大津市消防局「病院派遣型救急ワークステーション」
病院派遣型救急ワークステーションとは
救急隊員の知識・技術の向上を目的とした「教育」の拠点のことを言います。
消防機関が医療機関と連携し、病院内では医師・看護師の指導を受けながら、救急処置の実習や救命処置を行います。
実習中に救急要請があった場合は、救急隊は通常通りに出動し、同乗する医師や看護師からOn The Job Trainingとして活動内容に対する指導や助言を受けます。
医師が同乗することで、救急現場から高度な医療を提供することができます。

「病院派遣型救急ワークステーション」の運用状況
大津市消防局では、地域の中核病院である市内3医療機関と協力し、平成28年4月1日から県内初の「病院派遣型救急ワークステーション」を運用しています。
協力医療機関
滋賀医科大学医学部附属病院
大津赤十字病院
市立大津市民病院




救急隊員教育の有用性
平成29年度の運用状況において、救急隊員の実習項目は延べ3100回を超え、約180回のワークステーションで400件超の救急出動を計上し、教育拠点としての有用性が示されています。
救急救命士の技能向上に加え、救急救命士以外の救急隊員にも医学的知識及び技能習得の機会が与えられ、ワークステーション教育を継続することで、救急隊員全体の資質向上につながります。
救急ワークステーションに期待される効果
救急サービスをハイレベルに!
救急隊の資質向上により、市民の皆さんにより安全でより確実な病院前医療を提供することが可能となります。
また、より多くの早期医療介入を目指して、大津市全域をカバーするドクターカーとしての運用も実施しています。
救命率向上及び後遺症の低減
ドクターカーとして医師等が救急現場へ出動し、現場から早期に医療が開始されることにより、救命率向上及び後遺症の低減に寄与することが大きく期待されています。
なお、この際に医師が現場で開始する医療行為に伴う費用が発生する可能性について救急隊が説明を実施し、必要となる費用等の詳細は看護師等から紙面にて詳しく説明されます。
救命率向上と後遺症の低減に向けた取り組みに、ご理解とご協力をよろしくお願いします。
奏功症例
救急救命士の気管挿管と同時進行で医師が静脈路確保し薬剤投与するなど、医師との連携により現場で自己心拍再開した症例や、社会復帰できた症例など、奏功事例が報告されています。
救急救命士の処置範囲には制約があり、これを超える医療行為を現場で開始できることは、市民の救命率の向上に寄与できると共に、後遺症の低減や症状の軽快にもつながります。
大津市消防局「病院派遣型救急ワークステーション」資料 (PDFファイル: 3.0MB)