市長記者会見(令和6年2月8日)

更新日:2024年04月19日

  • 日時 令和6年2月8日(木曜)13時から
  • 場所 大津市役所 新館2階 災害対策本部室
会見で説明する佐藤市長

市長説明

市長 皆さん、こんにちは。本日、ご多忙のところ、令和6年度大津市当初予算の発表にお集まりいただき、誠にありがとうございます。

 発表に先立ちまして、令和6年能登半島地震におきまして、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、今も困難な生活を余儀なくされている被災された方々に心を寄せて、お見舞いを申し上げたいと思います。
 本市といたしましても、発災直後から多くの職員を被災地に派遣しているところではありますが、今後とも復旧・復興に向けて、支援に全力で取り組んでまいりたいと考えております。

令和6年能登半島地震支援活動の様子
令和6年能登半島地震支援活動に向かう消防車

 さて1月21日に執行されました大津市長選挙では、多くのご支持を賜り、引き続き市長の職を担わせていただくこととなりました。選挙を通じてお聞きしました市民や事業者の皆様の声を生かすとともに、令和6年度を2期目のスタートとしてしっかりと位置づけ、市政を前に進めてまいりたいと考えております。

 このたびの令和6年度の当初予算案は、大津市総合計画第2期実行計画の最終年度としての取組に加えまして、これからの人口減少を見据えて、暮らしを守る視点をプラスして編成いたしました。

 それでは、予算案のポイントについてご説明いたします。パワーポイントの資料をご覧ください。2ページ目に、令和6年度当初予算案のポイントについて記載しております。

令和6年度大津市予算案のポイント

 令和6年度当初予算案は、大津市総合計画第2期実行計画の最終年度としての取組に加えて、これからの人口減少を見据えつつ、急激な物価上昇の影響を緩和するため、暮らしを守る視点をプラスして編成いたしました。
 また引き続き、コロナ禍で落ち込んだまちの元気を取り戻すための魅力発信とにぎわいづくりや、コロナ禍で顕在化した出生数の減少、心身の健康リスクの高まり、地域コミュニティの希薄化といった課題への対応にも意を用いたところであります。

 一般会計の総額は1,345億6,500万円で、当初予算としては過去最大となります。今年度と比較して約5.6%、71億8,700万円の増加となります。
 特別会計は8会計で総額766億8,900万円余りで、今年度と比較して21億円余りの増加となっております。増加の主な要因としましては、国民健康保険事業特別会計、後期高齢者医療事業特別会計での医療費の増加や、介護保険事業特別会計でのサービス給付費等の増加によるものです。
 企業会計は総額で354億8,000万円余りとなっております。全12会計を合計いたしますと2,467億3,400万円となります。
 一般会計の歳入のうち、個人市民税が11億5,900万円と大きく減少しておりますが、これは定額減税の影響の16億円を見込むためであります。なお減額の16億円につきましては、地方特例交付金において補塡されることとなります。
 法人市民税では、物価高や人件費の上昇の影響で減収を見込む一方で、固定資産税では新築建物事業者の設備投資が回復すると見込まれることから、2億円余りの増収としております。
 地方特例交付金は、先ほど申し上げたように、ここで定額減税の補塡を行うため増えております。
 地方交付税は、臨時財政対策債によらず、地方交付税で財源をしっかりと措置するという国の方針に基づいて、今年度から24億円の増額を見込んでおります。
 また、ここには記載しておりませんが、基金からの繰入れを実施します。主な取崩しは、財政調整基金で26億6,000万円、このうち国スポ・障スポ開催分として7億7,000万円、公共施設等整備基金で12億3,000万円となっております。

 一般会計における歳出では、まず上段の目的別で見ますと、総務費の増加につきましては、国スポ・障スポの開催や定年延長に伴う退職金支払い隔年化による手当の増によるもので、民生費の増加は社会保障関連経費が中心となっており、この傾向は今後も続く見込みです。
 衛生費は、新型コロナウイルス感染症の関連経費がなくなったため減額、土木費は、市道や市道橋、浸水被害を未然に防ぐ河川のしゅんせつなどの維持管理費や都市計画道路等の道路整備の推進による増加、教育費は学校施設の長寿命化改良、トイレ改修、中学校体育館への空調設備設置などのハード面の整備費により増加しています。
 性質別では、人件費は、人事院勧告に基づき約10%の増額を見込むとともに、投資的経費は約34%の増額となっており、市民ニーズの高い社会基盤の整備にしっかり対応している証左であると捉えています。
 結果的に、財政調整基金等から繰入れを行い編成しているところですが、1期目の4年間で積み立ててきた基金について機動的に活用するという方針に基づくものであり、現在、税金等をご負担いただいている市民の方へ還元すべきものは還元するという点からも、適切な財政運営だと考えています。
 一方で、中長期的な視点で捉えますと、特に国スポ・障スポの開催や自治体基幹業務システムの標準化、公共施設の老朽化対応、扶助費の増嵩など、これらだけでも財政負担は大きく、今後の財政運営は厳しさを増すものと見込んでおります。引き続き財源の確保に努めるとともに、健全財政の提示に意を用いてまいりたいと考えております。 

 それでは、予算編成の方針に沿いまして、主な事業について説明いたします。 

1暮らしを守る

 

