第75回大津市美術展覧会(令和7年度)開催結果(第2部:洋・版画の部)

更新日:2025年07月18日

第2部 洋・版画の部

審査員

 平岡 靖弘氏、蛭田 均氏

総評

油彩画に負けず劣らずのレベルの高い水彩画の大作による力作の出品が多かったです。時間をかけて丁寧に仕上げられた作品が多く見応えのある難しい審査となりました。何を表現したかったのか主題がしっかりしている作品や光の明暗が捉えられている作品、構図の作り方が良い作品などが賞に繋がる結果となりました。
 入選者の中にも魅力的なものもありましたのでまた来年に期待します。

市展賞

第75回大津市美術展覧会 洋版画部門 市展賞

題名

 夜まつり

作者

 田中 美智子

作品評

 力強いお祭りの瞬間を見事に捉え勢いのある作品です。人物の動きや上半身に炎の光が写り込んでいるところなど実にリアルに表現されています。また、暗い背景の中に木の枝を描くことでより動きがある空間となりました。

大津市議会議長賞

第75回大津市美術展覧会 洋版画部門 大津市議会議長賞

題名

 水面の調べ

作者

 黛 福信

作品評

 水面に映る樹影の美しさと波紋を丁寧かつ繊細に捉えられ、その場(空間)の爽やかさが明快に現された作品となりました。今後も自然と対峙し描かれる中でいろいろと学んでゆかれることでしょう。

大津市教育委員会教育長賞

第75回大津市美術展覧会 洋版画部門 大津市教育委員会教育長賞

題名

 朝陽

作者

 徳山 綾子

作品評

 透明感のある光溢れる棚田の中に作業をしている人が上手く溶け込み、より一層美しい情景を引きたてた作品です。棚田の水面に映っている光を表現豊かに描き込んでいます。また、新緑の柔らかな日差しのある空間を前後の奥行きと明暗対比により巧みに表現しています。

京都新聞賞

第75回大津市美術展覧会 洋・版画部門 京都新聞賞

題名

 情調の刻

作者

 野田 喜郎

作品評

 画面一杯に重厚な建造物を描き存在感のある作品になっています。画面全体がモノトーンでまとめられ奥行きのある構図に仕上げられています。また、空に青い色を使うことで重苦しい雰囲気が柔らかな効果となりました。

産経新聞社賞

第75回大津市美術展覧会 洋・版画部門 産経新聞社賞

題名

 薫風蕩蕩

作者

 砂田 智司

作品評

 どの様な思いで静かな水面にサップを浮かべ、自然との一体感の中、何を考えているのであろうかと、その後姿に観者は引きずり込まれてしまいます。初夏の穏やかな水面の手前の波紋は現代社会への啓示的意味あいがあるのでしょう。秀作となりましたね。

NHK大津放送局賞

第75回大津市美術展覧会 洋・版画部門 NHK大津放送局賞

題名

 初夏の八幡堀

作者

 山田 憲孝

作品評

 堀に掛かる橋を屋形舟が静かにくぐり抜け、舟頭さんの櫓を漕ぐ軋む音だけが響き風情を醸し出すようです。橋の向うの世界には、日の光が当たりすがすがしく何か期待感をいだかせる情景が描かれました。丁寧にすみずみまで気を配られた姿勢に感服いたします。

BBCびわ湖放送賞

第75回大津市美術展覧会 洋・版画部門 BBCびわ湖放送賞

題名

 蒼寂の光

作者

 佐々木 英人

作品評

 森の中に差し込む光がとても綺麗に表現された静謐な雰囲気のある作品です。また、左手前に大きく描かれた樹の存在感と右側に暗く描かれた樹木と中央の明るいところとの明暗コントラストを強くつけた事によるダイナミックさもあります。

ZTV滋賀放送局賞

第75回大津市美術展覧会 洋・版画部門 ZTV滋賀放送局賞

題名

 春に落ちる

作者

 おかにゃべし

作品評

 飼い主に甘えるかのように横たわる猫ちゃんが椿の花香る中、おどけた様子です。猫の思いに負けてしまい、かわいがる気持の伝わる作品となり、とても魅力的な作品となっています。

佳作

佳作受賞作品一覧表
題名 作者
蘇洞門めぐり遊覧 安原 篤司
ちょっと一休み 大西 隆夫
大山崎 初秋 小柴 洋子
琵琶湖のヨシ 今井 文子
みんな何してるの? 木村 貞
待春 西村 寿也
不穏の予兆 福原 光子
イマジン 井隼 千紗
光の情景 毛利 由美子
膳所本町 内田 友貴
沢登り 坂口 郁子

U-30奨励賞

第75回大津市美術展覧会 洋・版画 U-30奨励賞

題名

 IF

作者

 浅村 公一朗

作品評

 何が起こったのであろうか、一種の不安感を伴う画面となっています。現代社会に警鐘を鳴らすかのようで考えさせられますね。意味深い佳作となりました。

 この作品の鏡のヒビ割れた形をもう少し丁寧に観察し捉えて下さい。鏡に映った人物(図像)の表現効果がより高まりますよ。見たままを描かれたのでしょうが、フレームの太さや色を工夫すれば更にインパクト性を高めた物創りとなるでしょう。

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