「文学のまち大津」インタビュー:扶桑書店 桑野寛孝代表
「文学のまち大津」インタビュー集。大津市内で文学に関する活動を続けている人を訪ねて取材をしています。
今回は、アルプラザ堅田店内の扶桑書店・代表、桑野寛孝さんにお話を伺いました。書店経営のやりがいや苦労など、当事者ならではの内容をたくさんお聞きすることができました。
インタビュー
ー 書店経営の方針、醍醐味など教えてください ー
店舗経営の理想として「派手さより肩肘張らない居場所」を目指しています。ご存じの通り経営環境は厳しさを増すばかりですが、待ち合わせや時間つぶしも受け入れて自然と笑顔の広がるなごみの場としてもらいたいです。遠方の大型店に行きづらい高齢者や学生の皆さんたちにも必要と言われる存在であり続けたいですね。コロナ禍では巣籠り需要で本の価値が再評価された面もあり、悪いことばかりではありませんでした。
長期にわたって書店を続けていると、子どもの時に通っていただいたお客さんが成長して家庭をもってまたお子さんを連れて来ていただいたり、学生時代にアルバイトされていた方が帰省の折に訪ねて来られたり、世代を超えて人的なつながりを得られることがうれしいですね。


ー ご自身の子ども時代は、どんな少年でしたか ー
本好きな親父が書店を始めたので、創業家の長男としてある意味「本屋をついで当たり前」の環境で育ってきました。配達や納品の手伝いをしてきて、本が周りにあるのも「当たり前」、特に損も得も考えたことはないですね。そんなことで、街のいたるところで本屋の息子として「顔が知られている」状態であり、自分も商売を始めてからは生活圏で学校とかの公共機関に出入りさせてもらって、地元地域を意識するということにはつながりました。
ー 書店を継承されてからの歩みはどうでしたか ー
最初は国道沿いの路面店でしたが、以前の平和堂店舗に出店させてもらって、その後アル・プラザに建替えられてからも18年になります。湖西線沿いでは希少な駅近かの大型商業施設内書店として、地域の認知と信頼を築けてきました。接客は「いらっしゃいませ」の定型よりも時間帯に応じた挨拶にしたり、自然な笑顔と和気あいあいの雰囲気作りを重視しています。
マニュアルは最低限にして、現場で見て覚えて柔軟に対応することを求めています。情報豊富な時代でお客さんの方がよく知っておられるような時代ですからね。それでも略称や俗称でしか覚えておられないような本でも、検索や確認が迅速に行えるとか、リアル書店ならではの強みも発揮したいですから。
ー 品揃えなどに特長はありますか ー
立地条件に合わせた品揃えを意識しています。高校生の皆さんにはよく利用いただいているので参考書・教科書関係を充実させています。ショッピングビルの中という立地上、ファミリー層のご来店も多いので、児童書・絵本も意識して揃えています。
高齢者にはクロスワード雑誌なども相変わらず人気ですし、NHKテキストや語学関連などは定期購入してくださっている方の継続的な来店につながっていますね。教科書供給はもう30年以上の実績がありますし、その手数料収入だけでなく、付随して参考書や図表などの副教材販売も安定需要になっています。何でもデジタル化の時代ですが、実店舗ならではの学習支援という役割もあるのではないかと頑張っているところです。
ー 書店経営の厳しい経営環境 ー
本が売れない、ネットで注文の時代ですから、リアルの書店は非常に厳しいところがあります。今ちょうど滋賀県の主導で「書店振興プロジェクト」が始まったところです。11月~2月の期間にいろいろなイベントがあるのですが、この扶桑書店でも特設コーナーに推薦図書を並べて目立つようにレイアウトしています。
ー 「文学のまち大津」に関して ー
「成瀬シリーズ」の宮島先生、石山寺の大河ドラマ、近江神宮のアニメ・ドラマのちはやふるなど、大津はここ数年文学にも注目が集まっているところですが、ちょうどこの12月に成瀬シリーズの完結編が出たので、ぜひ関心を持ってもらいリアル書店でお買い上げいただきたいです。
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更新日:2026年04月22日