 始めに暮らしを守る取組です。これからの人口減少を見据えつつ、急激な物価の上昇の影響を緩和するための事業を盛り込んでいます。

 まず、介護保険料基準額の1割引下げです。現在、令和6年度から令和8年度までを期間とする第9期大津市高齢者福祉計画・介護保険事業計画の策定に向けて、本市の案を大津市社会福祉審議会で議論いただいており、間もなく答申される予定となっています。


 高齢者人口や介護保険サービスの量を推計した結果、介護保険料の上昇が見込まれるところですが、計画では急激な物価の上昇の影響の中で、特に年金が主な収入である高齢者につきましては、賃金上昇の恩恵を受けにくいことから、介護保険料基準額を第8期から1割引き下げることとしています。このため介護給付費準備基金を第9期介護保険事業計画においては、37億円余りを取り崩して対応してまいります。

 暮らしを守る取組とともに、出生数の減少による人口減少を見据えると、子どもを産み育てやすい環境を整えるための負担軽減を図る必要があると考えています。このための妊婦健康診査の無料化などは後ほど説明いたしますが、ここでは幼児歯科健診における虫歯予防処置手数料の無料化について申し上げます。現在、希望者のみとなっております幼児健診受診時の虫歯予防処置を受ける方を増やし、歯や口腔の健康への関心を高め、幼児期から生涯にわたる切れ目のない口腔ケアの推進を目指すため、フッ化物塗布に係る手数料を新年度から廃止します。

 また学校給食費の食材値上がり分の公費負担については、新年度において1億7,000万円余りとなりますが、継続して公費負担を実施します。学校給食の食材費についても相当の値上がりが続いており、保護者からの給食費だけでは給食の質・量を確保した献立の提供が難しいのが実情です。給食費の値上げを行うことなく、食材値上がり分の公費負担を継続し、安心・安全で栄養バランスの取れた給食を提供するとともに、保護者の負担軽減を図ってまいります。なお、記載はしていませんが、今年度から実施しております第3子以降の免除については、令和6年10月より、18歳以下から22歳以下へ算定基準年齢の見直しを行うこととしています。

2子育て支援プロジェクト


 子育て支援につきましては、妊婦をはじめ子どもや保護者に寄り添う視点で、切れ目のない子育て支援の充実を図るとともに、子どもを産み育てやすい環境づくりを進めてまいります。新たな取組として、妊婦健康診査の無料化と産婦健康診査の助成を開始します。

 妊婦健康診査については、経済的負担を軽減し、全ての方が必要な健康診査を必要な回数を受けることができるようにします。

 これまで本市の妊婦健康診査は、基本健診受診券の1回当たりの平均助成額が約3,500円でありましたが、多くの医療機関において、基本健診1回に係る費用が5,000円程度となっているため、その差額についてはご負担いただいておりました。基本受診券は1回当たり一律上限を5,000円に増額し、基本受診券14回と検査受診券を合わせて総額9万4,940円から総額11万8,360円に拡充します。あわせて健診回数が増える多胎妊婦の方については、基本受診券全19回、総額15万3,960円とします。さらに、14回を超えた基本健診や受診券対象の健康診査内容において、受診券による助成上限額を超えて自己負担された場合は、払戻し手続を行うことで支援してまいります。

 産婦健康診査については、産後2週間と産後1か月健診において、それぞれ上限5,000円の受給券を交付します。対象は、妊婦健康診査が令和6年4月1日以降受診分から、産婦健康診査は令和6年4月1日以降に出産された方を対象として開始します。これらの取組によりまして、市民の皆様がより健やかに、安心して出産や子育てができる環境を整えてまいります。

 また現在、本市が実施しております子どもの医療費助成制度については、対象を中学校卒業までから高校生世代、18歳までに拡充します。令和6年3月に受給券を送付し、4月から助成制度拡充を開始する予定としております。

 次に、令和7年度から令和11年度を計画期間といたします次期子ども・若者支援計画策定と、計画策定に当たって進めております子どもの意見を聴く取組についてです。計画策定に当たりましては、令和5年4月施行のこども基本法に基づき、当事者であります子ども・若者の意見を幅広く聴取し反映するための子どもの意見を聴く取組を実施することとしています。具体的には、LINEのオープンチャットの活用や高校生・大学生を対象とした意見交流会の開催、それに子どもを対象としたパブリックコメントの実施などを検討しています。

 また、社会的課題として指摘されておりますヤングケアラーについては、その解決のために、子どもと家庭に関わる多様な機関が子どもの置かれている状況に気づくとともに、連携して寄り添った支援を行うことが重要です。引き続き、関係機関と共にヤングケアラーに関する知識を深め、支援の連携を深めるため、研修会を開催します。あわせて、ヤングケアラーに関するリーフレットを作成し、周知啓発にも力を入れてまいります。

3学びの環境づくりプロジェクト

 学びの環境づくりについては、学校体育館の空調設備の設置や不登校児童生徒の支援の充実など、子どもたちが安心して学べる場づくりに取り組んでまいります。また令和3年度から開始しております学校夢づくりプロジェクトも発展的に継続いたします。

 本市の学校施設については、約8割が建築後30年以上経過し、老朽化している状況であることから、令和3年3月に大津市学校施設長寿命化計画を策定し、重点的に教育環境の改善・向上に取り組んでいます。

