市長記者会見(令和3年2月10日)

更新日:2021年02月22日

 令和3年度大津市当初予算(案)にかかる大津市長記者会見です。

  • 日時 令和3年2月10日(水曜) 10時00分から
  • 場所 大津市役所 新館 災害対策本部室

市長記者会見の様子

市長説明

 本日はご多忙のところ、令和3年度大津市当初予算案の説明にお集まりいただきまして誠にありがとうございます。また、市政記者クラブの皆様におかれましては、平素から市政の各般にわたり、ご理解とご協力をいただき、この場をお借りし、改めて御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。

 私から予算全体を総括し、令和3年度大津市当初予算案のポイントとして、概要をご説明いたします。

 令和3年度の予算編成に当たっては、引き続き優先的かつ多面的に新型コロナウイルス感染症の対策に取り組む必要があるとの認識の下で臨んでおります。感染防止対策の継続や医療提供体制の確保、そして、新たな日常に対応した取組を推進し行政サービスを向上させるとともに、コロナ禍にあっても、これに負けない元気な地域づくりのための取組を進めてまいりたいと考えています。

 新年度から大津市総合計画第2期実行計画が始動します。第1期実行計画の成果と課題を踏まえ、計画に掲げた「夢があふれるまち大津」の実現に向けて、今後4年間の市政を推進していくことになります。初年度となる令和3年度においても計画全体を先導、牽引し、重点的に取り組むべき施策を取りまとめたリーディングプロジェクトに基づく事業を盛り込んでおります。

 予算編成に当たっては、健全な財政運営を維持することを大前提としながらも、この難局を乗り越えるべく、市民、事業者の皆様からお預かりした市税等について、有効かつ効果的に活用させていただき、機動的に対応するとともに、未来への種まきを意識して予算の編成に当たりました。

 それでは、初めに歳入歳出予算額の概況、内訳についてご説明をいたします。

 一般会計では1,229億900万円を計上しています。このうち、使途に限定のない市税等の一般財源ベースでは745億円余りとなっております。

 資料の括弧内は市長就任後、いわゆる肉づけ予算として編成した令和2年6月補正後の額との比較を示しております。この数字につきましては、ご承知のように、国の特別定額給付金約360億円を含む5月補正が含まれており、単純に比較をすることはできませんが、新型コロナウイルス感染症の対策などが本市の予算に大きく影響していることがうかがえますので、参考としてお示しをしております。なお、平成以降の資料を見ましても、当初予算の規模としては過去最大の規模となっています。

 次に、特別会計です。今年度まで9つの特別会計を設置しておりましたが、このうち駐車場事業特別会計については、これまでの施設整備に要した財源として発行してきた市債の償還が今年度末をもって完済することを契機に、会計としては閉鎖し、合計8会計の編成としております。ただし、駐車場の事業運営を継続し、これを一般会計で管理することとなります。

 特別会計の数が減る一方で予算規模は、前年度に比べて大きくなっております。介護保険事業特別会計が給付の増加などにより増えていることに加えて、病院事業債管理特別会計が前年度に比べ約15億7,000万円、大幅に増加していることが主な要因です。これまで市民病院の施設整備については消極的な予算措置となっていましたが、経営状況を注視しながらも、医療の安全の確保の観点などから、必要な医療機器等の更新について適切に支援していくものです。設置者として、引き続き病院に経営努力を促しながらも、中期計画に沿った一般会計の負担金と合わせて、必要な予算を措置してまいります。

 このページの最後でありますが、3つの企業会計では合わせて326億5,000万円余りを計上するもので、74億円減少の主な原因は、前年度にあったガス事業会計での投資80億円が減少したためであります。

 次に資料の3ページですが、一般会計の歳入のうち、特定財源に当てはまらない一般財源のうち、主な項目について示しております。収入の根幹であります市税については、感染症の影響による経済活動の停滞による落ち込みは避けられません。全体として15億円余りの減収と見立てております。特に法人市民税については約10%落ち込むものと見込んでおります。確かに令和3年の1月の県内の経済情勢報告は、「厳しい状況にあるものの、持ち直しつつ」と発表がありましたが、先行きが不透明な中でこのような見立てをしております。

