窒息や誤飲による事故を防ぎましょう

年々増加傾向

大津市における救急出動の状況

食べ物などを喉に詰めてしまう「窒息」、異物などを誤って食べたり飲んだりしてしまう「誤飲」、「誤食」による救急出動は、年間約60件程度あり、平成26年には64人の方が救急搬送されています。

これらの事故は年々増加傾向で、平成10年に27人であった救急搬送者数は、この十数年の間に2倍以上に増えていることが分かります。

窒息等による救急搬送状況

 大津市消防局における窒息、誤飲、誤食搬送状況(平成10年~26年)

 

他の事故に比べ重症化率は高く注意が必要

食べ物や異物が空気の通り道である「気道」に詰まってしまうと、呼吸停止から心停止に至ることもあり、重症化率は23.9%と高く、他の事故に比べて高いのが特徴です。

窒息のイメージ

喉につまりやすいものは?

やはり多い食べ物もの、意外に少ない食べもの 

喉に詰めてしまう食べ物でイメージするもの。多くの方が「餅」や「こんにゃく」を思いうかべられるのではないでしょうか。実際に、窒息の原因が「餅」であったのは19.1%と最も多いのですが、実は、こんにゃくが窒息の原因となった割合はわずか0.8%に過ぎません。

窒息の原因で上位を占めるのは「餅」19.1%、「パン」13.0%、「肉、ハンバーグ」10.8%、「飴」10.0%、「ご飯、おかゆ」6.9%、「果物」5.0%と、普段食べ慣れたものが多く、これらで全体の64.8%を占めます。

窒息原因

大津市消防局搬送症例における窒息原因一覧(平成10年~26年)

 

食べ慣れたものにも注意が必要

原因の2割近くを占める「餅」については、1月と12月に64%が集中するなど、年末年始のイメージが強い一方で、残りの36%は1年を通じて発生しているのが現状です。日本の伝統食であるお餅を安全に食べ続けられるように、常日頃から少し気をつけておく必要があります。

また、こんにゃくなどの喉を詰まらせるイメージのある食べ物は「喉に詰めないように」と気をつけて食べることから、実際には事故が少なくなっています。

普段食べ慣れたものにも、少し注意することで窒息を未然に防ぐことができます。

窒息(餅)のイメージ

60歳を越えたらご用心

「私は大丈夫」、「まだまだ、そんな歳じゃない」、その油断に注意が必要です。

皆さんも慌てて物を飲み込んだときにむせこんだりした経験はありませんか?

食べ物が通る食道と空気の通り道である気道の入り口は密接しているため、ふとした拍子に気道に入り込むことは決して珍しいことではありません。 

また、年齢とともに、物を飲み込む嚥下機能が低下するといわれています。年代別の搬送状況を見てみても、中等症以上の方のうち、94.6%が60歳以上の方です。60歳以上の方は、特に普段から気をつけていただくことが重要です。

年代別搬送状況

大津市消防局における年代別送状況【程度別年齢区分別】(平成20年~26年)

 

窒息を防ぐために

食べ物は食べやすい大きさにして、よく噛んで食べること、そして、食事の際は、できるだけ誰かがそばにいて見守ることが重要です。

未然に防ぐために

無理なく噛める一口サイズ

食べ物は食べやすい大きさにすること、 一回に口に運ぶ量は無理なく食べられる量にしましょう。

しっかり噛もう30回

食べ物はしっかり、よく噛んで食べましょう。細かく噛み潰すことができ、唾液ともよくまざります。一口あたり30回噛むことを目標にしましょう。

軟らかいものにもご注意を

ご飯やパンなど粘り気のある食べ物などは噛み砕きにくく、大きな塊のまま喉に入ってしまい、喉に詰まることがあります。軟らかいからと油断せず、よく噛んで食べましょう。

また、お餅等はできるだけ小さく切り、よく噛んで唾液とまぜましょう。お茶や水を前後に飲むことで口を潤すこと、一人で食べない、誰かと一緒に食べることも有効です。

小さなお子様にも注意が必要です

乳幼児には周囲が注意を

高齢者とともに気をつけなければいけないのが乳幼児の事故です。

乳幼児で窒息が起こりやすいのは、臼歯が生え揃うまでは食べ物を噛んですりつぶすことができないこと、また、食事中に遊んだり泣きだしたりすることも窒息のリスクとなります。

また、乳児は手に取ったものは何でも口に持っていくことがあり、トイレットペーパーの芯を通り抜ける大きさのものは口に入れてしまいます。おもちゃや飴玉、硬貨類などが窒息の原因となることもありますので、小さなお子様がおられる家庭などでは、子どもの手の届くところに小さなものは置かないなどの配慮が必要です。

乳幼児誤食のイメージ

たばこの浸潤液には特に注意!

誤飲、誤食で最も多いのは「たばこ」で41.4%と大半を占めます。

特に危険なのは、たばこそのものの誤食よりも、たばこの吸殻が浸かった浸潤液です。灰皿などでたばこが水に浸かっていた場合には大量のニコチンが溶出されるので、たばこ浸潤液を誤飲すると重篤な中毒作用が現れるとされています。

喫煙される方は特にご注意下さい。

 

誤飲誤食

 大津市消防局搬送症例における誤飲、誤食原因一覧(平成10年~26年)

 

「ものが喉に詰まった」その時は

もしも喉にものがつまったら

喉に詰まったものを取り除くには、、喉にものを詰めた人の背中(肩甲骨と肩甲骨の間)を、その場に居合わせた人が、手のひらの付け根部分で力強く何度も叩きます。

詰まったものが取れるまで繰り返しますが、意識をなくした場合は直ちに胸骨圧迫(心臓マッサージ)を開始して下さい。

胸骨圧迫(心臓マッサージ)の方法は以下のリンクをご参照ください。

大事なことは予防すること

何より大切なのは、窒息などの事故を未然に防止することです。日常の食事が人生の危機を招くことのないように、常日頃からの小さな心がけが大切です。
まずは自分から窒息を未然に防ぐための取組を始めましょう。

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