 学校施設の長寿命化改良及びトイレ改修事業は、令和2年度から年2校のペースで事業に着手しており、外壁・屋根・屋上防水等の外部改修や、床・壁・建具等の内部改修に加え、トイレの全面改修、照明機器のLED化、バリアフリー対応など、施設全体の抜本的な改修を行ってきました。新たに2校分の調査費用を盛り込むとともに、既に着工している学校においても引き続き事業を実施してまいります。また、児童生徒や保護者などからの要望が多い学校トイレの改修事業は、令和2年度から年2校のペースで事業化していますが、本年度からはさらに年4校のペースに加速したところです。新たに4校分の設計費用を盛り込み、子どもたちが安心して学べる環境の整備に努めてまいります。

 学校体育館における空調設備の設置についてですが、現在、本市の学校には、各教室に空調を設置しているものの、体育館には設置されておりません。学校の体育館については、災害時に避難所となることも考え合わせながら、まずは夏休み中であっても、部活動や総合体育大会を行う中学校を先行して空調設置を進めてまいります。

改修後の小学校のトイレ
長寿命化する学校校舎

 学校夢づくりプロジェクトは、令和3年度から事業を開始し、これまで3年間、子どもたちの思いや発想を基に創意工夫した幅広い取組が行われてきました。地域にもご協力いただき、子どもたちが楽しみながら企画を実現した喜びや達成感を味わうことができ、特色ある学校づくりにつながっていると実感しています。新年度からは、これまでの学校ごとの取組に加えて、他の学校と共同して行う取組や、企業・大学等と連携して行う取組もテーマ設定して支援していきたいと考えています。

 また、今年度から開始した学校夢づくり+につきましても、引き続き一般社団法人ホンミライとの連携による作家との交流、本県・本市にゆかりのトップアスリートや団体との交流を実施します。キャリア教育の視点を踏まえ、講師との対話や活動を通じて、子どもたちが将来の夢や目標を持つきっかけとなることを期待しています。

 新たな取組として、産業観光部において、企業版夢づくりプロジェクトを実施します。これは、子どもたちの職業観を育み、生きる力を伸ばすキャリア教育と、地域の中小企業の魅力を発信するオープンカンパニーを組み合わせた事業となります。現時点で検討している内容でありますが、市内の企業を紹介する展示や、仕事体験ができるイベントを開催するとともに、企業を訪問し、その仕事を実際に触れてもらえるようなオープンカンパニーを実施します。その上で、将来のキャリアデザインにつながるようなワーキングにおいて取りまとめをすることとしております。子どもたちの未来を企業や地域の皆さんと一緒に育んでいく事業になればと思っています。

 次は、歴史文化魅力発見に向けたブロック別副読本の作成です。市内それぞれの地域の貴重な歴史文化遺産を知ってもらい、自分たちのまちに愛着や誇りを持つ人材を育成するため、小・中学生が体系的に通史や地域の歴史文化遺産を学べる副読本を作成します。新年度はモデル的に一つのブロックを選定して作成し、順次、他のブロックにも広げていく予定としています。

 不登校児童生徒の支援として、学びの機会を確保し、社会的自立に向けて後押しをするため、現在の中学生対象のウイングを2カ所から3カ所に増設します。アウトリーチ型支援についても、教育支援員を1名増員し、公認心理師による教育相談時間を555時間追加するなど、拡充を図ります。
 現在も各学校では、不登校になる前の段階で長期欠席が続くなど教室に入りづらい児童生徒に対しては余裕教室等を活用した支援を行っていますが、早期の支援とともに、落ち着いた空間の中で自分に合ったペースで学習・生活できる環境を整えることが重要であることから、新たに「校内ウイング」を整備します。新年度はモデル校4校において、教育委員会が運営するウイングの運営形態を取り入れて、今後の在り方の検討につなげていきたいと考えております。 

4健康長寿プロジェクト

 健康長寿プロジェクトについては、健康リスクの高まりなど、ポストコロナ社会で顕在化した課題に重点的に取り組みます。

 幼少期の運動プログラムの充実については、今年度、おおむね4歳から9歳までの幼少期の子どもたちを対象とした運動プログラム「親子でワクワク運動あそび」を開催しました。新年度については、この親子でワクワク運動あそびの開催に加えて、新たにびわこ成蹊スポーツ大学と連携し、びわスポキッズフェスティバルを開催します。

大石淀グラウンド・ゴルフ場


  令和3年度より建設工事を進めてきた大津大石淀グラウンド・ゴルフ場については、今年度末に完工する予定となっております。今年5月末のオープンを予定しており、高齢者を中心に、数多くの皆様の健康づくり・交流の拠点となることを期待しています。全国規模の大会を開催できるコースを整備しており、大会の誘致など、グラウンドゴルフ専用施設としての活用も図ってまいります。

シニア向け健康トレーニング教室


  高齢者の健康リスクの高まりへの対応として、今年度も実施しております高齢者のフレイル予防に加えて、薬の副作用等による低栄養状態の方への訪問指導を始めます。フレイル予防のためのICTを活用したシニア向け健康トレーニング教室については、本年度、商業施設4店舗で実施しており、好評いただいております。新年度については、これに加えて、中老人福祉センターでも実施する予定としております。

