市長記者会見(令和4年8月26日)

更新日:2022年09月28日

  • 日時 令和4年8月26日(金曜) 11時から
  • 場所 大津市役所 新館2階 災害対策本部室
会見で説明する佐藤市長

市長説明

 皆様、こんにちは。本日、大変ご多忙の中お集まりいただきまして、ありがとうございます。

 また、市政記者クラブの皆様には、様々な機会を通じて広く市政情報を発信していただいていることに対し、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。

 それでは、初めに私から幾つか話題を申し上げたいと思います。

 まず、新型コロナウイルス感染症の感染状況について、感染拡大の第7波がいまだ沈静化の兆しが見えない状況であり、市内の新規感染者数も高止まりとなっています。このような状況の中、市内の医療機関の中には、通常の診察時間を延長して感染者の対応に当たっていただいているところもあると伺っています。また、入院治療や宿泊療養施設への対応に当たっていただいている皆様をはじめ、医療従事者の皆様に心から感謝申し上げます。

 大津市保健所におきましては、不断に体制の強化を図ってまいりましたが、この第7波において自宅療養者の増加に伴い感染患者からの問合せが急増するなど、業務が逼迫しています。

 8月9日からはショートメール及び電子申請サービスを活用した疫学調査の取組を開始したことにより、感染者への連絡を少しでも早くするとともに、療養期間や濃厚接触者の待機期間なども文字ベースで伝えることができています。

 このような中、国からは24日に全数把握の見直しなどが発表されています。国や県の方針を注視するとともに、市としては市民の皆様に混乱が生じないように、適切に対応してまいりたいと考えています。

 次に、新型コロナウイルスワクチン接種について、現在、本市では12歳以上の方を対象とした3回目接種、60歳以上の方及び18歳以上で基礎疾患等があるなど重症化リスクが高いとされる方、医療従事者や高齢者施設等の従事者を対象とした4回目接種を進めています。

 接種の状況については、昨日時点で3回目接種を終えられた方が21万5,000人余り、接種率69.3%、4回目の接種を終えられた方が約6万3,000人になっています。さらに今般、国はオミクロン株対応ワクチンの接種について、初回接種を完了した全ての方を対象に実施することを想定し、10月半ば以降に開始する方針が示されました。詳細は明らかではありませんが、8月補正予算に関連経費を措置するなど、円滑な接種に向けて準備を進めたいと考えています。

 次に、高齢者を対象にしたフレイル予防の取組について、フレイルとは、高齢期に心身の機能が低下してきた状態で、健康な状態から介護が必要な状態になるまでの中間の状態とされています。新型コロナウイルス感染症が長期化する中で、特に高齢者の皆様は外出自粛や社会生活の制限を余儀なくされ、健康面への影響が懸念されていることから、本市においては、昨年度、感染症によって暮らしや体調、気持ちにどのような変化があったのか、市内の65歳以上の方を対象にアンケートを実施しました。その結果、外出の機会が減ったと答えた方が62.1%と最も多く、運動や体操の回数が減ったが27%、歩く速さが遅くなったと答えた方が26.6%でした。また、買物に行く機会が減り食事の内容が偏った方が一定数おられた一方で、自分でバランスを考えて料理を工夫するようになったという回答も26.9%ありました。

 これらのアンケート結果から、外出の機会が失われ、筋肉量が低下することや、食事の偏りによって栄養面で低栄養となることなど、心身状態に影響を及ぼしている可能性があることから、今年度、フレイル予防として新たに4つの事業に取り組みます。

 1つ目は、今年7月1日現在、65歳の方を対象に、「運動」や栄養講座など健康づくりに役立つメニューを選んでいただける無料クーポン券とフレイル予防の啓発チラシをお届けする取組です。フレイル予防は早期段階からの取組が必要であると言われ、高齢期に入る65歳の節目の年齢の方に生活習慣病の予防のみならず、フレイル予防の必要性を伝えることで、高齢期の健康づくりに取り組んでいただくことを目的としています。

 2つ目は、大学生による高たんぱく惣菜レシピの開発とレシピの紹介です。高齢者の方には筋肉や骨、血液の材料となる、そして体を動かす上で重要な栄養素であるたんぱく質が不足しがちなため、たんぱく質を多く摂取できるようになっています。今回、管理栄養士を目指す龍谷大学農学部の学生に高齢者向けのレシピを考案していただきました。ご覧のメニューは試作段階であり、変更の可能性はありますが、自宅で手軽に調理できるようなものを4種類ほどホームページ等で公開してまいります。

