市長記者会見(令和6年3月28日)

更新日:2024年04月30日

  • 日時 令和6年3月28日(木曜)15時から
  • 場所 大津市役所 新館2階 災害対策本部室
会見で話す佐藤市長

市長説明

   皆さん、こんにちは。本日は、年度末の大変お忙しい中、定例記者会見にお集まりいただき、誠にありがとうございます。また社によっては、午前中、びわ湖疏水船の大津港延伸の第一便の取材を賜りまして、誠にありがとうございます。

 本日の発表事項に移ります前に、坂本城跡に関して申し上げます。ご承知のように、坂本城の三の丸のものと見られる石垣と堀が確認されたことを受けて、3月21日には土地を所有されている株式会社三王不動産流通と、坂本城跡の国による史跡指定に向けた覚書を締結いたしました。

発掘調査で見つかった石垣


 こうした中、市議会においては、3月25日付で滋賀県知事宛ての坂本城の遺構を後世に引き継ぐための取組を求める意見書が全会一致で可決されたところです。今般、本市といたしましても、滋賀県に対して、国の史跡指定に向けた協力や、県が主体となった湖中にある石垣の調査や保存などについて要望を行う予定をしております。日程等の詳細は、お手元の配付資料をご覧いただきたいと思います。

 なお先月、一部報道機関におきまして、坂本城跡で発見された石垣について、県が保存を検討していく考えを示したという報道がございましたので、要望の機会を捉えて、知事の真意をお伺いしたいと思っています。

 それでは、本日の発表事項について申し上げます。

 初めに、4月から開始いたします妊婦健康診査の無料化と産婦健康診査の助成についてであります。
   既に、このことについては、令和6年度の当初予算の中で発表しているところですけれども、詳細について、もう少し詳しくご説明いたします。

 まず妊婦健康診査につきましては、子どもを産み育てやすい環境をより一層整えるため、経済的負担を軽減するとともに、安心して出産を迎えられるよう、全ての方が健康診査を必要な回数受けられるようにしたいと考えています。

 これまで、本市の妊婦健康診査では、基本健診受診券の1回当たりの平均助成額が約3,500円でしたが、一方で多くの医療機関における費用は約5,000円となっているため、その差額について自己負担が発生しておりました。このため基本受診券を1回当たり上限5,000円に増額し、基本受診券14回と検査受診券、合わせて総額9万4,940円から総額11万8,360円に拡充します。さらに健診回数が増える多胎妊婦の方については、基本受診券を19回分として、総額15万3,960円とします。受診券対象となる健康診査内容において、この助成上限額を超えて自己負担された場合は、出産後に払戻しを行うなど支援してまいります。

 産婦健康診査については、産後2週間と産後1カ月健診において、それぞれ上限5,000円の受診券を交付します。対象となる妊婦健康診査は、令和6年4月1日以降受診分から、また産婦健康診査については、令和6年4月1日以降に出産された方を対象として開始することとしております。

 次に、これまでも何回も取り上げておりますけれども、今年1年はこれにお付き合いをいただきたいと思います。大河ドラマ「光る君へ」の放送を契機とした各種事業に関してです。大津市大河ドラマ「光る君へ」活用推進協議会における官民連携での取組については、これまでから幅広く取り上げていただき、誠にありがとうございます。

石山寺で開催されたオープニングセレモニーの様子
恋するもののあはれ展の会場の様子
大河ドラマ館3万人目の来館者


 まず、光る君へびわ湖大津大河ドラマ館と源氏物語「恋するもののあはれ展」は、令和6年1月29日のオープン以降、開館から25日間で来館者数1万人を達成し、3月8日には2万人、3月25日には開館から57日で3万人を突破しました。なお3月27日時点では3万1,000人余りとなっています。

 一方、ドラマでは4月14日の放送回において、いよいよ石山寺が登場すると伺っています。そこで、4月14日にNHK大津放送局と協議会の共催により、大津市生涯学習センターにおいてパブリックビューイングを開催します。ゲストとして、道綱の母、藤原寧子を演じる財前直見さんをお迎えしてトークショーも開催する予定となっています。観覧の申込みについては、4月7日まで、NHKさんのウェブサイトの専用申込フォームで受け付けているということです。

 続いて周遊キャンペーンについてです。3月1日から、石山寺や大河ドラマ館入館券など6種類のチケットのいずれかを、対象となる施設や店舗で提示することにより、割引やプレゼントなどの特典が受けられる周遊キャンペーン「しきぶら」が始まっています。さらに3月15日からは、市内の寺社仏閣、飲食店などを周遊いただき、その訪問数に応じてペア宿泊券や食事券などの商品が当たるデジタルスタンプラリー「しきぶらり~」が始まりました。こうした取組をきっかけにしながら、一人でも多くの方に紫式部ゆかりのまち大津に足を運んでいただくとともに、石山寺と三井寺、大津市歴史博物館といった拠点から、市内・県内への周遊を促進してまいりたいと考えております。