  新たにモデル事業として、ポリファーマシーによる個別指導に取り組みます。ポリファーマシーとは、多くの薬を服用しているために副作用を起こしたり、きちんと薬が飲めなくなったりする状態ですが、モデル薬局で対象となる方の同意を得た上で、低栄養状態評価表によるチェックを実施し、必要に応じて薬剤師と管理栄養士が訪問し、薬の確認や食生活指導を行います。

  その他、後期高齢者医療制度加入者向け健康診査の拡充や、介護人材の確保に向けた取組も行ってまいります。特に、今年度初めて開催したおおつ介護フェスタは継続し、新たに介護事業者との交流会を開催する予定としています。

5魅力発信とにぎわいづくりプロジェクト

 

 

 魅力発信とにぎわいづくりプロジェクトについては、豊かな歴史・文化など、大津ならではの魅力を発信するとともに、観光振興やMICEの推進、市内の中小企業・小規模事業者の支援によって、地域経済の活性化に取り組んでまいります。

 まずは、何回もこの場でもお話をさせていただいておりますけれども、大河ドラマ「光る君へ」の放送を契機とした事業についてです。大河ドラマ「光る君へ」の放送の契機に、紫式部ゆかりの地である本市の魅力を広く発信することで、本市への誘客及び市内・県内周遊を促進するとともに、市民の皆さんには、本市の豊かな歴史・文化について再認識する機会となるよう取り組んでおります。引き続き市内周遊を促進するためのキャンペーンに取り組むほか、物産振興やプロモーション関連の事業など、多様な事業を展開してまいります。

 周遊キャンペーンにおいては、石山寺エリアと三井寺・歴史博物館エリアを軸に、市内をお得に周遊することができるキャンペーンを計画しています。このほか、紫式部や源氏物語ゆかりの物産の開発促進や、大河ドラマの放送で石山寺等が取り上げられる時期を狙ったプロモーション事業も適宜実施します。歴史博物館においては、現在開催中の特集展示「源氏物語と大津」に加えて、新年度においては、紫式部や石山寺に関連する2回の企画展の開催を予定しています。

紫式部とれいん出発式
特集展示・紫式部と大津の様子

 次に、令和3年3月に国から認定を受けた歴史的風致維持向上計画に基づき、祭りなど地域における伝統的な活動と、その周辺の歴史的な建物や町並みが一体となって形成していった歴史的風致の維持向上を図っております。この取組の一環として、新年度に歴史的風致形成建造物の修理に対する補助金を新設します。この歴史的風致形成建造物とは、例えば大津祭の際に曳山と一体となって風情を生み出している町家などの歴史的な建物を、保存すべき建物として市が指定するものです。今回新たに当該補助制度を新設することにより、歴史的風致形成建造物の所有者の修理に対する費用を支援し、歴史的建造物の保全につなげてまいりたいと考えております。

 大津湖岸なぎさ公園については、これまでに大津港サイクルステーションO-PORT-ableの開設やPark-PFIよる市民プラザの再整備事業、琵琶湖疏水通船航路延伸実証実験などを実施し、なぎさ公園周辺の魅力向上と新たなにぎわいの創出に取り組んでまいりました。新年度においては、にぎわいの拠点をつなぎ、公園内の回遊性を高めるため、サンシャインビーチエリアを再整備します。公園へのアクセスを改善するため、駐車場の拡張や出入口の増設、精算機の改修を行い、利便性の向上を図ります。また照明灯のLED化を進め、夜間の安全性向上と環境に配慮した公園づくりにも取り組んでまいります。

市民プラザ再整備事業
琵琶湖疏水船

 また、市内での創業を促進することで、地域のにぎわいを創出し、地域経済を活性化させるとともに、人材不足やDXへの対応などの課題を抱える市内中小企業・小規模事業者のニーズに沿った支援策を講じてまいります。このため、令和4年度に始めました創業促進事業補助金を継続して実施してまいりたいと考えております。

湖岸を散歩する親子連れ

 

 また、人口減少を見据えつつ、移住・定住の促進にも力点を置きます。移住・定住PR事業に加えて、定住促進リフォーム補助事業については、新年度から中学生以下の子どもがいる転入世帯について、補助額を補助対象工事に要する経費の20%に相当する額に増額し、制度の拡充を図ってまいります。

6 暮らし安心プロジェクト

 

 暮らし安心プロジェクトでは、災害に強いまちづくりと公共交通の維持・確保など、市民の暮らしの安心につながる事業を進めます。

 学区自主防災組織活動への支援については、能登半島地震をはじめ、近年激甚化・頻発化する災害を受けて、学区自主防災組織活動補助金を拡充し、地域の防災力向上を図り、自主防災活動を後押ししてまいります。

 地域公共交通の維持・確保に向けては、これまでの取組に加えて、路線バスにおいては、山中比叡平地域と京都市を運行している京都比叡平線に対して、新たに補助金を支出することで運行を支援し、デマンド型乗合タクシーでは、志賀地域を運行しているデマンド型乗合タクシーにおいて、予約時の利便性向上に向けてウェブ予約を導入します。タクシー事業者に対しては、深刻化する運転手不足への対応として、普通第二種運転免許や中型第二種運転免許の取得に必要な経費に対して補助を始めます。