 また、地方消費税交付金については県から交付されるもので、景気の動向に大きく左右されますが、関係機関からの情報収集により所要の額を見込んだものであります。

 一方、地方特例交付金のうち、従前からの制度に加え、新型コロナウイルス感染症対策として地方の減収分に対する国が補う制度の創設について触れております。普通地方交付税については、感染症の影響を踏まえた地方財政計画に沿って計上した一方、本市では合併特例債が今年度をもって終了することから、今後、減少傾向が続くものと考えております。

 また、最後の項目、臨時財政対策債についても地方財政計画に沿って計上しております。

 以上、これらの歳入については可能な限り正確な収入見込みに努めてまいりましたが、先ほど申し上げたように、感染症の収束が全く見通せず、先行きの不透明さが増す中で将来的な見立ては非常に困難であり、さらなる落ち込みも想定しなければならないと危機感を抱いております。引き続きその動向に注視するとともに、必要な財源確保に努めてまいります。

 次に、一般会計歳出について、上段の目的別では、社会保障関連経費が中心の民生費の伸びが大きく、この傾向は今後も続くと見込んでおります。

 土木費では、市道や市道橋、それに浸水被害を未然に防ぐ河川しゅんせつの維持管理費、交通不便地とされる地域住民の生活の足を確保するための新たな取組のほか、都市計画道路の整備費になります。

 教育費では、小中学校施設の長寿命化とトイレ改修の推進に加え、日常の施設維持修繕経費など、教育環境の充実に力点を置くとともに、感染症対策としてのトイレ清掃委託などを継続するものであります。

 一方、総務費における大きな減少は、先ほども触れました特別定額給付金、それに国勢調査経費の減が主な要因であります。

 衛生費では、ごみ処理施設整備事業がピークとなる今年度とほぼ同様に約94億円に上っているものの、市民病院運営費負担金が一般会計では減額となっております。

 性質別につきましては、義務的経費及び投資的経費いずれも増加しておりますが、義務的経費の上昇や起債残高の増嵩は懸念材料であります。これまで以上に行財政改革に取り組み、効率的な市政運営を進めることが重要であると考えています。

 引き続き、市民や事業者の皆様の暮らしと営みを守るため、新型コロナウイルス感染症対策に気を配りながら、前例のない厳しい局面ではありますが、将来を見据えてやるべきことはやるとの強い決意で取り組んでまいりたいと考えております。

 次に、総合計画第2期実行計画の全体を先導し、重点的また横断的に進めていくリーディングプロジェクトの体系であります。

 令和3年度を初年度として「夢があふれるまち大津」の実現に向けて、4年間に取り組むまちづくりの重点的な分野として、「子育て支援」、「学びの環境づくり」、「健康長寿」、「魅力発信とにぎわいづくり」、「暮らし安心」の5つに加えて、目下の課題であります「新型コロナウイルス感染症対策」を位置づけるとともに、各事業においてもコロナ後を見据えた取組を意識しております。

 令和3年度においては、これら各プロジェクトの着実な推進に資する事業について、新規、拡充、また令和2年度から引き続いて予算化を図っております。

 具体的な事業を幾つかご説明申し上げます。

 初めに、「新型コロナウイルス感染症対策」であります。このプロジェクトは、感染症の拡大防止はもとより、社会経済活動の両立と新たな日常に対応する行政の在り方の構築の取組などを進めるもので、感染症拡大防止と医療提供体制の確保、そして新たな日常への対応として、それぞれ資料にご覧いただく事業等を実施してまいります。特に令和3年度においては、協働によるものなど、コロナ禍に負けない地域づくりの多面的な取組を「地域を元気にするプロジェクト」として、その時々の感染症の拡大状況等を踏まえつつ実施したいと考えております。

 なお、喫緊の課題であります新型コロナウイルスのワクチン接種に関しましては、本市においても安全で円滑な実施ができるよう保健所内に2月1日付で新型コロナウイルスワクチン接種対策室を設け、体制の整備を図っているところであります。かかる経費につきましては、今年度中からの実施を想定する必要から、2月補正予算への計上を検討し、市議会での審議をお願いすることとなります。いずれにいたしましても、これは他都市も同様だとは思いますが、令和3年度においてワクチン接種事業が感染症対策の中で最優先の取組となります。