大学生が考案したレシピのかぼちゃのサラダのイメージ写真

 3つ目の事業は、株式会社タニタヘルスリンクと連携して取り組む「運動」をメインとしたフレイル予防教室です。平和堂石山店と坂本店で「運動」と「栄養面」から個々の健康や体力のレベルに合わせたトレーニングを紹介するフレイル予防教室を週1回、10月から12月、来年1月から3月の2クールに分けて開催する予定です。タニタヘルスリンクの体組成計や体力測定などを活用して健康レベルや取組状況を見える化し、カルテを作成するなど、それぞれに合ったプログラムを提供したいと考えています。このことによって健康づくりへの意識を高めるきっかけにしていただくことを目指しています。

 4つ目は、「食」に着目をしたフレイル予防教室です。琵琶湖グランドホテル、びわ湖大津プリンスホテル、龍谷大学を会場として開催します。予防教室では、唾液腺マッサージの実演などを通じて噛む力や飲み込みなど、自分の歯でおいしく食べ続けるために必要なお口の健康と高齢期の食生活に関する情報を伝え、口腔機能の低下予防、低栄養予防を啓発します。この教室では、龍谷大学の学生が考案した高齢者向け惣菜レシピの紹介や試食会も予定しています。また、健康づくりに関するブースも設置し、体組成計での測定やベジチェックと呼ばれる計測器なども体験できるようにしています。

 長引くコロナ禍で市民の皆様の心身の健康への影響が懸念されますことから、引き続きこのような健康づくりの取組に力を入れてまいりたいと考えています。

質疑応答

毎日新聞 国道161号について、時間帯によっては慢性的な渋滞が起きており、特に夏季は市北部の水泳場に行くレジャー客も増えます。市長は周辺自治体との改良整備期成同盟会に参加し、中央への要望などもされていますが、市として現状をどのように認識されているでしょうか。

 そして、市としては整備によってどのような効果が見込まれ、早期整備に向けて望みたいことはどのようなことでしょうか。

市長 夏季のみならず、一年中を通して市民の皆様から国道161号の交通渋滞に関するご意見をいただいています。国道161号は湖西を縦断する唯一の幹線道路であり、また、我々市民のみならず多くの皆様の暮らしを支える道であるとともに、産業や観光など、地域の活性化に大きく寄与する道路となっています。一方、大規模災害の緊急避難道路や緊急輸送道路としての役割も担っており、機能強化は本市にとっても極めて重要であると考えています。

 現在、大津市域においては、湖西道路真野インターチェンジから坂本北インターチェンジの4車線化及び小松拡幅の整備が進められており、これらの整備が完了した場合、交通渋滞の一定の緩和や交通事故の減少などの効果が見込まれると考えています。

 昨年4月に国から公表された防災・減災、国土強靱化に向けた道路の5か年対策プログラムにおいて、湖西道路の4車線化及び小松拡幅の開通予定時期を令和7年秋とされたところでありますが、着実な事業進捗が図られることを期待するとともに、引き続き国に対しても早期の整備を求めていきたいと考えています。

共同通信 フレイルの取組について、資料8ページの調査、要介護1から5の認定を受けていない方が8,000人とありますが、市内の同じ対象者の中の何人ぐらいのうちの8,000人でしょうか。

長寿政策課長 令和4年7月1日時点、65歳以上の方は9万3,864人、そのうち介護の認定率は18%程度であり、認定を受けておられない方は約82%ですので、その割合の人数となります。

共同通信 無料クーポンの配布やレシピなどは、いつ頃から始められる予定でしょうか。

長寿政策課長 65歳の方がご利用となられる無料クーポンについては8月末に発送させていただきます。平和堂での運動をメインにしたフレイル予防教室については、10月から12月までが1クール目、1月から3月までが2クール目です。大規模会場で行う「食」を通じたフレイル予防教室については、10月から11月にかけて市内3会場で実施します。大学生考案のレシピは、もう間もなく完成すると聞いていますので、完成でき次第、周知させていただきます。

共同通信 大学生考案のレシピが完成した場合、どのような方法で周知されるのでしょうか、また、ホームページ上で公開されるのでしょうか。

長寿政策課長 フレイル予防教室で周知するとともに、それ以外にも様々な介護教室を開催しておりますので、そのような場でも周知していきます。また、ホームページなどを通じてレシピを紹介したいと思っています。動画を使って調理方法なども見ていただけるような方法での周知も含めて検討しています。