高齢者運転免許書返納

 また、高齢者の運転免許証自主返納促進事業を行ってまいります。運転に不安を感じておられる高齢ドライバーの運転免許証の自主返納を促進することは、交通事故を防止する観点からも重要であることから、75歳以上の市民が運転免許証を自主返納した場合に、6,000円分のICOCAの購入補助または6,000円分の公共交通共通乗車券などをお渡しすることとしています。募集の開始については、要項等の整備を終えた後、必要な手続を経て、令和6年6月頃となる見込みですが、対象者については、令和6年4月1日以降に運転免許証を自主返納された方とする予定です。

 買い物等支援制度パンフレットの作成ですが、高齢者を中心に、食料品や日用品の購入に不便やご苦労を感じておられる現状を踏まえ、事業者が行う買い物支援策などを市としてもPRしてまいります。配達営業販売、ネットスーパー等、地域の買い物環境の向上に向けて取組を行っておられる事業者を紹介するパンフレットを作成しようと考えております。

 そのほか、地域における団体の主体的なまちづくり活動を支援するパワーアップ地域活動応援事業や、自治会活動などのデジタル化を進める電子回覧板プラットフォームの構築なども盛り込んでいます。

重度障害者等を対象とした社会福祉施設の完成イメージ図

 

 リーディングプロジェクトの他に、新たに取り組む主な事業としては、本市に不足している重度障害者等を対象とした社会福祉施設等の整備を進めるための補助事業や、広報おおつを令和6年5月1日号から紙面リニューアルし、デジタル版を導入することなどがあります。

 また、良好な生活環境の保全と動物愛護精神の高揚を図るため、多頭飼育対策補助事業を開始したいと考えております。これは、多頭飼育により近隣住民から苦情が寄せられている飼い主や、こういった支援に当たる動物愛護団体に対して、犬や猫の不妊・去勢手術費用、予防検査費用の一部を補助するものです。

 また市有施設のESCO事業による照明のLED化の推進や、所管部局の異なる複数の施設の維持管理に必要な業務を一括して委託する公共施設包括管理業務の導入を行ってまいります。

 令和7年に迫りました本大会に先駆けて開催される競技別リハーサル大会を控える国スポ・障スポに関する事業にも取り組んでまいりたいと考えております。

 以上、少し長くなりましたけれども、私からの説明といたします。

質疑応答

びわ湖放送 今回は、過去最大規模の当初予算案となり、様々な政策を載せていただいたんですけれども、市長として特に重点的に取り組みたい事業を3つほど挙げるとすると、どれを挙げられますか。

市長 全てが重点的に取り組みたいということでご説明申し上げたところですが、これまでの総合計画第2期実行計画の取組に加えて、暮らしを守るという新しい視点をこの中に盛り込んでいますので、しっかりと相乗効果を上げていきたいと思いますし、単に暮らしを守るのみならず、暮らしを守る中において、人口減少社会を見据えつつ、出生数の減少などにもしっかり対応していけるよう、一つの事業で複数の効果を期待しているものが幾つかありますけれども、そういったものを中心に重点的に取り組んでいきたいと思います。

びわ湖放送 具体的に挙げるとすると、これまでの選挙の公約等も見ておりますと、妊婦健診の無料化や介護保険料の1割引き下げ、学校体育館のエアコン整備を主に取り組まれるのかと考えていたんですが、いかがでしょうか。

市長 取り立てて、あまたある施策・事業の中で、これだけを重点的に取り組みたいというものはありませんが、今おっしゃっていただいたように、市長選挙でお示しをし、皆さんに取り組むことをお約束した施策・事業については、やはりしっかりと約束を果たす意味でも取り組んでまいりたいと思います。

読売新聞 5ページの歳出の性質別歳出の件で、投資的経費で社会基盤整備の総額で36億円増えたとあるんですが、これはどこに当たるかお教えいただけますでしょうか。

市長 先ほど来ご説明を申し上げているように、例えば学校施設の長寿命化改良、トイレ改修、道路を始めとする社会基盤整備をしっかりと取り組んでいる証左であろうと思います。

読売新聞 ヤングケアラーのリーフレットの件ですけれども、これまで大津市が実施しているヤングケアラーに対する支援事業をお教えいただけますでしょうか。

市長 支援ということではありませんけれども、まずはヤングケアラーの課題に向き合う中で、こういった状況にある子どもの状況に気づき、そして適切に関係機関と連携して支援するということが大切であると考えておりますので、まずは令和4年度から研修会を開催していますが、こういったものを重ねる中において、自分たちの取組のみならず、社会全体で気づきというものを広げていくために、新たにリーフレットを作成しながら社会全体でヤングケアラーの問題に取り組んでいきたいと考えています。

読売新聞 大津市は、ヤングケアラーはどれぐらいいらっしゃるんですか。把握されていますか。

市長 ヤングケアラーについて、特にこれに限った調査をしているわけではありませんけれども、傾向として、現在、要対協(要保護児童対策地域協議会)で把握している要支援・要保護児童の数が約2,000名です。このことから、このうち約3%から4%がヤングケアラーの状況に陥っている可能性があると想定しています。

読売新聞 学校施設のトイレと長寿命化ですが、ペースを上げられたということで金額も大きいんですが、全校完了するのは何年頃になる見込みですか。体育館と施設とトイレを含めて、それぞれペースが変わる可能性もあるかもしれませんけれども教えてください。

市長 一概に申し上げられないのは、例えば学校の体育館の空調設備の整備について、中学校における学校体育館の空調設備の整備だけではなく、既に行っている長寿命化改良の中でも学校体育館の空調設備の整備を進めていこうと思っております。いろんな事業を重ね合わせながらの取組になると思っておりますので、一概に全てが終了するのはこの年度ですというのは少しお答えしにくい状況です。

