大津商業高校における出前講座

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今回の出前講座は、介護ツアーを企画する生徒の皆さんを対象に実施しました。介護ツアーを企画実施するにあたり、どのような点に気を付けて、どのように高齢者をサポートするかを、生徒自身が体験しながら学びました。今後、9月に介護ツアーの行き先を決定し、11月に高齢者と一緒に介護ツアーを実施されます。
授業の流れ
1 講話(15分間)

- 「長等の里」とはどんな所?
高齢者を介護する施設です。地域とのつながりは大切であると考え、積極的に地域に出向いて、地域活動に取り組んでいます。
- 高齢者の特徴について
年をとると、視力・聴力・筋力・記憶力など、様々なところが衰えてきます。でもサポートしてあげることによって、普段の生活ができたり、今回の介護ツアーのように旅行に連れて行ってあげたりすることができます。
2 体験してみよう(25分間×2種類)
高齢者疑似体験
車椅子体験
3 グループワーク(10分間)

- グループごとに、それぞれの体験で「自分が介助側をした感想」、「自分が高齢者側をした感想」や全体の感想、また、今後実施予定の介護ツアーで実践しようと思うことなどを話し合いました。
4 発表(5分間)
自分が介助側をした感想
- 高齢者の腰が曲がっていたので支えるのが難しく、歩くスピードなど苦戦した
- 砂利道は車椅子を押すことが難しかった
- どこに段差があるかなど、気を付けることは注意深く確認して漏れがないようにしたいと思った
- 聴力が低下しているのでいつもより大きな声を出さなければいけないと思った
- 高齢者は動くスピードが遅いので、自分もゆっくりと動いてあげることが大切だと思った
- 少しの段差でも車椅子をあげることは怖かった
自分が高齢者側をした感想
- 杖をついている状況では前が見えず、手すりや階段が見えにくく、声をかけてあげて安心させてあげることが大事だと思った
- 車椅子で段差を降りることが怖かった
- 階段の上り下りの終わりがわからなくて、声掛けが重要だと感じた
- 段差の部分を車椅子で上がるのは怖かった
先生からのアドバイス
高齢者も介助される側として不安や怖さがある。今日教えてもらったことを生かしてサポートすることが大事。介護ツアーに向けて、高齢者が満足するサービスを提供してほしい。
5 振り返り・まとめ(10分間)
体験で学んでいただきましたが、本当に声掛けはとても大事で、そこをおろそかにしてしまうと高齢者と遠い関係になってしまいます。
年齢を重ねると誰でも衰えてきます。高校生の皆さんも、いつかは衰えてきます。日本はこれからさらに高齢化ばかりの社会になっていきます。高齢者を支える介護人材も少なくなっています。将来、皆さんが社会に出たときに、介護の仕事をしていなくても、高齢者と関わることは絶対にあります。家族を介護することもあります。高齢者にならないと、高齢者の気持ちはわからないかもしれませんが、どういう思いでおられるのか、どこに不安を持たれているのか、高齢者に寄り添うことは誰にでもできるので、今日の体験を生かしてほしいと思います。

高齢者のできない部分を補ってあげれば、自分でできることは自分でされます。私たちは、食事や排せつの介助だけでなく、気持ちの面でもサポートしています。生きがいとされていることをサポートすることも、大事な仕事だと思っています。
皆さんが企画されている介護ツアーも、参加される高齢者の生きがいとなっていると思います。高齢者の方が衰えたからできないのではなく、サポートしてあげれば、できることがたくさんあります。これも「介護の仕事」です。
できないことを補うことだけでなく、よいところを伸ばすことも大事にしています。介助するときに、何でもやってしまうことがあります。できることは自分自身でしていただくようアプローチすることも大切です。
介護の仕事をしたきっかけ
25年前に介護保険が始まりました。日本で介護が当たり前になってきました。これから介護の担い手が必要になる、人の役に立ちたいと思い、専門学校で学び、介護職となりました。実際、仕事は大変ですが、「介護の仕事」は人と関わる仕事で、高齢者の皆さんからはいつも「ありがとう」と感謝されます。本当にうれしく思います。
生活面や気持ちの面でもサポートできた時には、ありがとうと笑顔で言ってもらえ、また明日から頑張ろうと思います。私も20年間、介護の仕事をしていて、この仕事を誇りに思っています。
新しい介護職員が思う「介護の仕事」
皆さんの1つ上の学年の方が長等の里に勤務されています。その職員に介護の仕事のやりがいを聞くと、「やりがいしかない」と答えました。その理由を聞くと、高齢者の方で、サポートしないと何もできない方もおられ、介護職員は食事やトイレの介助をしています。私自身がやっていることは、その高齢者の役に立つこと全てであり、自分の存在が、その方が生きるための全てであり、「やりがいでしかない」と言いました。
まとめ
皆さんの周りや地域には、高齢者だけでなく、障がい者、妊娠した方、赤ちゃんなど、生活にハンデを抱えている方がおられます。皆さんは不自由なく過ごされていると思いますが、そうのような方々はサポートが必要です。そのような困っている人がいたら気づいてあげてください、そして、助けてあげてください。皆さんがサポートする人になってくれれば、とてもあたたかい地域になると思います。皆さんが企画している介護ツアーも、高齢者をサポートする、高齢者の生きがいにつながる、とても素晴らしいものだと思います。無事に成功して、参加される高齢者の方が楽しく過ごされることために今回の出前講座を生かしてもらいたいと思います。
受講生アンケート結果
受講前
「介護の仕事」への興味・関心
とても持っている 1人 6%
少し持っている 4人 22%
どちらでもない 5人 28%
あまり持っていない 6人 33%
まったく持っていない 2人 11%
受講後
「介護の仕事」への興味・関心の変化
高くなった 44%
少し高くなった 50%
変わらない 6%
出前講座は「介護の仕事」に興味・関心を持つことにつながると思うか
思う 61%
少し思う 39%
高校生が思っている「介護の仕事」のイメージ
今回の出前講座を受講した高校生に、「介護の仕事」のイメージを聞いたところ、「体力的にきつそう」、「人の役に立つ仕事」、「大事な仕事」の順に多い回答となりました。(複数回答)
体力的にきつそう 15人
人の役に立つ仕事 14人
大事な仕事 12人
精神的にきつそう 9人
難しそう 7人
やりがいのある仕事 4人
優しそう 4人
汚い仕事がありそう 4人
夜勤が多そう 3人
給料が安そう 3人
専門的な仕事 2人
楽しそう 2人
自分が成長できそうな仕事 1人
高校生から介護職員の皆さんへのメッセージ
- 素晴らしい職業だと知りました。頑張ってください
- 講座を受けて今までより高齢者の方に関心が持てるようになりました
- たくさん大変なことがあると思いますが、がんばってください
- 介護について教えてくれたおかげで将来不安なことが少し減った気がします。ありがとうございました
- たいへんなこともあると思いますががんばってください
- すごく大変な仕事だとわかりました
- これからもFightです
- 体力がとてもある。精神力がある
- 大変な事も多いと思いますが、頑張ってください
- すごく大事な仕事だと知った
- 大変なこともあると思いますが、頑張ってください
- 大変だと思うけど、頑張って下さい
- 頑張ってください
- 確かにやりがいが多い仕事だと思いました
- がんばってください
- 尊敬します
- 頑張ってください
この記事に関するお問い合わせ先
健康福祉部 介護・福祉人材確保対策室
〒520-8575 市役所本館3階
電話番号:077-528-2803
ファックス番号:077-524‐4700
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更新日:2025年03月19日