 このプロジェクトの具体的な事業を幾つかご説明申し上げます。

 1つ目、「持ち運べる大津市役所」は新たな日常に対応する事業となります。現在も本市では様々な行政サービスをオンラインで提供しておりますが、ご利用の際にはサービスごとに市のホームページなどから検索する必要があるため、「すぐに使えない」あるいは「どのようなサービスが利用できるのか分かりにくい」とのご意見をいただいております。

 そこで、現在運用しております大津市公式LINEの機能を拡充し、電子申請や施設予約をはじめとするオンライン手続や窓口の混雑状況、イベント案内といった市から発信する情報など、様々な行政サービスにLINEからアクセスすることができるようにします。

 これらの事業を進め、ICTを活用した行政サービスをより身近なものにしていただき、市役所に足を運ぶことなく、自宅や職場など、どこからでも行政サービスが受けられる「持ち運べる大津市役所」を実現し、利便性の向上のみならず、接触機会を減らすことで感染防止対策にも資するものと考えております。

 これに加え、今年度導入した市立図書館への電子図書の導入やオンラインでの相談窓口の運用など、引き続き拡充をしてまいります。

 これまでLINEでできなかった、例えば大型ごみの受付なども、LINEでできるようにしたいと思っております。

 次は、「地域を元気にするプロジェクト」の一つ、地元特産物給食試食事業について、小中学校全55校のおよそ2万7,000人の子どもたちを対象に、学校給食に地元大津のお土産を提供し、さらに、現在月1回程度にとどまっている100%大津市産米のご飯の提供回数を可能な限り増やしたいと思っています。子どもたちにとっても、日頃地元のお土産を口にする機会はあまり多くないと思います。そこで学校給食に大津のお土産を提供することで、郷土の歴史や産業に目を向けるきっかけとして、そこから社会科などの学習につなげ、意欲的な学びに結びつくよう取り組んでまいります。

 大津市産米の提供事業は、地産地消の推進、食育の機会とするとともに、生産者の励みともなり、いずれも感染拡大で落ち込む観光、農業などの振興につなげていきたいと思っています。

 2つ目、「子育て支援プロジェクト」は、子どもたちが健やかに成長し、保護者が安心して子育てができる社会を目指して、妊娠、出産、子育て期まで切れ目のない支援を行っていくものであります。コロナ禍において、「安心して子育てできる支援の充実」、「豊かな心と健やかな体を育む環境づくり」、「社会全体で子どもの育ちを支え、支援する体制づくり」の3つの方向性を持って取組を進めてまいります。

 その一つが産後ケア事業であります。産後の気持ちも体も不安定な時期に、家族等の身近な人の助けが十分に得られず不安や孤独感を抱いてしまうことや、うつ状態の中で子育てを行う保護者もいらっしゃいます。さらにコロナ禍にあって深刻になることが懸念をされています。このため、このような状況にある保護者とお子さんを支えるため、心身のケアや育児のサポート、休養などのサービスを利用していただき、産後も安心して子育てができる産後ケア事業を実施します。地域の産科医療機関や助産所等、関係機関と連携しながら、保護者とお子さん、その家族が健やかに育児できるように支援してまいります。

 次に、北部及び東部子ども療育センター機能を拡充し、療育機能の整備を推進いたします。北部子ども療育センターについては、障害のある児童や発達支援を必要とする児童の地域支援の核となる児童発達支援センターとしての機能拡充、機能整備を図るものです。現在のやまびこ園・教室に加え、本市2か所目の児童発達支援センターとして市北部に整備を進めるものです。センター化に伴い、相談支援事業所を併設いたします。東部子ども療育センターにつきましては、本市東部で療育を必要とする児童が多いものの定員が少なく、身近な地域で療育が受けてもらえない状況にあるため、保育室のほか、既存施設の増築を行い、定員増を図るとともに、相談支援事業所を併設し、令和5年度には市内3か所目の児童発達支援センター化を図ろうとするものであります。令和3年度は設計、翌年度に工事を行う計画です。

