第74回大津市美術展覧会(令和6年度)開催結果(第2部:洋・版画の部)
第2部 洋・版画の部
審査員
入佐 美南子氏、平岡 靖弘氏
総評
今回の大津市展は昨年に続き、新しい表現方法の作品の出品が多く見られ、油彩だけでなく、水彩の繊細な表現で大きな画面に挑戦された作品や、独特な技法、マチエールで表現された作品もあり、興味深く拝見させて頂きました。昨年よりU-30の高校生出品者が増え、今後が期待される展覧会となりました。
市展賞

題名
旧階段
作者
大西 隆夫
作品評
廃墟内を俯瞰した構図は重苦しい空間になる所だが、左から射し込む“光”が潤いを与え、心に迫り、インパクト性が高く力強い作品となっています。技法上、独自のハッチングや点描(砂子)、更にはマスキング法と触覚的にも臨場感あふれた物創りとなりました。
大津市議会議長賞

題名
くさむら
作者
加地 篤
作品評
何気なく見過ごす風景に着眼され、うたい上げられた作品は、とても心温まる美しい表現となりました。
(作者はおだやかで物静かな人なのでしょうか、それともエマルジョン(水彩絵具)絵画の効果でしょうか?)
大津市教育委員会教育長賞

題名
秋陽潺潺
作者
砂田 智司
作品評
秋の陽がさす水辺の光景が、繊細なタッチで描かれ、中央の切り株や手前の映り込みの表現、奥の方の木立の表現など、遠近の構成、奥行きが考慮されています。巧みな技法に加え、色彩も魅力的でインパクトのある作品です。
朝日新聞社賞

題名
風薫る山里
作者
黛 福信
作品評
山里の家々と新緑の山並みが描かれた作品です。奥深い山里の原風景として、中景の山里や木立の表現が、水彩の繊細な技法で優しい表現となり、爽やかな印象の好感がもてる作品です。
エフエム滋賀賞

題名
こんや見る夢
作者
木村 貞
作品評
明るい色調で、多数の動物や植物が構成された作品で、見る者を和やかな気持ちにさせる作品です。動物達の表情や画面構成など、平和を祈る作者の心情が伝わってきます。
KBS京都賞

題名
堅田漁港
作者
池口 すゑ子
作品評
漁港の網をモチーフに多彩な色で表現された作品です。網の細かい表現も密度が高く、多色の色使いと、技法的にも工夫がなされ、網の流れと存在感が表出されています。
中日新聞社賞

題名
帰郷
作者
山田 憲孝
作品評
点景として人物の後ろ(背中)姿を描き、心のすべてを物語らせ、見る人の心に響く何かを考えさせてくれる秀作となりました。プラットホームや街に射し込まれた“ぬくもり”ある光と、すみずみまで配慮した丁寧な描写効果が一層作品の奥にある思いを高めています。
読売新聞社賞

題名
遊びの時間
作者
木村 順一
作品評
楽しくもあり曖昧な世界の向こうに“光”の世界を求める姿が美しく語られた情景描写となっています。そして、グレー(闇)のトンネルの先には、まだまだ現代社会の不安な情勢や問題点が立ちはだかり、それらを乗り越え更なる明るく広い世界を見つけられると良いですね。描写力のある人だ!表現意図(思い)をもっと前面に打ち出す為の冒険も試みて下さい。
佳作
題名 | 作者 |
---|---|
湖へ | 徳山 綾子 |
煙突のある風景 | 安原 篤司 |
たゆたう | 坂口 郁子 |
六月 | 石橋 国夫 |
通りゃんせ | 井隼 千紗 |
U-30奨励賞

題名
もう一度
作者
森下 優風
作品評
画面一杯に捉えられた表現は心にせまる迫力ある(表現)作品となりました。色彩と共に形態表現に独自のイメージ効果が現れ美しい!今後も花火をテーマ(モチーフ)に、マテリアルにも工夫を加え、枚数を重ね、描き続けてみて下さい。更に心に響く魅力ある作品が現れることでしょう。
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更新日:2024年07月09日