 また3月16日からは、瀬田川・琵琶湖リバークルーズも始まっています。四季折々の表情を見せます石山寺を瀬田川から望むだけではなく、1,000年前に紫式部が石山詣で体験した船旅を追体験して楽しんでいただけるものと思っております。

 続きまして、大津市歴史博物館における取組についてです。歴史博物館では、現在、特集展示「源氏物語と大津」を開催しておりますが、こちらも好評を博しております。

歴史博物館特集展示「源氏物語と大津」


 新たに4月27日からは、この特集展示と併せて、春季企画展「紫式部と祈りの世界」を5月19日までの会期で開催いたします。春季企画展「紫式部と祈りの世界」では、石山寺に伝わる紫式部の最古の肖像画である紫式部聖像とともに、紫式部が仕えていた藤原道長や彰子親子にまつわる品を展示するとともに、大津市内に伝わる同時代の仏像や経典なども展示することとしております。

 それでは、主な展示作品を紹介します。画面中央については、石山寺に伝わる最古の紫式部の肖像画「紫式部聖像」です。縦2メートルという大きさから石山寺でもほとんど展示されず、こうして展示されることは大変珍しいということです。向かって右は、藤原道長が奈良吉野の金峯山に埋納した経筒です。側面には道長による願文が刻まれており、国宝に指定されています。向かって左は、道長の娘、彰子で、ドラマでは藤原彰子ですけれども、彰子が作らせた経箱です。比叡山の横川に埋納されていたもので、こちらも国宝に指定されています。今回の展示につきましては、いずれもふだんは非公開となっている国宝2件に、重要文化財が7件、市指定文化財1件を含め17件が展示される予定となっています。この機会にぜひ会場に足を運んでいただき、ご覧いただきたいと思います。

 なお、今年10月には、秋季企画展として石山寺展の開催も予定しておりますので、こちらもお楽しみにしていただければと思います。私からは以上であります。

質疑応答

毎日新聞 少子高齢化が進んで、滋賀県も一時は人口が増えているときもあったりしたんですけども、私は個人的に減ったときの対応が遅れたんじゃないかと思っているんですけども、大津市も同じ課題、増やしていくことも結構しんどいと思うんです。一朝一夕に進むとは思わないんですけれども、何か隠し玉というか指摘があれば、ご説明をよろしくお願いします。

市長 本市におきましても、やはり令和4年に出生数は過去最少となりました。令和5年もほぼ回復をしていない中で、出生数の減少は本市においても大きな問題だと受け止めています。

 一方で、我が国として、この人口減少にどのように向き合うのかということは、例えば持続可能な社会保障制度の在り方とか、インフラの維持とか、こういったことにどのように向き合うのか、やはり国を挙げた議論が必要であると思っています。

 まずは基礎自治体である本市として、子どもを産み育てやすい環境づくり、これを整えることが重要だと考えており、これまでも総合計画第2期実行計画で、子育て支援や学びの環境づくり、健康長寿など、リーディングプロジェクトに位置付けて重点的に取り組んでいるところです。本日発表した妊婦健康診査の無料化や産婦健康診査の助成なども、こうした考えに沿って実施しております。

 一方で、人口減少への対応ということは、決して子育て支援の取組だけで充足するものではないと思っています。やはりまちの活力を維持しながら、市民の皆さんが年を重ねても安心して住み続けられるように、様々な施策を組み合わせていく必要があると思います。

 こういった中にあって、大津市の将来の人口推計は、総数としては大きく落ち込むことはありませんけれども、やはり年齢構成は大きく変わることが予測されていますので、こういったことにもしっかりと念頭に置きながら、これからの取組を進めていきたいと思います。なかなかこれだという決め手を見い出しているわけではありませんけれども、まずは一つ一つの取組を重ねていきたいと思います。

毎日新聞 自分自身が高齢者になって感じるんですけども、逆に高齢者は増えています。それを邪魔者扱いではなくて、少子高齢化というのは自分も使っていた言葉ですけども、高齢化に対して悪い印象を持っており、書いてはおりませんけれども、イメージがあるかなという気が今になって思うんです。高齢者を大切にするまちづくりをどういうふうに進めていかれますか。

市長 まず、年を重ねても活躍できるというところで、これまでも夢があふれるまち大津を目指すということで申し上げてまいりました。子どもたちに夢を持ってもらうことも大切ですけれども、やはり年を重ねても夢を持って活躍できるという中で、これから年齢が高くなる中にあっても、その世代世代で活躍できる、そういった場面・舞台をしっかりとつくっていかなければいけないと思っています。