毎日新聞 フレイルに関して、無料クーポンの栄養講座や歯科・口腔チェックなどは、クーポンを持っていた場合、無料でサービスが受けられるのか、また、どのような運動が受けられるのでしょうか。

長寿政策課長 運動については、市内の運動施設において、施設によりメニューは違いますが、例えばマシーンを使ったトレーニング、体操の教室などを体験していただける予定です。

毎日新聞 ホームページ上でのレシピの紹介について、大津市のフレイル予防を目的とした専用のサイトを立ち上げられる予定などはあるのでしょうか。

長寿政策課長 専用のサイトを作成したいと考えていますが、レシピだけではなく、一般介護予防事業など様々な取組をしていますので、そのサイトにリンクさせて同じページ内で様々な情報を発信するなど、レシピに併せて関連する情報も伝えられるようなページを作成したいと考えています。大学生が一生懸命作っていただいていることをしっかりと発信していきたいと思っています。

毎日新聞 フレイル予防教室について、10月から12月までと1月から3月までの2クールで実施されますが、このクールの間、どのような頻度で参加されるのでしょうか。1回だけの参加でも可能でしょうか。

長寿政策課長 週1回の参加で3か月コース、1クールとなっています。毎週参加いただき、最初と中間、最後に測定しながら、効果を見える化した教室を運営したいと考えています。

NHK 新型コロナウイルス感染症の感染者の全数把握の見直しについて、事務的な省力化など、全数把握の趣旨に対する評価と懸念されていることがあれば教えてください。

市長 全数把握の見直しによって、保健所のみならず医療機関の負担が軽減されると思っています。また、感染者数全体の把握は、引き続き、人数を把握することになっています。一方、懸念していることは、保健所として、また、県として把握していない自宅で療養される方の急変時の対応や、感染症対策の範疇からすれば、今までのようにクラスター対策を早急に実施できないおそれがあります。いずれにしても、新型コロナウイルス感染症が2年余り続く中、大きな変更が伴うことでありますので、まずは市民の皆様、医療機関、そして、感染症対策に関わっている皆様の不安が生じかねないことを懸念しております。

日本経済新聞 県立の高等専門学校について、当初、近日中に候補地を最終決定される予定でしたが、9市から候補地が出ているため、9月に結論を延ばすことになりました。大津市としては、候補地の公募についてどのような対応を取られていますか。また、9月の最終決定に向けて個別のプレゼンを実施されると県から聞いていますが、どのようなPRをされるのでしょうか。

市長 高等専門学校について、本市としては青山学区の市有地を提案し、選定を進めていただいていると理解しています。本市が青山学区の市有地を提案するアピール点については、びわこ文化公園都市に隣接していること、高等教育機関である龍谷大学・滋賀医科大学・立命館大学との連携や、大津から草津にある多くの企業、研究機関と連携ができることであります。また、大津商工会議所・瀬田商工会・大津北商工会からも当候補地での高専の設置にかかる要望を県に上げていただいています。経済団体、また、団体を構成する企業の皆様との連携が図られる点をアピールしていきます。

 もう1点は、立地の利便性です。青山学区の市有地はJR瀬田駅のみならずJR南草津駅からのダブルアクセスが可能になります。京阪神を含めた県外からの生徒の確保の観点からも非常に利便性の高い場所であると思っています。

 この2点を主にアピールしており、加えて本市においては本年4月、県外の高等専門学校に進学された方が23人いらっしゃいます。草津市も含めればさらに多数となり、高専での学びを希望している県内生徒の皆様が進学しやすい場所を考えると、滋賀県南部地域が県内で進学を考えておられる皆様にとっては利便性の高い場所であると理解しています。

日本経済新聞 駅からのアクセスについて、徒歩で行く距離ではないと思います。誘致するために駅からのアクセスについて何らかの提案はあるでしょうか。

市長 既にバス路線が近隣まで整備されていますので、立地していただければ路線の延長は容易いものと考えています。現在あるインフラをしっかりと活用できると認識しています。

配布資料

この記事に関する
お問い合わせ先

政策調整部 広報課
〒520-8575 市役所本館2階
電話番号:077-528-2703
ファックス番号:077-522-8706

広報課にメールを送る