わたSHIGA輝く国スポ・障スポ(インタビュー)ローイング
クリステル・ダンシー・モイージー氏
2025年に開催される「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ」の大津市開催競技の一つにローイングがあります。ローイングの世界で活躍されている栄養士のクリステル・ダンシー・モイージ氏、中尾咲月選手、酒井龍馬選手にお話しを伺いました。
Q. 食事から競技に必要な体力面をサポートすることについて
(モイージ氏)ローイングというのは、パワーが必要で、また、それを継続させるスポーツなので、選手の身体を強く保つために、たくさんのエネルギーを補給しなければなりません。持続させるための栄養素はとにかく炭水化物なので、米、芋、パンといったような炭水化物を摂取してもらうことが重要です。エンデュランス(注)面では炭水化物ですが、パワーを発揮させるために必要なものは筋肉です。筋肉を作るのはタンパク質ですから、肉、魚、豆腐もいいです。世界一を目指し、エンデュランス(注)スポーツをしているわけですから、それに必要な栄養素を摂取するということはものすごく重要なことです。
(注)エンデュランス(endurance)は、長時間にわたる耐久力や忍耐力を意味する英単語である。 スポーツや運動において、体力や精神力が長時間続くことを指す場合が多い。
Q.ニュージーランドの選手をサポートした時に、効果が実感できたエピソードを教えて下さい。
(モイージ氏)リオオリンピックを終えた後に、アスリートに対して栄養調査をしました。特に女性アスリートは、誰一人十分に食べられていないということが分かりました。(大会までは3時間ごとに栄養摂取していた)調査後、3時間毎に食事を摂取したら、選手として強くなりましたし、ウェルビーイングも向上して、パフォーマンスもよくなりました。1回のトレーニングで疲れて、そのあと2回目のトレーニングの質を上げるために栄養素が必要です。女性アスリートはたくさん食事を摂取することによって、体重が増加するという恐れを持ちやすいですが、私たちのプログラムで強くなった選手は、よりほっそりし(筋肉の)見た目もよくなりました。なぜかというときちんと食べることによって、トレーニングの質と強度を上げることができたからです。そこで、エネルギーが入ってきて、エネルギーを使うというサイクルが身体の中でできたので、体重が増加するという心配はなくなりました。いいものをたくさん食べるというのは非常に難しいです。ただ食べろというだけではないのです。良い質のものをしっかり食べて、アスリートの身体をしっかり支えるということです。
Q.食事とスポーツをどのように考えていますか。
(酒井選手)ローイング競技はや体力が重要になってくるスポーツだと思います。栄養管理などに関して、知識不足ということもあり難しいですが、身体をづくりと、良いパフォーマンスのために、良い食事をよいタイミングで食べるようにしたいと思っています。
(中尾選手)どれだけトレーニングをしても、しっかり食事していないとそれが力にならないので、食べることは大事だと思っています。
酒井龍馬選手
中尾咲月選手
Q.運動と水分補給について
(モイージ氏)東京オリンピックの時には、トレーニングやレースの前に毎朝選手の尿サンプルを集めてカラーチェックをしました。専門のスタッフがいなくてもセルフチェックでできることなのですが、朝の尿の色の濃さによって脱水状況が分かります。脱水状況に陥ると、パフォーマンスは20%落ち、東京オリンピックの時のような(暑い)状況ですと、熱中症の危険が高まります。
トレーニング前後に体重を計測し、トレーニング中は水分を摂取します。それでも体重が減るのは水分が失われていることになります。1日2回のトレーニングの場合、休憩時間に体内の水分量を回復させるためにたくさんのエネルギーと水分の補給を行います。特にローイングは身体が大きい選手が多いので、それだけ失われる水分が多くなります。また、筋肉が働くことで、水分だけでなく、電解質も失われてしまいます。
競技選手のために、水分と栄養とともに電解質もきちんと補給されているということを確認することが大切な仕事でした。
Q.水辺スポーツの魅力をお聞かせください。
(モイージ氏)ただ水の上が好きです。そこには自由がありますし、美しいです。ハッピーです。
(酒井選手)水面は、天気や国や高度そしてコースなどによりかなり変わるものです。様々なコンディションがあって、それが勝敗を左右するので、環境が変わる中で勝利を勝ち取るというところや、自分のテクニックを駆使できるところが面白味かなと思います。
(中尾選手)天候で水面の状況は毎日違うこところが難しいですが、その状況をうまく攻略していくのが難しく、そして楽しく面白いです。
プロフィール
クリステル・ダンシー・モイージー氏
NZ代表チーム栄養士スタッフであり、大津市で行われた東京オリンピックの事前合宿に同行。選手の健康とパフォーマンスの向上につながる栄養プログラムを作成している。
中尾咲月選手(関西みらい銀行女子漕艇部所属)
酒井龍馬選手(東レ滋賀ボート部所属)
大津市実行委員会ホームページ
令和7年(2025年)に開催される「わたSHIGA輝く国スポ・障スポ2025」。全14日間(国スポ11日間、障スポ3日間)にわたり、各都道府県の代表選手による熱い戦いが、滋賀県内各地で繰り広げられる予定です。
滋賀県では44年ぶりの開催となる一大イベント。大津市実行委員会でも、大会の開催に向けさまざまな準備・取り組みを進めています。ホームページ(外部リンク)で大会の最新情報をぜひチェックしてください!
この記事に関するお問い合わせ先
国スポ・障スポ大会局 大会総務課
〒520-0805 大津市石場10番53号
(旧市立大津市民病院付属看護専門学校)
電話番号:077-528-2919
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更新日:2024年07月17日