 次に、民間保育施設運営助成であります。本市では、これまで待機児童対策として施設整備に重点を置いてまいりました。現在、子ども・若者支援計画の中の保育施設の量の見込みの推計においても必要量が一定充足していることから、今後は保育環境の充実や保育士の処遇改善など、保育の質の向上につながる支援を進めてまいりたいと考えております。特に障害児や家庭支援の必要な児童に対するサポートといった、きめ細かい保育体制の整備をこれまでより手厚く支援していきたいと考えております。

 3つ目、「学びの環境づくりプロジェクト」は、未来を担う子どもたちの豊かな感性や創造力、現代社会を生き抜く力を育む教育を推進し、また、家庭・地域及び学校が連携して、協働して特色のある学校づくりを進めるものです。また、生涯にわたる学びを推進していきたいと考えております。

 幾つかの事業をご紹介します。1つは、不登校対策、教育相談です。現在、不登校対策として、学校以外の学びの場を希望する児童に対して、和邇、膳所、瀬田の3か所で適応指導教室分室を開設し、学校に登校できない子どもたちの個々の状況に応じ、学びに関する支援を行っています。一方、通所を希望しない不登校児童に対して、来年度に不登校対策指導員を1名増員し、さらに訪問型支援の充実を図っていきたいと考えております。また、教育相談におきましては、子ども・保護者・教員を対象に電話相談、面接相談を行っておりますが、児童・生徒を取り巻く背景の多様化から、相談内容も不登校・情緒不安など多岐にわたっています。様々な課題を抱える児童・生徒への早期支援及び不登校状況にある児童・生徒へのさらなる支援に向け、公認心理師の活用の充実を図り、個々の子どもに応じた教育相談を実施していきたいと考えております。

 次の「学校夢づくりプロジェクト」につきましては、子どもたちの思いを基に地域や学校が力を合わせて創意工夫を凝らして夢のあるプロジェクトに取り組んで、児童・生徒が主体的に学び、心豊かに生きていくことができる力の育成を目指す事業です。今年度の県教育委員会の小学6年生を対象にした調査では、将来の夢や目標を持っている項目に当てはまると回答した児童が55.3%と、昨年度より7.9ポイント減少したことが明らかになっています。このようなコロナ禍の状況の下、夢を実現するために学校・地域が連携し、子どもたちの柔軟な発想から生まれるアイデアを生かして子どもたちの笑顔が輝く取組がそれぞれの学校において計画されることを期待しております。

 予算額は、児童・生徒数に応じて各学校に配当し、令和3年度は市立小・中学校55校において試行的に取り組んでまいります。年度末には、取組の成果について子どもたちが中心となり成果発表会を行っていただきたいと思っています。また、取組内容につきましては、市のホームページでも公開し、市民の皆様と成果を共有していきたいと考えております。

 次に、小・中学校のトイレ改修事業であります。児童・生徒や保護者等からトイレの環境改善を求める声が多く寄せられながらも、長らく手がつけられてこなかったトイレ改修を実施し、教育環境の向上のみならず、感染症対策に当たってまいります。具体的な改修内容として、便器の洋式化、床の乾式化、給排水設備の更新等を実施します。令和3年度は、田上小学校及び瀬田北中学校の2校でトイレ改修工事を行うとともに、計画的に事業実施を進めるための実施設計等を木戸小学校及び堅田中学校で行います。

 続きまして、学校施設の長寿命化改良事業であります。学校施設の約8割が築30年以上を経過する中で市議会、監査委員からもこの学校施設の長寿命化への取組を求められております。よりよい教育環境を確保するため、トイレ改修と並行して長寿命化計画に基づき計画的に学校施設の改修を行っていきます。基本的には、今後、毎年度2校ずつ長寿命化改良事業を実施していくこととしております。

 4つ目、「健康長寿プロジェクト」は、「地域で支える超高齢社会の形成」、「介護サービスの充実と医療提供体制の整備」、「健康寿命の延伸」の3つの方向性を持って取組を進めてまいります。

