思わぬ転倒による「けが」を防ぎましょう

年間に1,000人超が救急搬送

ちょっとこけるくらい大丈夫?

その油断が思わぬ大きな「けが」に結びつくことがあります。

厚生労働省の国民健康生活基礎調査によると、介護が必要となる要因の約1割が骨折・転倒であるとされています。

「ちょっと気をつけておいたらよかった」と後悔する前に、転倒による負傷を未然に防ぐための「転ばぬ先の杖」少し気にしてみませんか。

転倒負傷のイメージ

 

 

大津市における救急出動の状況

大津市では、平成22年以降、毎年1,000人を超える方が転倒による負傷で救急搬送されており、その件数は近年、増加傾向にあります。

平成26年には年間の転倒負傷による搬送者が初めて1,200人を超えました。これは、平成20年に比べ約1.3倍増加したことになります。

転倒負傷搬送状況

大津市消防局における転倒負傷搬送状況(平成20年~26年)

 60歳以上が78.5%

また、大津市における転倒負傷の特徴は、60歳以上の方が78.5%と多数を占めること、男性より女性の方が重症の割合が高いことが特徴です。

転倒負傷(男性)

 

 

転倒負傷(女性)

大津市消防局における男女別転倒負傷搬送状況【程度別年齢区分別】(平成20年~26年)

女性は男性の4.5倍

 60歳以上の女性の方はご用心

女性は男性に比べて、転倒時における負傷程度が重くなる傾向にあり、特に60歳以上の女性の転倒時の負傷程度は同年代の男性に比べて高くなるといわれています。

大津市では、転倒負傷により、入院が必要となる中等症に分類される方のうち60歳以上の男性が占める割合は24.6%、60歳以上の女性は64.5%と約2.6倍の差があります。

同様に、30日以上の入院が必要となる重症に分類される方のうち60歳以上の男性が占める割合は17.6%であるのに対し、60歳以上の女性が占める割合は78.9%と、その差は約4.5倍にも広がります。

転倒負傷による搬送者に占める男女比及び入院の必要のない軽症に分類される方の男女比は、共に女性が男性の約1.3倍であることから、60歳以上の女性が転倒した際に負傷程度が重症化する傾向は、大津市においても同様であることがわかります。

程度別搬送状況

大津市消防局における転倒負傷搬送状況【程度別】(平成20年~平成26年)

 

予防が重要

転倒してしまうと、重症化リスクの高い高齢者や女性は特に転倒による負傷を未然に防ぐ取組が重要です。

転倒負傷(高齢女性)のイメージ

「転ばぬ先の杖」‐転倒負傷は予防することができます

普段の時こそ「転ばぬ先の杖」

普段からの安全対策で、転倒負傷を未然に防ぐことができます。

常日頃から続ける少しのこころがけで、いざという時に「転ばぬ先の杖」が役にたつはずです。

意外に多い「居室」での転倒

転倒負傷の件数が多い場所はどこでしょうか?

自宅の転倒で多いのは、「居室」が半数以上を占める53.5%、次に「廊下」12.7%、「庭」8.2%と続きます。

滑りやすい「洗面、浴室」は3.8%、「階段」は3.2%と比較的、件数は少なく、普段から気をつけていたり、手すりの設置が進んでいるところでは転倒負傷が少ないことがわかります。

過ごす時間が長いリビング、ダイニングや寝室などでは、転倒の危険を排除することで転倒負傷を防ぐとともに、手すりの設置や、室内用の「杖」を使用するなど、転倒しにくい環境づくりに努めましょう。

転倒負傷受傷場所(自宅)

大津市消防局における転倒負傷受傷場所区分【住宅】(平成20年~平成26年)

 

道路での転倒は2次災害の危険も

自宅以外の転倒で多いのは、道路、歩道等が45.7%と半数近くを占め、老人ホーム等11.2%、各種店舗等10.4%と続きます。

道路、歩道などでは、転倒後に他の通行車両等との接触等による2次災害にも注意が必要です。

また雨の日など、濡れた路面やマンホール、白線の上などは滑りやすくなっています。歩きなれた道でも、天候により滑りやすい場所に注意しましょう。

転倒負傷受傷場所(住宅以外)

大津市消防局における転倒負傷受傷場所区分【住宅以外】(平成20年~平成26年)

 

転倒しにくい環境作りを

段差による転倒負傷

「段差」に注意

階段や浴室などは誰もが気をつけています。普段何気なく過ごしているときに多いのが、居室などに存在する「少しの段差に気付かず」、つまずくことです。

敷居やふすまの桟、畳の上敷きなど、ほんの少しの段差を見落とさないことが重要ですが、段差の解消を講じたり、容易に環境整備が出来ない場合は、目印をつけておくなどで、転倒しにくい環境作りができます。

 

「すべる」ものに注意

台所や浴室など、ぬれた床面は滑りやすく、注意が必要です。 

また、床面に置かれた新聞紙などの紙類、シャツやタオルなどの衣類、ビニール袋などで足を滑らせ転倒することも多く、滑る原因となるものを床面に置かないことで転倒しない環境作りに努めましょう。

屋外では、雨の日のマンホールや白線の上も滑りやすく注意が必要です。また、落ち葉の上なども足を滑らせることがありますので、ご注意下さい。

 

「かたづける」ことで転倒予防

床に置きっぱなしにしたスリッパや座布団、無造作に床面をはうコンセントのコードなどに足をとられ転倒することがあります。

足を乗せて滑ってしまうものは、こまめに片付けたり、電気コードをまとめるなどして転倒の要因となるリスクを取り除きましょう。

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