読売新聞 そういう関係もあって、何年までを目指すとか、特に設定していないということですか。

市長 基本的に学校施設の長寿命化改良が終わった後も、施設の更新は適切にしていかなければいけないので、この年次で終わりということはあり得ないと思います。全てが出来て、これでという年次というのは中々、示すことはできないと思います。

読売新聞 「校内ウイング」ですが、こういった取組は、いろんなフリースクールに行く子どもとか、不登校の子どもはいろんなチャンネルがあった方がいいという話が出ているんですけれども、「校内ウイング」の取組は県内でやっている自治体はあるんですか。

教育支援センター 現在はしているところはないと聞いております。

読売新聞 学校で落ち着く環境をつくるという意義を改めてお教えいただけますか。

市長 多様な居場所をつくっていく必要があると考えています。現在も各学校で余裕教室等を活用して教室に入りづらい児童生徒を支援しているところですが、さらに子どもたちにとって居心地のいい環境をつくっていかなければいけないと思っています。例えば保健室だったらリラックスして過ごせる子どもたちもこれまでいましたけれども、さらに教室という形で、この「校内ウイング」においてソファーを置いたりカーペットを敷いたり、リラックスできる環境において学校で過ごしていただくというところに主眼を置いています。

読売新聞 自主防災組織の補助金の件ですが、これは能登半島地震が起こる前からこういうことを検討されていらっしゃったんですか。

市長 基本的には今も支援しているものの拡充です。これまでも支援しています。

読売新聞 能登半島地震が起きてさらに拡充しようとしたのか、以前から拡充に向けて話合いが進んでいたのですか。

市長 基本的には、以前から自主防災活動に携わっておられる方からご提案をいただいておりましたが、検討したのは1月1日の令和6年能登半島地震以降です。

読売新聞 現場の方は、どういったところにお金が足りないというのはおっしゃっているんですか。

市長 足りないというよりは、使い勝手が悪いということでしたので、今回、額の増額とともに、使い勝手がよくなる工夫をしています。

読売新聞 買い物支援制度のパンフレットの作成ですが、大津京イオンが一時閉店になって、あの辺の地域の方は買い物に困っていらっしゃるし、比叡平の方もイオンに行くバスがなくなって買うところがないとかいろいろおっしゃっているんですけれども、パンフレットをつくることによって買い物環境が向上するという理由をお教えいただけますか。

市長 事業者の皆さんがそれぞれ様々な取組を重ねていただいておりますが、それが市民の皆さんに中々、伝わっていないという現状の課題を認識し、こういった取組を、それぞれの事業者において全ての市民の皆さんに周知することは中々、難しいし、負担も大きいところですので、市としてもこういったものをしっかりと結びつけることによって、買い物の環境についても我々としてできることを支援していきたいという思いで、パンフレットの作成を検討します。

読売新聞 買い物難民についての調査みたいなのものをされたり、されるご予定とかはありますか。選挙戦で結構、いろんな方からそういうお声を聞いたもので、気になってはいたんですが。

市長 買い物に関して特化した調査はしておりませんが、65歳以上の高齢者を対象とした大津市介護予防・日常生活圏域ニーズ調査において、「外出する上で困っていることがありますか」は幾つも答えられるので、これだけで全ての傾向が見られるわけではありませんけれども、「足腰などが痛い」が18.5%、それに次いで「食料品や日用品の買い物をする店が遠い」と答えた方が15.1%となっています。ただしこれも、大津市は南北45キロありますので、地域によって感じ方に大きな差があるということも把握しています。

読売新聞 パンフレットをつくって、いろんなチャンネルを市民の方に知っていただくということですが、今後市としてこの買い物を、お困り事にどう対応されていくのか、お考えはありますか。

市長 ちょっと質問の趣旨がよく分からないんですけれども。

読売新聞 パンフレットをつくって事業者の取組を紹介するということですが、さらに買い物難民について市としてどう取り組むか。パンフレットをつくって終わりではないと思うんですけれども、どのように取り組むのかという姿勢をちょっと知りたいというか。

市長 質問の前提として、買い物難民の定義を教えていただけますか。

読売新聞 買い物難民は、買いたいものがあるときにすぐ近くに買えるものがない。大津京イオンがなくなって生活用品を買う場所がなくなってしまうと。ネットで買えばいいといえばそれまでですが、ネットを使えない環境の方もいらっしゃるし、そのように買えるものがすぐ近くに買えないという環境が買い物難民かと思うので、それを皆さんが困っているということを、選挙戦で結構聞きましたので、南北に長い市の特徴でいろいろ買い物難民ではない方もいらっしゃると思うんですが、一定数いらっしゃると思うので、そういった買い物難民、今回、人口減する地域において課題になっているところもあるので、大津市でも課題になっていくんじゃないかという気はするんですけれども、その辺をお教えいただきたいと思います。

市長 総合的に対応する必要があると思います。買い物のみを考えて取り組むのではなく、今おっしゃっていただいたようにデジタルデバイドの問題であれば、これまでも例えばスマートフォンの使い方教室を高齢者向けに開催しておりますし、そういった取組を通じて高齢者の皆さんのDXに対する対応を高めていくことによって買い物につなげていくという取組もあるでしょうし、これは買い物だけを捉えてというよりは、市民の皆さんの生活をどうやって市として支えていくのかということを総合的に考えていく必要があると思います。

