっていくと思われますか。

市長 まだ事業の途上であります。ライトアップなど現在も継続している事業もあり、現時点で成果、また経済波及効果をお示しすることはなかなか難しいと思っております。現在も利用者アンケートなどを実施しておりますので、2月の事業終了後には一定、成果についても取りまとめをしたいと考えています。

 ただ、ここまでの取組を通して言えることは、やはり地域や企業の方と連携が深まりました。なぎさ公園周辺などのにぎわいづくりに協働で取り組もうという機運が高まったことは大きな成果だと考えています。

 また、琵琶湖の湖面を活用した取組をさせていただきました。こういったウィズコロナを見据えた新しい可能性を示すことができたのも今回の事業の成果であり、また今後の取組につなげる礎になるものと考えています。

 今後につきましては、先ほども申し上げたように、大津港のサイクルステーションの整備や来年度公募する予定の市民プラザにおける民間活力の導入などを着実に進めるとともに、県が予定している新・琵琶湖文化館の進捗を注視しながら、今回の取組を踏まえた官民連携によるソフト事業の相乗効果を発揮して、エリアの魅力の磨き上げと新たなにぎわいづくりをしてまいりたいと思っています。

産経新聞 2点目の質問です。

 現在、学校夢づくりプロジェクトを進められ、これまでも様々な報道発表がなされています。各校、かなり特徴ある取組をされていますが、今後、市長はこのプロジェクトをどのように発展させようとお考えでしょうか。今後の展望をお聞かせください。

市長 冒頭にも申し上げましたように、この事業を通して子供たちの夢や目標を育み、将来の職業選択につながっていくことを期待しております。本当にそういった意味でも、皆様に多数取材をしていただいたことは子供たちの励みになると思いますので、重ねて感謝を申し上げたいと思います。

 今年度の取組を見ておりますと、例えば古着のリサイクルや学校給食の残食を減らす取組など、私たちが想定していた以上に子供たちがSDGsの視点による取組を進めてくれたり、また地域の住民の皆さんと一緒になって自然や歴史など、地域の魅力を再認識して、また着目して取り組んでいただいた事業が多数あるということが特徴的でした。

 子供たちの自発的な学びや生きる力を育むためには、やはりこの事業は有効な事業だと考えています。まずは今年度の検証をしっかりと成果と課題を踏まえた上で、教育委員会だけでなく、学校現場とも本事業の狙いを整理して、来年度以降も継続してまいりたいと考えています。

中日新聞 カーボンニュートラルのことで伺います。ゼロカーボンシティ宣言を年度中にされますが、宣言をすることに至った経緯と、これは私の肌感覚ですが、大体カーボンニュートラルの宣言をする自治体は、宣言をしてから細かいところを詰めていく流れが多いと思いますが、大津市は取材する限り、結構細かい計画を立てた段階で宣言をするという流れになっているように思います。そういう流れになっている理由、この2点を教えてください。

市長 これまでの流れからすると、第3次の大津市環境基本計画の見直しの時期に重ねて検討してまいりました。その一つの帰結点が今年度中、3月を予定しておりますが、ゼロカーボンシティ宣言になります。今までの計画の検討の中から、やはり一つ、帰結点を見いだし、またそこをスタート地点として新たな取組をしていくという、時宜を捉えた取組だと思っております。

読売新聞 3点あります。

1点目、ネーミングライツの導入の件で質問します。2施設を選ばれた理由と導入する目的、資金集めだと思いますが、お教えいただけますか。

市長 様々な市の施設がある中で、この皇子山球場は、先ほど申し上げたように、私どもにとっては非常に思い入れもあり、価値を見いだしていただける施設ということで選定をいたしました。目的については今おっしゃったように、行財政改革の中で、やはりこのネーミングライツの導入というのもひとつ財源の確保としての取組として挙げている中で、今回取組を具体化しました。

読売新聞 2点目の質問です。今月、老朽化した市役所の基本計画の策定に向けて有識者会議が開かれました。今回コロナ禍において、職員間での感染やクラスターの発生もありました。かなり昔の建物で、行政サービスも職員も増える中、かなりの過密状態で業務を実施されています。さらに、耐震についても問題があるということで、大津市にとってかなり重要な問題であると思います。この市役所の建て直しなのか移転なのか分かりませんが、どのようなスケジュール感・危機感を持って実施されていくのかについて、教えていただけますでしょうか。

