市長記者会見(令和2年5月29日)

更新日:2020年06月10日

 大津市新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージ(第2弾)及び令和2年6月大津市議会通常会議の開催に伴う提出予定議案についての市長記者会見です。

  • 日時 令和2年5月29日(金曜) 15時30分から
  • 場所 大津市役所 新館大会議室

市長説明

市長記者会見の市長説明の様子をご覧いただけます。

 

大津市新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージ(第2弾)

 このたび、「大津市新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージ」第2弾を編成するとともに、これを包含いたします令和2年度6月補正予算を編成いたしましたので、本日は、その概要についてご説明を申し上げたいと思います。

 6月補正予算の編成に際し、まずもって、喫緊の課題であります新型コロナウイルス感染症の感染拡大による暮らしや経済への影響への対策と、今後再び感染が拡大する第2波、第3波への備えを最優先とし、「大津市新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージ」の第2弾を編成して、引き続き重点的に取り組んでまいります。

 この「緊急対策パッケージ」第2弾は、国の施策と歩調を合わせながら、本市における状況の推移を見据え、市独自に市民の皆様、事業者の皆様、医療従事者の方々に対する多面的な施策を展開するものです。

 まず1つ目の柱である「安全」・「緊急感染拡大防止対策」についてでありますが、1点目として、本市においても独自に6月から「地域外来・検査センター」を開設し、PCR検査体制の充実を図ります。公益社団法人大津市医師会に運営を委託し、1日に10件程度の検査を実施できるようにして、第2波、第3波に備えていきます。

 2点目ですが、昼夜を問わず患者の治療などに当たっていただいている医療従事者のご苦労に少しでも報い、また、本市の地域医療を堅持していただくために、市独自の「新型コロナウイルス感染症対応医療機関支援金」制度を創設いたします。感染症患者の入院1名につき10万円を、帰国者・接触者外来を設置いただいた場合に50万円をそれぞれ医療機関に給付しようとするものです。なお、皆様からお寄せいただきました「新型コロナウイルス感染症対策寄附金」の一部を財源に充てさせていただきます。

 最後に、不足している医療用ガウン代替品については、交替勤務を行っていた市職員を中心に、今月13日から製作を行っています。皆様にも取材をいただき、ありがとうございます。今月までにおよそ1万枚が完成し、順次、医療機関に提供して喜んでいただいております。6月以降も、二交替の勤務は無くなりますけれども、手法を検討のうえ継続して取り組んでいきたいと思っております。

 次に、2つ目の柱である「安心」・「緊急生活・子育て対策」ですが、1点目の「子育て世帯への臨時特別給付金による生活支援」は、国の施策に伴い、子育て世代の方々を対象に、児童1人につき1万円を臨時特別給付金として給付するものです。

 そして、2点目の市独自の「ひとり親家庭への市独自の臨時給付金」については、特に経済的に困難な状況にありますひとり親家庭の方々に対して、1点目の臨時特別給付金に上乗せする形で支援を図るもので、児童扶養手当受給者を対象に、児童1人につき2万円を追加給付いたします。

 3点目は、国施策に沿った補助制度であります「住居確保給付金」に関して、要件がこれまでの離職・廃業に加えて、休業等による収入減少が給付の対象に加えられましたことを受けて措置するものです。なお、相談件数が今後さらに増加すると見込まれることから、相談に関する人員体制も強化してまいります。

 次に、「オンライン学習の推進」であります。現在、オンライン学習の整備を進めておりますが、家庭における子どもたちの学習環境を整えることが課題となっております。そこで、学校で保有をしますタブレット端末を家庭でも使用できるように設定変更し、緊急的に中学三年生を対象に貸与することや、自宅のWi-Fi環境を整備するための市独自の補助制度を設けます。

 また、次の「学習用端末の配備」については、学校で1人1台パソコンを配備する国のGIGAスクール構想に基づき、当初の予定を前倒しして学校用パソコンを整備し、これらによって学習保障の充実を図ってまいりたいと考えております。

 最後の項は、6月1日から小中学校を再開し、同22日から学校給食を開始するにあたり、6月末までの間の感染リスクを避けるために配膳の必要が少ない緊急対応給食といたします。このため、この給食7日分について、無償で提供をしようとするものです。