NHK 学校給食無償化の段階的な推進を市長選でも訴えられていたと思うんですけれども、今回拝見するとそれがなく、一方で学校給食費の食材値上がりの公費負担の継続は入っていました。中々、物価上昇の中で難しいとも思ったんですけれども、その点、今回盛り込まなかった理由とか、逆にこれから、いつ頃からそういう学校給食無償化について取り組んでいくかという見通しのお考えがあれば教えていただきたいです。

市長 無償化ということで答えると、本来、学校給食法によれば、食材を購入する費用は保護者が負担するということになっております。今ご説明したように、1億7,000万円かけて食材の値上がり分を公費負担する根拠は学校給食法によればありません。ですから、この1億7,000万円も無償化の段階的な推進だと理解をしています。

NHK ごめんなさい、分かんないんですけれども、今後、段階的な無償化という中で、おっしゃられている中で、小中学校を含めてかと思うんですけれども、どういうふうに負担をなくしていくかというところも併せてお聞きしたいんです。

市長 繰り返しのお答えで大変恐縮ですけれども、既に、今申し上げた1億7,000万円分のところで、一食当たり小学校においては33円、中学校においては37円を市が負担することによって負担軽減を図っています。段階的無償化で、小学校において273円、中学校において327円のものを一気にゼロにするのではなく、この一部から無償化をしているというふうに考えています。

NHK ごめんなさい。私のイメージとしては、例えば最初に小学生からとか、中学1年生、中学2年生とか、そういうふうに無償化していくのかというふうに思っていたんですけれども、そうではないということですか。おっしゃるとおり、負担を広くというか、小中学校を含めて一律的に減らしていくとか、そういうイメージを持てばよろしいんですか。

市長 すみません、見解の相違なので、どういったイメージを小学校からすぐに無償化するということを、私は申し上げた記憶がないんですが。

NHK ごめんなさい、イメージとして33円、37円、公費負担していただくということは分かるんですけれども、無償化というイメージとはまた違うのかなと思っただけなんですが、それはイメージの相違という理解ですね。

市長 今現時点で本市の取組を、繰り返しになりますが、申し上げます。昨年10月から第3子以降の学校給食費は免除しております。それに加えて、本来、学校給食法によれば、食材費については保護者負担をするということが原則になっておりますが、学校給食費の値上げというのを凍結し、この1億7,000万円については公費で負担をしております。この分が、言わば保護者からすれば負担の軽減が図られているということです。段階的に負担軽減を図っていると、言わば段階的な無償化です。今後については、しっかりと皆さんの声を聞きながら、どういう進め方がよいのかということは不断に研究しています。繰り返しになりますけれども、小学校から無償化するなんていうことは言った記憶がありませんのでご確認ください。

朝日新聞 全体の当初予算の一般会計のところで、冒頭に質問にもありましたが、厳しい財政運営の中で過去最大になったということで、必要な施策を盛り込んだ結果だとは思うんですけれども、改めて説明していただいてよろしいでしょうか。

市長 今回、やるべきことをしっかりとやるということに加えて、やはり国スポ・障スポの開催経費は、この6年度、次の7年度に関しては大きく影響していると捉えていますし、人事院勧告に基づき、人件費についても増嵩しているという状況ですので、こういうふうなものを重ね合わせて過去最大の規模になったと捉えています。

朝日新聞 今後ですけれども、何とか歳出を絞っていこうとか、そういう方針はあったりするんでしょうか。

市長 不断に行財政改革は進めていかなければいけないと思っていますが、それに加えて、この間、財政調整基金、また公共施設の整備基金を積み立ててきていますので、新たに策定した中期財政フレームの中では、基金を機動的に活用しながらしっかりと財政運営していくという方針にしておりますので、ここを取り崩すということは、貯金を取り崩すというよりは、これを前提としながらこれからも財政運営をしていかなければいけないと思っています。ただし行財政改革は不断に進めなければいけないと思っています。

朝日新聞 冒頭でも、1期4年のときには積立てしてこられたという説明があったんですけれども、どれぐらい積み立てましたか。

市長 総額で130億円です。

朝日新聞 国スポ・障スポなどには、基幹システムを整備したというものがあったと思うんですけれども、もうちょっと詳細な説明をしていただくこと可能でしょうか。

市長 これは国が進めている標準化ですので、これの対応を迫られていると。7年度中には完了せよというのが国の方針ですので、このことについては全国の市町村が取り組まなければいけないという状況です。

朝日新聞 13ページの子どもの意見を聴く取組ということですけれども、市長選のときにも佐藤市長が瀬田の子どもたちと交流されてという話があったかと思うんですけれども、市長自ら行って話を聴くような機会を考えていることとかありますか。

市長 今ご指摘いただいたのは、昨年の7月に瀬田北学区で「市長と語ろう、伝えよう」というイベントをやっていただいて、小学生、・中学生と意見交換をしたんですが、これ以外にも、先日も例えば総合教育会議において富士見小学校に赴いて、教育委員の皆さんとともに富士見小学校の児童と意見交換をさせていただいています。こういった取組も合わせながら、さらに組織として網羅的な子どもの意見を聴く取組を重ねるための、先ほど申しました第3次子ども・若者支援計画の策定に伴う取組であります。