市長 ご指摘のように、昨年もこの市役所本庁舎で集団感染が発生しました。そのときにも指摘を受けたように、やはり今ご指摘の過密である点、また換気が十分ではない点、トイレも衛生的に課題があるという点など、集団感染の中でも、この市役所本庁舎の様々な課題というのが浮き彫りになりました。そして、付け加えて申し上げれば、先ほどご指摘いただいたように、耐震性能も有していないという中で、まずこの市役所本庁舎と同じ建物内にある中消防署の移転について早急に進めなければいけないと思っています。前任者の下で長年、課題となっておりましたが、就任後、方針を定め、中消防署については移転・新築の取組を優先して、今進めているところです。そして次の段階として、本庁舎の整備について、基本構想をまずは策定をしようと先般、懇話会を開催いたしました。

 スケジュールにつきましては、現時点はお示しする時期ではないと思いますので、まずは基本構想について、来年度の半ばにも策定をしてまいりたいと思います。同時に、多額の経費を伴う庁舎整備ですので、まずは市民の皆さんの納得がしっかりと得られるような丁寧な検討や議論が必要だと思っています。その後、しかるべき時期に基本構想の次の段階に移れるかと思います。

読売新聞 時期は示せないということですが、スピード感を持ってということはありますか。それとも市民への説明を重視されますか。

市長 まずは丁寧な進め方をしたいと思います。結論ありきではなく、やはり今、何が課題なのかを市民の皆様、また市議会の皆様とも共有しながら、その取組の中で次の展開を見いだしていきたいと思います。

読売新聞 最後、3点目の質問です。今年8月に大津市内で18歳の少年が妹さんを殺害してしまうというショッキングな事件が起き、後日少年がヤングケアラーだったことも分かり、今、県でもどういう対策をすべきかを検討されているかと思いますが、学校に通っていない少年たちを保護するというか、相談する仕組みというのがあまり大津市内ではないのではないかという声もありますが、そういった非行ではないが、行き場を失っている青少年たちに対して、前述のような事件が起きないために、どのように対策していくのかについて、もしお考えがあれば教えてください。

市長 具体的に年齢はどのぐらいの年齢を想定してのご質問でしょうか。

読売新聞 そうですね、児童福祉法でいう児童というのは18歳未満ということですが、18歳になったからといって、彼らの問題というのは家庭環境だったり仕事だったり、生活は変わらないと思うので、18歳以上ということになるかと思います。

市長 児童福祉法、また義務教育の立てつけの中で、我々として居場所づくりを今まで重点的に進めてきたのはやはり小学校、中学校の児童生徒に対してでありました。その上で、今、青少年対策というのを本当に切れ目なく対応しなければならないことについてはこれからの研究課題であると思っています。まだ具体の取組をここでお示しすることはできませんが、課題認識としてはしっかりと受け止めてこれから取り組んでいこうと思います。

朝日新聞 この1年を振り返られて、市長として、漢字一字で表現するとどんな漢字になりますか。

市長 去年は「信」という漢字でありました。市役所のみんなの力を信じて、何とかこの難局を乗り越えようと言ってきました。今年は思い返すと、今、たちまちに思いついたのは「迷」です。

 まず、ワクチン接種について国が迷走しました。我々、4月12日から集団接種を開始するために準備を整え、事業を始めようとしたところ、ワクチンを供給できないということがありました。7月末までに高齢者に接種を完了するために、加速しようとしたらワクチンが供給されませんでした。これも迷走です。加えて申し上げれば、今回の子育て世帯への臨時特別給付、5万円、10万円の給付、クーポン券、まさに迷走、私どもにとっては、基礎自治体の負担を国はどのように考えているんだろうという思いに捉われる日々が多かったように思います。私自身は迷っておりませんが、国が迷走した「迷」、迷うの一字です。

朝日新聞 各自治体、国の二転三転する方針転換に振り回されたというのは本音として伝わってまいりますが、まさに市長ご自身もそういう実感を得られたということでしょうか。

市長 あまり前向きな一文字の漢字ではないので申し上げにくいですが、実感のこもった漢字一字と受け止めていただければと思います。

中日新聞 少し前の話になりますが、衆議院議員総選挙の結果についてのコメントと、先ほど国が迷走しているというコメントがありましたが、岸田政権が大体3か月ぐらいなので、ここは褒めてもいいというところなどあればぜひ教えてください。

