第48回大津市写真展覧会(令和7年度)の結果

更新日:2025年07月29日

第48回大津市写真展覧会の結果を公表します。

写真展覧会の概要

会期

令和7年6月28日(土曜)~令和7年7月4日(金曜) 9時~17時
(令和7年6月30日(月曜)は休館日)

会場

大津市歴史博物館 
(〒520-0037大津市御陵町2-2)

出品状況

出品状況表
入選作品数(一般出品作品数) 審査員等作品数 陳列作品数
155点(222点) 8点 163点

会期中の入場者数

写真展覧会で写真を鑑賞する観客の様子

延べ767人の方々にご観覧いただきました。ありがとうございました。

審査員

 照井 四郎 氏

審査総評

 審査室の壁に並べられた多種多様の作品、単・組写真ありの作品群に、まずは圧倒されました。祭り、行事、風景、花・植物、動物、一般スナップ、構成・造形、スポーツ、魚・水族館などなど、バラエティーに富んでいました。今回は、A、B、C 分けの後、入賞入選作品にジャンルのダブりが生じないよう考慮し作業を進めました。
 しかし、おしなべて芸術性、独創性に富んでいて甲乙つけがたく、苦慮しました。今回の一般応募は、222 点でした。しかし、当日いただいたデータによると、10年前は363点で今回は141点の減少でした。その原因は色々あると思いますが、主にはコロナ禍、少子高齢化ではないでしょうか。現在、スマホ、AI などの普及で1億総カメラマンの時代だと私は感じています。今後、写真文化を発展させる為には、「 スマホ部門 」の新設や、未来を託す「ヤング部門・ U-30」の充実はどうなのかな、などと余計なことを思った審査会でした。次回も皆さんの意欲あふれる力作を期待いたします。

大津市長賞

第48回大津市写真展覧会 大津市長賞

形式

 単写真

題名

 熟恋

作者

 藤原 厚士

審査評

 なるほど、タイトルは「熟恋」。よくなれていて、たくみなことを意味する「熟練」とかけている訳ですね。ご夫婦でしょうか?目にした瞬間、思わず苦笑していまい、とっさになるほどと納得がいきました。構図、色調など、こと細かく詮索することなど全く論外です、それほど人情味あふれる 濃密な内容を秘めた傑作です。非のうち所がないというのは、このようなことかな? 実はこの作品、審査会場に入り、荷物を置くや最初に目にし、衝撃的というか強烈な印象を受けた1枚で、最後の最後まで、私の気持ちが揺らぐことのなかった作品です。「写真」って本当にいいですね。時間が止まっていて。モデルのご夫婦、作者の藤原さん、万歳

大津市議会議長賞

第48回大津市写真展覧会 大津市議会議長賞

形式

 単写真

題名

 かぐや

作者

 天地 輝夫

審査評

 写真の表現方法は、フィルム時代からデジタル時代へと大きく変貌を遂げています。近年は AIを駆使した作品も多くみられ、「写真」の意義が問われようとしています。ともあれ、本作品は「かぐや姫物語」をほうふつとさせる1 枚で、作者独自の発想と構成の基で完成された夢のあるアート作品として高く評価させていただきました。写真の表現には芸術性など色々な表現方法があり、楽しみ方もあると思うのです。これを機に更に独自の世界を昇華していってほしいと思います。

大津市教育委員会教育長賞

第48回大津市写真展覧会 大津市教育委員会教育長賞

形式

 組写真

題名

 棚田朝日に映える

作者

 松尾 恒弘

審査評

 写真には、単写真と組写真(2~5点)、それに群写真(個展・写真集)などがあります。松尾さんの「棚田 朝日に映える」は水を張った棚田を遠景、アップと視点を変えて、それぞれ適切なフレーミングで捉えられています。何よりも目を奪われたのは、作者独自の個性的な色調のこだわりです。つまり、尋常ではないと言うか型やぶりというか独特の発想の勝利だと思うのです。一般的に組写真の枚数については「3枚組」が難しいと言われている。しかし、それをみごとにクリアし、的確な構成が功を奏したと言えます。