 例えば、地域コミュニティの希薄化が進展するということが、ポストコロナ社会の課題として大きく顕在化していますけれども、やはり年を重ねた方の経験とか、またまとめる力、こういったものは地域コミュニティを活性化するためには本当に不可欠なものだと思いますし、先ほどの子育て支援の在り方も、決して行政と当事者のみならず、やはりこれは子育ての経験者だけではなくて、本当にベテランの方にもまだまだお力を借りていく場面はたくさんあります。

 明日で退任を迎えます杉江副市長も、4月以降はお孫さんの保育園の送り迎えをしっかりとするんだとおっしゃっていました。やはりまだまだ役割というのを、それぞれの場面、またそれぞれの地域においてつくっていきたいと思います。

中日新聞 今の質問にちょっと重なるとは思うんですけど、年度末ということで、進学とか就職で大津市を離れられる方が多いという気がするんですけど、そういった方に何かメッセージはありますか。

市長 直接、声を掛ける機会はなかなかありませんけれども、今日の発表の中でも様々取り上げましたが、特に大津の豊かな歴史文化をしっかりと誇りに、これから巣立っていっていただきたい。もちろん、大津で生まれ育った方のみならず、大津でお住まいになっておられた方も、大津はこんなまちだったんだという思いを胸に、また次のステージに旅立っていただければと思います。

中日新聞 大河ドラマ関連ですが、大河ドラマ館がすごい人気ということはよく分かったんですけど、周遊に関して何か感じている手応えはありますでしょうか。

びわ湖疏水船 大津港 航路延伸便就航記念セレモニーで話す佐藤市長

市長 今日のびわ湖疏水船の大津港延伸第一便にご乗船いただいた方は、首都圏からでした。京都とともに、この大津に足を運んでいただきました。京都と大津の観光の連携、そして同時に、びわ湖疏水船の大津港延伸という、新しい魅力に触れていただき、その後、「今から石山寺へ行ってきます」ということで、大河ドラマの関連展示をご覧いただけると。こういったことが実感として、今日だけでも午前中にそういうお話を伺いました。

   こういったものをしっかりと重ねていくことによって、今年、この大河ドラマを契機とした取組を、しっかり成果を上げていきたいと思っています。

中日新聞 先月、大津市のDX戦略の資料をいただいたんですけど、その中で生成AIは特に触れられてはいなかったと思います。今の大津市の生成AIへの考え方と、今後、何か新たに思っていること等がありましたら教えていただけるとありがたいです。

市長 本市におきましても、自治体専用ビジネスチャットツール「LoGoチャット」と連携した生成AIチャットGPTを活用したサービスについて、今年度は2カ月間ですが、情報政策部門を中心とした一部の所属において試験導入しました。この有効性を検証する中において、新年度はこのツールを全庁的に活用していこうと思っています。

中日新聞 それは全庁的に本格導入ということではないのですか。あくまで試験導入ですか。

市長 まず、段階を踏んで導入していきたいと考えておりますので、今年度については、この2カ月間の取組でしたけれども、新年度は全庁で試験導入するということで、次のステップに移ってまいりたいと思います。

読売新聞 びわ湖疏水船には、昨日に乗らせていただいて、魅力を十分体験させていただいて、これから大津のまちに観光の方がいっぱい来られることを期待したいと思います。明日に報道させていただくんですけれども、今回質問させていただきたいのが、国で議論されている民法改正の取組でして、養育費の取り決めについて、母子世帯は全国で半数だけで、受け取っているのが3割だけということで、養育費の受け取りが少ないことがひとり親家庭の貧困率を生む一因となっていると言われているんです。今現在、大津市では公正証書の作成のシートとか、養育費保証契約促進補助事業とかやっていらっしゃると思うんです。今、国が子どもの利益の確保を最優先せよという思いで民法改正をやろうとしているんですけれども、大津市内の現状というか、今後、市としてやるべきこととはどういったことか、市長の考えをお聞かせいただけますでしょうか。

市長 1期目に当たって、やはりこの養育費の確保というのは、特にひとり親世帯について大きな課題であるという中で、今ご指摘いただきましたような取組を導入しましたが、それだけで成果が出るものではありません。国の取組は国の取組として注視しながらも、やはり私たちは基礎自治体として、当事者に寄り添った支援というよりは、寄り添ってしっかりと悩みを把握しながら、それをどういうふうに解決に導くのかというところにつないでいく、そういったところに注力したいと考えておりますし、今もその取組に力を入れているところです。