市長 褒めるなどということは僭越ですので、ここではお答えを差し控えさせていただきますが、総選挙の結果は総選挙の結果として、有権者の皆さんが出した結果でありますので、このことは我々も重く受け止めたいと思います。その上で、やはり一定、このコロナ禍にあって、政治の安定というのが望まれたのではないかなと思っています。その安定した政権運営の下で、先ほど申し上げたように、迷走することなくしっかりと都道府県、また市町村と連携をして、この難局を乗り越えられる、そんな政権運営を我々は望んでいます。

日経新聞 G7閣僚会議の誘致について伺います。ユニークベニューについて、市文化施設を使ったおもてなしみたいなものがいろいろな誘致の決め手になる可能性があるのではないかと思います。特に大津市が表明した後、堺市が大仙陵古墳で関連行事をやる、姫路市が姫路城を使うといったアピールがありました。滋賀県と大津市としては、何かそういったおもてなし関連でのユニークベニューで考えていることはあるのでしょうか。

市長 G7の環境大臣の会合誘致につきましては、やはり県内の全体の魅力をしっかりと打ち出しをしていく必要があると思います。私どもで言えば、もちろん世界遺産である比叡山延暦寺をはじめ、本当に寺社仏閣、豊かな歴史遺産がございます。しかし、我々の歴史遺産をアピールするのみならず、滋賀県全体でどういった魅力があるのかという総合力で、今回の誘致を勝ち取りたいと思っています。

 ユニークベニューで申し上げれば、具体の取組としては、坂本の旧竹林院にWi-Fi環境を整えて、少人数のミーティングでありますが、そういったものにも活用していただけるように現時点でも取組を進めております。様々なものを組み合わせながら誘致につなげていきたいと思います。

日経新聞 県内の施設ということで、特に具体的に考えているところはありますか。

市長 現時点、まだ県との詳細な協議が整っているわけではありませんが、琵琶湖の湖上でも十分魅力のあるおもてなしができると思っていますし、それ以外のところでも、物産も含めて、様々なおもてなしをすることはできると思っています。

学習船「うみのこ」などもご覧いただけるとよいかと思っています。今回、環境大臣会合を誘致する、もちろん2000年にも開催をしておりますが、これは単にMICEの観点で誘致をするだけではなく、先ほども学校夢づくりプロジェクトの中でも申し上げましたが、子供たちも含め、市民、県民の皆さんの環境に対する様々な取組の上で今回の誘致があると思っておりますので、そういったこともしっかりと伝える工夫をしていきたいなと思います。

日経新聞 あと、来月で任期4年間の折り返し地点になります。折り返し地点を前に思うこと、最初に1年間の振り返りがありましたが、任期2年間で振り返ってみるといかがでしょうか。

市長 振り返る余裕がありませんが、あえて申し上げるとするならば、今回、前例のないこの新型コロナウイルス感染症への対応、それも就任が昨年の1月25日で、1月27日に京都市で初めての感染患者が確認され、その後、3月5日に大津市内で初めての感染患者が確認されました。そういった中で保健所設置市としての苦労もしながら、この新型コロナ対応に当たってこられたのは、就任して準備期間なしでやっておりますので、本当に職員の力だと思っています。

 加えて申し上げれば、今回のワクチン接種、これも31万人あまりの対象者がいる中において計画的に取組が進められたのは、やはり市議会、県議会を通じて、特に医療従事者の皆さんと様々交流を深めてきた一つのご縁のたまものだと思っています。そういった意味ではこの2年の取組は、これまでの自分自身の議員活動の一つの帰結点であったのかなと思います。

 同時に、先ほども庁舎の整備の質問がありましたが、長年の課題の解決もこの2年間で取り組まなければいけない課題でありました。中消防署の移転新築については先ほど申し上げたとおりでありますが、例えば学校施設の老朽化の問題、築30年以上の校舎が8割以上を占める中で手つかずになっておりましたが、これについても就任後、大規模改修に取り組みました。特に子供たちから声の強かったトイレを何とかきれいにしてほしいということで、トイレの大規模改修も現在進めており、ようやく1期の工事が完了しました。子供たちは、ウォシュレットがあるということで本当に喜んでいます。

 これまで長年、取り組めなかった課題にも対応しながら、このコロナ対応という前例のない困難を乗り越えてこられたことは、決して私一人の力ではなく、もちろん職員の力、そして市民の皆さんのご理解とご協力があってこその2年間であったと思います。ただ、振り返る余裕はありません。