大津市文化連盟会長賞

第48回大津市写真展覧会 大津市文化連盟会長賞

形式

 単写真

題名

 次はボクの出番だ

作者

 北川 昇

審査評

 画面いっぱい祭りの賑やかさが広がり、活気に満ちあふれた1枚です。まさに、そこのけそこのけ祭りが通る。の図です。ねじりハチマキに法被姿。大人顔負けのいでたちで祭りを楽しんでいる2人の子供の姿が何とも愛くるしい限りです。また、背後を練り歩く大人達の顔を割愛したことで、子供の表情が一層際立ちました。このようにして、祭りの伝統文化が親から子へ、子から孫へと代々引き継がれていくのですね。タイトルにもそのことが隠されているように感じました。

滋賀県写真連盟会長賞

第48回大津市写真展覧会 滋賀県写真連盟会長賞

形式

 組写真

題名

 焔・祈りの道

作者

 牧草 久夫

審査評

 「護摩供養」の様子でしょうか。この神事を上下2枚で表現した組写真です。上は、境内に漂う護摩の煙に木立ちから射し込む陽の光が神秘的な光景を作り上げています。下のショットは、燃え盛る護摩の炎とその向こうで一心不乱に念じる修験者の姿が捉えられていて、その心情もうかがえます。この神事2枚のショットで端的に表現した作者の磨きすまされた腕前が光る作品です。

大津写真連盟会長賞

第48回大津市写真展覧会 大津写真連盟会長賞

形式

 単写真

題名

 ママの勝ち

作者

 中山 捷吉

審査評

 七五三のスナップでしょうか? 走り寄ってくる我が子を、両手を大きく広げ迎い入れるママとパパ。親子の情愛というのか「親子の絆」がバッチリと凝縮されている作品です。まるで映画のワンシーンのようなこの瞬間を見逃さず、シャッターを切った中山さんの腕前に感服しました。望遠レンズを駆使し、背景をボカしたことで見る目が主役の親子に集中します。この世で一番肝心なのは「愛」と改めて感じさせてくれる作品でした。

大津市社会福祉協議会会長賞

第48回大津市写真展覧会 大津市社会福祉協議会会長賞

形式

 単写真

題名

 神事御手前

作者

 北山 忠

審査評

 背景からすると、由緒ある寺院などで行われた、式典での「御手前」の1コマでしょうか。入賞の決め手となったのは、凛と張り詰めた空気が漂うなか、高島田にきりりとした和服姿の女性が、神妙にお湯を酌む所作をみごとに捉えた点です。他には、立ちのぼる釜の湯気、すらりとのびた指、そして、女性の視線。日本文化の独特の情景が切り取られていると感じました。また、あえてタテ位置で撮ったことで、茶道の道具一式が見え、説明的で良かったと思います。

びわ湖大津観光協会会長賞

第48回大津市写真展覧会 びわ湖大津観光協会会長賞

形式

 組写真

題名

 悲しき想い出

作者

 今井 章夫

審査評

 昨年1月元旦、午後4時10分、能登地方を襲った大地震。この写真は「輪島朝市」のある日の1枚でしょうか。 頬かぶりをした女性(ばっちゃん)が、通りの脇で地元の特産物(海・山)を売っているところです。かわはぎの干物、ワカメ、それに榊、花、里芋などが並べられています。私も数十年前、何度も撮影に出掛けた処なので懐かしさもひとしおです。しかし、残念ながらこのシーンはもう絶対見ることの出来ない光景となってしまいました。まさに「写真は記録」です。非演出の後世にのこる大事な大切なメッセージなのです。その意味で、いい写真、巧い写真などとは全く別問題で、貴重な宝物と思いました。

準特選

準特選作品一覧表
題名 作者
危機一髪 櫻井 廣治
曳山鼓動 永井 敏夫
びわ湖に口づけ 山田 章
Aladdin 荻野 利子
美しき「楔」 奥 政紀
集会 勝身 忠男

U-30奨励賞

第48回大津市写真展覧会 U-30奨励賞

形式

 単写真

題名

 夕凪

作者

 片尾 遼平

審査評

 刻々と変わりゆく夕刻のドラマが見事に捉えられた作品です。落日のひとときを楽しむ人々の姿が水辺に映り込み、そのシルエットも効果的で、「メルヘンの世界」をつくりあげました。みるからに、スキッとして潔く「U-30奨励賞」にふさわしい1枚でした。かの有名なボリビアの「ウユニ塩湖」の光景を彷彿とさせる画面構成が魅力的でした。なにより、下部1/4を地平線にし、空の部分を多くしたことで雄大さというか、壮大さが強調されました。作者の緻密さと、作品づくりに取り組む真摯な姿勢がうかがえました。今後益々の発展を期待しています。

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