読売新聞 この制度を知ってもらって相談にのるということは、こういう取組がかなり重要じゃないかと思うんですけども、他の自治体でしたら、その相談にのる方の人材育成の講座とか、離婚する前後の夫婦の方の講座とか、そういったことも開かれているんですけど、そういったお考えとか何かありますでしょうか。

市長 講座という前に、やはり相談にのる者がしっかりと資質を向上させていかなければいけない。もちろん、専門職が相談にのることができれればいいんですけれども、やはり専門的な研修を受けた職員がまず対応すること。それと同時に、その担当の所属だけではなくて、やはり戸籍住民課を中心とする戸籍の窓口とか、こういったところも関わりが出てきますので、庁内連携の中でしっかりとつないでいくということに心を砕いていきたいと思います。

共同通信 ちょっと全くお話は違うんですけれども、PTAに関してですけれども、PTAってそもそも任意加入であって強制的なものではないんですけれども、現状だとほぼ強制に近いような感じで、結構加入率が高かったりします。一方で大津市では、PTAをなくしたような学校もあったりして、もう自由だよということをしっかりという学校もあります。市長は、PTA加入についてどう思われますか。どう思われますかって、ちょっと抽象的な質問で大変申し訳ないんですが、PTAの在り方といいますか。

市長 大変難しい問題だと思います。今ご質問にありましたように、任意加入であるという前提に立ったときに、やはりその任意性をどういうふうに担保するのかという、まず入り口の問題があると思います。さりとて、じゃPTAが任意でありますから、全ての学校においてPTAがなくなってしまうということが本当に子どもたちの最善の利益につながるのかというと、また違った議論もございます。これは本当に当事者も含めて、それぞれの学校においてしっかりと議論しながら、それぞれに合った答えを見い出していかなければいけないのかと思います。 

毎日新聞 坂本城跡の保存というか、活用を目指しておられると思うんですけれども、保存のためには、やっぱりお金もかかりますよね。どれぐらいかかるとか、誰が負担するとか、知事に会われるから現金を出してねというのもあるんだと思います。どんな腹づもりなんでしょうか。

滋賀県の三日月知事と佐藤市長


市長 まずは国の史跡指定を目指します。国の史跡指定を受けるため、今、スピード感を持って取り組んでいるという状況です。国の史跡指定がなされれば、今度は土地の公有化ということになりますので、史跡の公有化については、国の補助金の枠組みも活用しながら進めていくことになろうかと思います。

   その先のことは、まずは国の史跡指定を目指すというところで、そこに今、ある意味でこれは必須条件ですので、このことに力を尽くしていきたいと思います。

 公有化について要望する点ですけれども、実は史跡の公有化に当たって、従前ですと県からの支援というものが一部ありましたが、この制度は、実は平成20年度からなくなっております。こういったことをやはりしっかりと、これだけ豊かな歴史文化を誇る滋賀県として、そういう県の対応でよいのであろうかという問題意識もあって、今回、この公有化についての支援も併せてお願いをしようと思っています。

読売新聞 平成20年度からは、県の何の支援がなくなっているのですか。

市長 史跡等公有化事業費ということで、基本的にはこれまでも答えているように、事業費の80%は国が負担していただいております。従前は国庫補助額を控除した額の3分の1を県が負担しておりましたが、これが今、凍結をされて実施されていないということです。

読売新聞 史跡指定をされた後の話で、国の事業費8割を除いた2割の3分の1を県が持ってくれたのが、なくなったということですか。

市長 そういうことです。

滋賀報知新聞 おととい、県庁で「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ実行委員会」の常任委員会が行われ、その場所で、ライドシェアについて審議されていたかと思います。実際、国スポを機にライドシェアを試行導入するかもしれないということについて、市長が思いであったり、期待であったり、ライドシェアについて何かあれば教えてください。

国スポ・障スポカウントダウンボードお披露目セレモニー


市長 まず、円滑な大会の運営に取り組む中にあって、この交通の問題は大変重要な問題だと思っています。実は、昨日も市長会議で説明いただいたところですけれども、まずはバスをどれだけ確保できるのかと。これは知事もおっしゃっていますけれども、やはり大阪・関西万博も開催される中にあって、まず時期が重なるこの国スポ・障スポの取組に、バスがどれだけ確保できるのか。

 昨日、説明を受けた中では、想定しているバスの台数の50%しか確保できていないということですので、まずはライドシェアに対する期待というよりは、国スポ・障スポを円滑に運営するために交通をどう確保していくのかという観点で、知事がライドシェアの導入も言及されましたので、どの程度の割合を占めるのか。そして、どの地域で活用されるのか。これについてはやはり大会を運営する中にあって、基礎自治体としても大変関心事であるということで、常任委員会の場で発言をさせていただきました。

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