日経新聞 19年の10月に県庁で出馬表明をされたとき、当然、まだコロナは発生していないわけです。今おっしゃったようにコロナに追われた中で、今お答えになったように、出馬前にやりたいと思っていたことにかなり取り組めているという実感をお持ちだということでしょうか。

市長 我々の評価というのは全て結果を出してのみ評価に値すると思いますので、少なくとも選挙前に掲げたことについては、全て何がしかの形で手をつけられているものと思っておりますが、これすら道半ばでありますので、現時点での評価というのは差し控えます。

共同通信 今の質問に関連して、後半の2年で取り組みたいこと、もしくは取り組まないといけないと思っていらっしゃる課題はありますか。

市長 これまで、今日も1年を振り返る中で種まきという言葉を使いましたが、やはり種をまいた後にしっかりと芽を出し、そして水をやり、肥料をやり、育てていく、そして果実という形でしっかりと結果をお示しする、この後半2年というのはそういうことが私たちにとって、私にとって、求められていることだと思います。

共同通信 市長が考えていらっしゃることとかを実現していくに当たって、議会との関係というのが非常に大事になってくるのかなと思っていますが、大津市議会は調べれば調べるほど、かなり積極的で、かなり進んでいる議会ではないかと思っています。実際、市長という立場になられて、大津市議会のことをどう思っていらっしゃいますか。

市長 二元代表制の下で、使い古された言い方でありますが、車の両輪で市政の推進に当たっていただいていることに敬意を表したいと思いますし、その議会改革の礎の中には、私自身も市議会議員として加わっておりましたので、今の取組は極めて経過、経緯を理解して尊重しております。やはり自分自身が議会人でありましたので、議会の声はしっかりと、市民の代表である議員の皆さんのお声ですので、真摯に受け止めたいと思います。

時事通信 先だって、ワクチンの大規模接種が発表され、また追加でもう少し接種時期を前倒しができるという国からの通知が出ておりますが、このあたり対応は何かされる予定はありますか。

市長 先般発表し、今日も冒頭で少し申し上げましたが、その取組は着実に進めてまいりたいと思います。まずは1月から巡回接種、そして2月1日からふれあいプラザ、2月20日から瀬田公園体育館、この2会場において集団接種を再開することになります。あわせて、個別接種につきましては、1回目、2回目とは違い、最初の段階から市内の医療機関のご協力をいただきながら個別接種を進めてまいります。

時事通信 子育て世帯への特別臨時給付の件ですが、9月の児童手当給付の方が対象となり、その後に離婚されてひとり親家庭になられた方などには10万円が届かないという問題があるそうです。国のほうも交付金を使えるというような方針を打ち出されるようですが、そのあたり、10万円を受け取れない方について市長はどのように考えていらっしゃるのか、お伺いします。

市長 国からの通知をそのまま読みますと、「9月以降の離婚により子供の主たる養育者が変更し、給付金が元の養育者に振り込まれた場合においても、給付金が子供のために使われるよう、現在の養育者と話し合っていただくなど、制度の趣旨に合った使われ方となるよう受給者の皆様にはご協力をお願いしたいと考えています」とあります。これをもって、市が改めてこの対象者の方に独自に給付するという制度設計にはなっていないと理解しています。要するに、市が現在の養育者に給付をした場合、当時の養育者に給付された10万円は誰が回収するのかがこの通知には全く書かれていません。

 とするならば、市が独自に給付金を出すことは、これは検討の中であり得るかもしれませんが、当時の養育者に給付した給付金の回収作業まで我々に担えというのは国の制度設計の矛盾であると思います。

時事通信 そうしますと、なかなか現実的には難しいということでしょうか。

市長 この通知に基づけば、ご協力をお願いしたいということでありますので、我々としても当事者間でしっかりと話し合っていただきたいということはホームページに内閣府作成のチラシを掲載するなど、取組を進めてまいりますが、我々として主体的に対応することは現時点では考えておりません。

時事通信 JR西日本が来年3月のダイヤ改正で本数を減らすという発表をされ、市長会からも要望が上がっているようですが、ご所見をお伺いできますか。

市長 生活の足の確保という面で、やはり減便については、地域の声をしっかりと受け止めていただきたいと思います。我々としては、今、市長会を通じて要望することにしております。

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