 幾つかの事業を説明させていただきます。1つは、中期計画に沿った市立大津市民病院運営負担金について、令和3年度から令和6年度までの第2期中期目標の策定を受けて、市民病院ではこれに沿った第2期中期計画を策定し、今後、市議会の議決を経た後、3月末に認可をする予定となっております。この第2期中期計画の中では、市民病院が本市の医療ニーズや本市全体の医療提供体制を考慮し、効果的で効率的な医療機能の充実が図れるよう支援する運営費負担金を総額65億5,700万円、計画額として計上しております。市民病院は、新型コロナウイルス感染症をはじめ、感染症医療において大津保健医療圏域で中心的な役割を果たしていることから、本市としましても市民病院が昨年12月に整備・稼働させた感染症ERをしっかりと支援し、市民の皆様の安全・安心につなげてまいりたいと考えております。また、市民病院におきましても、このことを受け、新年度新たに感染症専門医を1名増員する計画と伺っております。

 次に、訪問診療、訪問看護体制の整備について、本市はこれまで市民啓発や他職種連携協働の推進、拠点訪問看護ステーションの整備を行ってまいりました。特に訪問看護体制については、拠点となる訪問看護ステーションの機能強化を図り、医療と介護の連携を深めることができるよう充実を図ってきたところであります。令和3年度は、これらの事業は継続しつつ、より一歩訪問診療体制の強化を進めるために、市民にとって身近な医療機関である診療所の医師が訪問診療を実施しやすい体制づくりとして、市内の病院に対して補助金を交付することにより、訪問診療を実施する診療所を病院がバックアップする仕組みを構築したいと考えています。これまで医療提供体制の整備は県の役割とされてまいりましたが、新型コロナウイルスの感染症の感染拡大を受けて、本市としてもしっかりと地域の医療提供体制に目を向けなければならないという問題意識から訪問診療体制の強化を進めてまいります。

 5つ目、「魅力発信とにぎわいづくりプロジェクト」は、本市の豊かな自然と歴史、文化等の大津ならではの魅力を最大限に生かして、人を呼び込み、にぎわいや地域の活性化を図ろうとするものであります。

 初めは、「なぎさ公園周辺魅力向上プロジェクト」についてであります。部局横断でなぎさ公園及びその周辺の魅力とにぎわいの創出を図っていくことを目的としており、これまで部局ごとに取り組んできた事業など、相乗効果を生み出せるよう部局横断で取り組んでいます。その一つとして、現在、1月から6月までの予定で、大津湖岸なぎさ公園市民プラザ官民連携手法等導入可能性調査業務を実施しております。事業内容といたしましては、なぎさ公園のにぎわいの創出に向け、来園者の方々のご意見を伺うとともに、官民連携事業の実施に向けてマーケットサウンディングなどを実施して民間事業者の意向等を調査するものであります。令和3年度においては、調査結果を踏まえたなぎさ公園での新たなにぎわいの創出の手法などについて、このプロジェクトで検討してまいります。

 もう一つ、令和3年度には、なぎさ公園の魅力を全国に発信するイベントとして、NHKの公開番組・のど自慢をNHKと共催で県立芸術劇場びわ湖ホールを会場に10月に開催する予定です。感染症の影響で各種のイベントが中止や縮小を余儀なくされる中、番組に出場していただくことや、観覧、視聴していただき番組を楽しんでいただくとともに、番組を通じてなぎさ公園周辺、また、大津の魅力を全国に発信していきたいと思っています。

 次になりますが、令和3年は、世界遺産比叡山延暦寺の開祖、伝教大師最澄の遷化1200年に当たり、本市や滋賀県、京都市なども参画する伝教大師最澄1200年魅力交流委員会を中心に様々な取組が計画されています。本市には、比叡山延暦寺はもちろん、最澄が生まれた生源寺、最澄が開いたと伝わるおごと温泉、最澄が両親の供養のために建立した東南寺など、最澄のゆかりのスポットやストーリーが数多くあります。伝教大師最澄1200年魅力交流委員会や比叡山延暦寺と取組を連携しながら、本市としても最澄ゆかりのスポットやストーリーの情報発信を行い、多くの方に最澄や本市の世界遺産、比叡山延暦寺を知っていただき、大津への誘客、周遊を促進してまいりたいと考えております。