 最後は、3つ目の柱であります「支援」・「緊急経済対策」であります。1点目は、国の専門家会議においても「新しい生活様式」が提唱され、食事の場面での「持ち帰り」・「宅配」の活用等が述べられています。市としても、事業者、生活者の両者への支援に繋がることから、この誘導策として、市独自にテイクアウト・デリバリー事業の導入に係る費用の一部を補助いたします。

 2点目ですが、新型コロナウイルス感染症拡大により失業された方々の就労を支援するため、一定の枠とはなりますが、本市職員としての採用を進めてまいります。

 3点目は、地域経済活性化の一助となるよう、本市の公共工事等の発注を前倒しするとともに、特例小額工事等の契約手続きの迅速化を図り、効果的な予算執行を図るものです。

 以上が「新型コロナウイルス感染症緊急対策パッケージ」第2弾の主だったものであり、予算を伴うものにつきましては、6月議会通常会議に上程し、可決をいただいたうえに速やかに事業着手をしてまいります。

 緊急事態宣言が全面的に解除されましたが、感染拡大防止と社会経済活動を両立するこれからの時期が正念場だと思っています。今後とも市民の皆様、事業者の皆様の声をしっかりと受け止めて、生活の建て直しや経済の落ち込みからの回復に向けて、機動的に段階に応じた対策を実行してまいります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に向けた取り組みに活用するため、私をはじめ、副市長、教育長等の特別職の6月期末手当は全額支給しないことといたします。

令和2年度6月補正予算(案)

 6月補正予算案の概要でありますが、このたび上程をする6月補正予算案については、卸売市場の公設公営による運営継続を行うための関連経費を通年化させる予算案、そして、一般会計で総額約40億8千万円の補正予算と、その他特別会計での補正予算で構成されております。その主な内容について、ご説明をいたします。

 繰り返しになりますが、まずもって、今回の補正予算は、新型コロナウイルス感染症対策を最優先に編成しております。

 これまで当初予算案については、いわゆる「骨格予算」とする一方で、市民の皆様にお伝えしてきた「夢があふれるまち大津」の実現に向け、重要かつ政策的な判断が必要な事業については、未来に向けた種まきとなる「肉付予算」として6月議会に上程することといたしておりました。

 しかし、ご承知のように新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、本年度中の執行の見込み等も勘案しながら、市民サービスに影響の無いように直ちに予算措置を必要とする事業や方針が一定、定まった事業に限って予算に盛り込んだところであります。

 まず1つ目の柱は、「新型コロナウイルス感染症対策」についてでありますが、この内容は、先ほどお示ししたところであります。

 次に、2つ目の柱・「学びの環境」です。子どもたちの大切な日常生活の場であります学校施設の整備について、国が示す長寿命化に向けた足がかりとして、小学校3校・中学校1校で耐力度調査等に着手するものです。

 その下の児童生徒へのオンライン学習の推進と学習用端末の配備に関しては、国庫補助事業と市単独事業を織り交ぜた内容で、先ほどご説明申し上げたとおりであります。

 次に、3つ目の「子育て支援」ですが、医療的リスクが高いとされる多胎妊婦の妊婦健診について、基本受診券と超音波検査券、それぞれ2枚を追加交付する公費助成の拡充を図ってまいります。また、10月からのロタウイルスワクチン定期接種化による制度改正に対応してまいります。さらに、議員活動を通じても大きな課題として認識をしておりました養育費の受け取り問題について、公正証書作成支援などの新たな取り組みを始め、子育て環境の向上を目指すものであります。

 次に4つ目の柱、「暮らし安心・支え合い」であります。災害時に市のホームページ上に立ち上げ、復旧・復興期までをカバーする「緊急災害情報サイト」の構築や、和邇体育館などの公共施設の耐震化を進めるとともに、地域の防災機能の強化にも資する生活道路の整備促進、消防車両の更新など、ソフト事業・ハード事業の両面で、災害に強いまちづくりをしっかりと進めてまいります。