朝日新聞 来年の春には、市民プラザにたねやさんがオープンする予定になっていますけれども、にぎわい創出のところに絡んでくると思うんですけれども、その周辺の対策というか整備というか、そのあたりのもので、今のところ予定しているものというのはありますでしょうか。

市長 サンシャインビーチにおける再整備で、隣接する駐車場の台数の確保ですとか、利便性向上を図るために一定必要な対策を講じるものです。

日本経済新聞 過去最大規模の予算になって、コロナがはけて過去最大というのは結構びっくりしたというか、積極型予算かとは思うんですけれども、歳入を見ますとやっぱり市税収入が落ちている中で、いわゆる依存財源がちょっと増えています。これが事実としてあって、このあたりは特に不安に思っていないという解釈でよろしいですか。

市長 今回、個人市民税については、落ちているのは定額減税による影響を反映している16億円を含んだ額ですので、これについては一定堅調に推移するものと見込んでおります。ただ中長期的な財政運営については、特に地方交付税について国がしっかりと措置をしていますのでこういった状況になっていますが、ここを絞られたときに、本市のみならず基礎自治体としては大変大きな影響を受けますので、国の動向にも注視する必要があると思います。

日本経済新聞 おっしゃるように、国が今回、地方交付税をかなり出しているという感じなんですね。だからこれがずっと続くわけではないし、市民税についても、個人市民税はそのとおりですけれども、法人については景気動向もあるし、人口もどんどん減っていきますので、大津はちまだちょっと少ないかもしれないけれども、ずっと伸びるという感じではないですよね。だから今はオーケーでも、やっぱり中長期的にはバランスというものを考えていかなければならないのかなというふうに思います。そういう認識ではありますよね。

市長 はい、もう本当にご指摘のとおりでありまして、ただやはり法人市民税のウエイトは我々にとっては、都道府県とは違いますので、個人市民税・固定資産税のところをしっかりと確保していこうと思うと、やはり人を呼び込み企業を呼び込んでいく、そういった中にあって、人を呼び込むのも現役世代をしっかりと呼び込む施策を重ねていく必要があると思います。

滋賀報知新聞 39ページ、公共交通に関して伺いたいんですけれども、地域バス路線の運行等でお話をいただいた京都比叡平線についてですが、改めてこの路線についてのメリットや期待、市長のお考えがあれば教えてください。

市長 京都比叡平線については、山中比叡平地域の皆さんの生活の足として確保しなければいけないと。一方で、やはり府県をまたいだ路線ですので、今回、地域間幹線系統として、京都府、京都市、滋賀県のご協力が得られてこの支援のスキームができたということは本当に大変感謝をしています。

滋賀報知新聞 公共交通のことは、市内各地域でいろいろな課題がまだたくさんあると、市民の声があると思うんですけれども、それらに対して、今後お考えがありましたら教えてください。

市長 まずは今ある地域公共交通をしっかり維持していく取組を続けていかなければいけないと思っています。このことをやはり続けなければ、おのずと撤退、路線バスで言えば減便、廃止に手をこまねいているような状況になってしまいますので、利用促進も含めて、支援に加えてそういった取組によって、まずは今あるものをしっかり守っていかなければいけないと思っています。そしてまた、新たにデマンド型乗合タクシーを導入した地域においては、これも利用促進というのが不可欠ですので、利便性向上を図ることによってしっかりと地域の住民の皆さんにご利用いただけるということを、先ほど志賀地域においてはウェブ予約を導入するということを申し上げましたが、こういった利便性向上の取組を既に導入した地域でも重ねていかなければいけないと思います。

京都新聞 財政調整基金に関して、中期財政フレームでは基金を取り崩すみたいなことをおっしゃったと思うんですけれども、それは1期目から方針が変わったということですか。大津市さんは結構、財政調整基金を着実にためてこられたような印象があるんですけれども。

市長 中期財政フレームについては、毎年度ローリングしていますので、それの最新のものの中では、今までは収支不足という形で示していましたけれども、そういうことではなく、基金も活用しながらしっかり財政運営をしていくということを中期財政フレームの中で、ローリングの中で改定をしております。

京都新聞 それはいつ改定されたんですか。

市長 昨年10月です。

京都新聞 それは財政運営のやり方、方針を少し昨年の10月から変えられたみたいなイメージでしょうか。

市長 そういう意味では変わった、変えたということです。

京都新聞 それは市長としてはどのような意思ですか。個人的には、基金を取り崩すのも、必要なときに取り崩すのはいいことだと思うんですけれども、どのような考え方で基金を取り崩すような方針に変えられたんでしょうか。

市長 基金を取り崩すというよりは、機動的に財政運営していく中で基金もしっかりと活用しましょうと。もちろん基金に積立てをしながら必要なときに取り崩すというやり取りを重ねることによって、しっかりとやるべきことをやっていく、今求められていることに対応していく、こういったやり方をしようというふうに中期財政フレームを見直しました。

京都新聞 市長のご意見としては、今までは少し硬直的なというか、取崩しが少なかったということでしょうか。

市長 今までは基金も少なかったので。基金がある程度の金額を積み立てることができましたので、これをしっかりと活用していくという取組に、徐々にこの1期4年間の中で変わってきたということです。

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