 次は、eスポーツについてです。スポーツ推進の新しい取組として、今年度ブランチ大津京でeスポーツのイベントを試験的に開催しました。この取組を踏まえ、令和3年度も地元企業などと連携して、地域活性化に向けたeスポーツの可能性を模索していきたいと考えております。令和3年度は、小規模イベントを合わせ計3回のイベントの実施を計画しています。eスポーツは、ご承知のように、茨城県で行われる国体でも採用されたように、従来のスポーツと同様に、「する、見る、支える」それぞれに魅力があり、将来の大会誘致などの足がかりにしたいと考えています。

 6つ目、「暮らし安心プロジェクト」は、大規模な自然災害から市民の皆さんの生命と財産を守り、安心・安全に暮らすことのできるまちづくりを進めようとするもので、さらには、地域のつながりを生かした交通サービスの創造、市民の暮らしに寄り添い、その声を市政に反映する仕組みの構築に取り組んでまいります。その1つとして、特殊詐欺被害の防止対策をより一層推進するため、ストップ特殊詐欺事業に新規事業として取り組んでまいります。令和3年度の主な取組として、科学警察研究所や滋賀県警察と協働し、特殊詐欺対策に関する研究を進めるための社会実験を実施します。これは、特殊詐欺被害防止のための啓発に関して、市民の皆さんに対しアンケート調査を実施し、より効果の高い啓発の手法を研究するもので、アンケート結果を科学警察研究所にて分析、研究していただき、その結果を本市の特殊詐欺被害防止対策に生かしていこうと思っています。

 また、これと並行して、本市独自の取組として、モデル地区を対象に地域団体の方と警察が連携し、特殊詐欺被害に遭いやすい高齢者宅を訪問し、留守番電話や自動録音装置の設置を促すなど、きめ細かい個別訪問による啓発活動を実施し、その効果を検証してまいりたいと考えています。これまでも特殊詐欺被害防止に取り組んできたところではありますが、本年1月20日に締結しました警察との連携協定に基づき高い調査、研究能力を有する科学警察研究所や警察と協働して特殊詐欺対策を進めることで、より実効性の高い取組につなげてまいりたいと考えております。

 次は、市役所別館に併設する中消防署の移転新築に向け、用地取得及び基本・実施設計業務委託等を実施いたします。令和3年度は、用地取得に必要な不動産鑑定業務、施設建設に必要な地盤調査を、また、基本・実施設計業務委託を債務負担行為事業として令和4年度の2か年にわたって実施してまいります。現在の中消防署は、昭和46年4月に竣工してから49年が経過し、老朽化が顕著で、必要な耐震化が図れていないなど施設整備が喫緊の課題でありましたが、滋賀県との協議を経て、びわこ競艇場駐車場敷地の一角、約2,600平方メートルの用地を協力いただけることになりました。中消防署は、市民生活の安心・安全、また、災害に強いまちづくりを推進する市の中心市街地の消防・防災拠点であることから、一日も早く整備、運用が開始できるよう取り組んでまいりたいと考えております。

 次は、路線バスの減便・廃止等に対しまして、地域の移動手段を確保するため、葛川・伊香立・仰木地域及び上田上・晴嵐台地域に、運行ダイヤを決めず、予約に応じて停留所間を運行する新たなデマンド型乗合タクシーの社会実験を実施します。具体的には、葛川・伊香立・仰木地域に2台、上田上・晴嵐台地域に1台、市が直接タクシーを借り上げ、利用者のニーズに合わせて運行します。この実証実験のポイントは簡易な利用方法、柔軟な運行、使いやすい運賃の3点です。定刻ダイヤで運行を実施する既存の志賀地域デマンド型乗合タクシーの実証運行と結果を比較、検証することで、地域の皆さんにとって使いやすく、利便性の高いデマンド型乗合タクシーの運行方法を研究するとともに、持続可能な地域の移動手段の確保を目指していきたいと考えています。

 リーディングプロジェクトに基づく事業は以上となります。

 最後に、市民の皆様に向けた新たな支援、助成制度など、各分野にわたる取組を進めていきます。特に新型コロナウイルス感染症の影響から市民と事業者の皆さんの暮らしと営みを守る観点から、アウトリーチ等による自立相談支援機能強化や家計改善支援、それに地域産業振興及び中小企業振興に向けた条例の制定については、新規事業として力を入れていかなければならない分野であると考えています。

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