介護・福祉人材確保対策 南郷中学校における出前講座について

- 期日:令和6年11月26日(火曜)
- 時間:1~6校時(1クラス2時間)
- 場所:被服室及び各教室
- 学年:1年生(約150名・5クラス)
- 講師:特別養護老人ホーム千寿の郷、大津市社会福祉協議会
- 内容:高齢者の方との接し方について
授業の流れ
1 高齢者疑似体験(50分)
導入
- 講師・施設の紹介
「千寿の郷」は、おじいちゃん、おばあちゃんが生活している施設で、特に行事に力を入れています。「マグロの解体ショー」や保育園の子どもたちとさつま芋を植え収穫したり、竹を削って台を作り流しそうめんをしたり、さまざまな行事を行っています。
- 高齢者の心身の特徴(年をとることによる心や体の変化)について
年を重ねると目が見えづらくなる、耳が聞こえにくくなる、腰が曲がる、筋力が衰えるなど体に変化が出てきます。お年寄りがどんな感じで生活しているのか、体験してみます。
高齢者疑似体験
- 高齢者疑似体験グッズを着用し、廊下や階段を歩く
腰が曲がった状態にするベルト、左まひの想定で左手首左足首におもりと関節が曲がりづらい状況にする膝パッド、見える範囲が狭く色がついていて周りが見づらくなるゴーグル、聴覚を遮断するイヤーマフ、手の感覚がにぶくなる軍手を着用した高齢者役と、介助者役の2人1組で体験を実施。
講師による実演
高齢者疑似体験の様子(廊下を歩く)
高齢者疑似体験の様子(階段の上り下り)
- 衣服の着脱介助をする
片まひを想定した上衣の更衣介助を高齢者役・介助者役の2人1組で実施。
講師による着脱介助の実演
着脱介助体験の様子
着脱介助体験の様子
2 高齢者に扮した講師による寸劇・グループワーク(50分)
- 講師が高齢者に扮し、いくつかの事例をもとに演じる
- 事例のように高齢者が困っている場面で、どのように対応すればよいと思うか、グループに分かれて話し合う
- グループの代表者が、話し合った内容で実際に高齢者のサポートを行う
- 講師によるコメント
(いくつかの事例について、1~4の流れで実施)
【事例(一部)】
- 83歳男性。妻のことが大好きで優しい。定年後脳梗塞になり、その後遺症で左腕と左脚が動かしにくい。一人でスーパーマーケットに買い物に来たが、欲しいものが高いところにあり手が届かず困っている。
- 72歳女性。30歳で離婚し、女手一つで三人の子どもを育て上げた。33歳ごろからめまいを繰り返したが、子育てと仕事が忙しく病院に行けず、耳が聞こえにくくなった。
グループワークでは、その場面を想像しながら、それぞれの高齢者の性格や好きなことなどの情報を生かし、対応策を考えました。
グループワークの様子
発表の様子
講師による対応例の実演
講師(介護職員)から生徒へのメッセージ
介護職員になったきっかけ
- 始めはこの仕事が自分にできるかわからなかった。「やってみてできなかったら辞めたらいい」と当時の施設長に言われ、介護の仕事を始めてみた。始めてみると、仕事を教えてくれる先輩方からいろいろな情報や考え方を聞けて、本当に楽しかった。高齢者の方と接するのも楽しかった。「あなたがしてくれたの?ありがとう」と時に涙してくださる。こんな私が涙して喜んでもらえるのか、そんなことがきっかけでこれまで介護の仕事を続けている。
- 目指していた職業に就くことができたが、体の故障で続けられなくなった。その後、いろいろな仕事を転々としていたが、母が介護の仕事をしていたのをきっかけにこの仕事を始めた。これまで介護の仕事をしんどいと思ったことはないが、何年経験しても「亡くなる」ことには慣れることができない。高齢者施設では今日元気に話していた方が次の日に亡くなることがある。そのときに「もう少しこうしておけばよかった」とずっと後悔してきた。最近、自身の祖母が亡くなったが、施設のおじいちゃんやおばあちゃんに「そんなふうに後悔しないように、自分のおばあちゃんにやれることをしっかりやりなさい」と言われた。そのおかげで、祖母にはやりきることができた。そのときに介護の仕事をしていてよかったと強く思った。高齢者の方々の言葉で自分の心が動いて体が動く、なかなかそんな仕事にたどり着けることはない。
メッセージ
- みなさんはこれからいろいろ勉強して、どんなに分野に行くか考えると思うが、興味があったら福祉の仕事、福祉の勉強、そして施設をのぞいてみようかなと興味を持ってもらえればありがたいです。
- なりたい職業が決まっている人もいれば、まだ夢がかたまってない人もいると思う。諦めないでほしい。ずっとやり続けていれば何かしら形になる。夢を諦めずに頑張っていってください。
このほかにも、講師お一人おひとりから、介護の仕事に就いたきっかけや生徒のみなさんへのメッセージをお話いただきました。
受講生アンケート結果
受講前
「介護の仕事」への興味・関心

- とても持っている 3人 2%
- 少し持っている 32人 25%
- どちらでもない 31人 24%
- あまり持っていない 40人 31%
- まったく持っていない 24人 18%
受講後
「介護の仕事」への興味・関心の変化

- 高くなった 46人 35%
- 少し高くなった 62人 48%
- 変わらない 15人 11%
- 下がった 1人 1%
- 無回答 6人 5%
出前講座は「介護の仕事」に興味・関心を持つことにつながると思うか

- 思う 66人 51%
- 少し思う 38人 29%
- どちらでもない 16人 12%
- あまり思わない 3人 2%
- 思わない 1人 1%
- 無回答 6人 5%
中学生が思っている「介護の仕事」のイメージ
今回の出前講座を受講した中学生に、「介護の仕事」のイメージを聞いたところ、「人の役に立つ仕事」、「大事な仕事」、「難しそう」の順に高い割合の回答となりました。(複数回答)
- 人の役に立つ仕事 113人
- 大事な仕事 88人
- 難しそう 82人
- 精神的にきつそう 74人
- 体力的にきつそう 65人
- 夜勤が多そう 55人
- やりがいのある仕事 43人
- 汚い仕事がありそう 41人
- 専門的な仕事 36人
- 優しそう 36人
- 給料が安そう 34人
- 自分が成長できそうな仕事 28人
- 将来性がありそう 8人
- 楽しそう 6人
- わからない 2人
この記事に関するお問い合わせ先
健康福祉部 介護・福祉人材確保対策室
〒520-8575 市役所本館3階
電話番号:077-528-2803
ファックス番号:077-524‐4700
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更新日:2025年04月09日