 次に、5つ目の柱、「活力と魅力」であります。スポーツ施設の整備として、全国規模の大会が開催できる規模の大石グラウンドゴルフ場や、大石緑地スポーツ村テニスコートの改修に向けた設計費を計上するほか、皇子山総合運動公園陸上競技場の整備など、国民スポーツ大会を見据えた整備を推進するものです。

 最後となりますが、6つ目の柱、「健康づくり」です。がん対策に係る受診率向上施策の検討や、受動喫煙防止に向けた取り組みなど、市民の皆様の健康づくりに効果的な施策を展開してまいります。

 引き続き、市民の皆様の生活に寄り添い、市として何ができるのか、市として何をすべきなのかを考えて、スピード感をもってしっかりと取組んでまいりたいと考えております。

 以上、まず私からのご報告といたします。

資料

質疑応答

産経新聞 緊急対策パッケージについて、お願いします。子育て支援について、今回児童1人につきと表現されていますが、一般的な児童というと小学校1年生から6年生のことではないかと思いますが、そのような理解で間違いはないでしょうか。

市長 はい。国の支援策については、対象児童が、0歳から中学生までとなっています。一方、大津市の独自支援策については、対象児童が18歳到達の年度末までとしております。

産経新聞 6月補正について、養育費の話がありました。明石市などは先進的に取り組まれていると思いますが、今後、例えば不払い養育費の立て替えや、養育費を支払わない人の氏名を公表するなど、さらに検討は進めていくのでしょうか。

市長 やはり養育費を受けておられない方が数多くおられる現状にしっかりと大津市としても対応していかなければならないと思っています。そのような中で今回新たに公正証書の作成支援の補助金を設立しました。それと同時に、養育費の保証促進補助事業として、保証会社が立て替える養育費保証契約を締結した際の保証料を補助して参ります。

産経新聞 湖南市が導入されているものと同じような施策でしょうか。

市長 はい。

産経新聞 ありがとうございます。6月補正予算について本来であれば本格的ないわゆる肉付けの予算になるところでしたが、コロナ対策もあり、ある程度方針が固まっているものに限られたということでしたが、逆に今回そのような意味で見送られた事業はどのようなものがあったのでしょうか。

市長 例えばMICEの推進を掲げていましたが、今MICEの推進に向けた取り組みは、時期尚早であると考えています。一つの事例としては、今の環境に即していない事業は先送りをしました。今やらなければならないことを十分に考えながら、6月補正予算を編成しました。

朝日新聞 新型コロナという予想をしなかったことがあったので、当初、肉付けをされていたものの中でも、優先しなければならないものを優先されたということですが、例えば去年、大津の事故や教育のAIを活用したいじめ対策などが全国的にも注目をされていますが、そのようなところに対しても、子どもの安全みたいなところを考えると、市長はどのように今回補正予算で対応されておられるのか、もしくは、そのような事業は次回にまわすようなお考えなのか、その辺を教えていただければと思います。

市長 昨年5月に市内の保育園児が亡くなるという本当に痛ましい事故が発生をしました。そのような中で、昨年度、私の就任前において、すでにこの安全対策の予算を措置されておりました。しかしながら、昨年度中に執行できておりません。その分が繰り越されて今年度事業となっております。そのことも踏まえて、今年度、新型コロナウイルスの感染症の拡大に伴う対策を進めながら、昨年度積み残した安全対策の予算をしっかりと執行していくようにしており、新たな予算措置はしておりません。

朝日新聞 いじめのAIについては前市長の時に始められた事業で、佐藤市長にお尋ねするのも失礼ですが、調べた範囲では全国的に注目浴びているように思いましたが、もし何かあればよろしくお願いします。

市長 今年度の当初予算の中でも皆様とやりとりをさせていただきましたが、このいじめ対策についても、現場の先生方としっかりと連携・協力しながら、子どもたちの課題は、いじめ対策のみならず、例えば不登校の問題など、そのようなものも包含しながら、さらに充実していきたいと思っております。一つの施策に偏ることなく取り組んでいくことを表明させていただいております。

京都新聞 緊急対策パッケージについて、前回は総額がありましたが、今回は総額いくらになるでしょうか。市長としては今回の第2弾のパッケージについてはどのように評価されていらっしゃいますか。

市長 新型コロナウイルスの感染症の対策としては6億6,000万円あまりとなっております。その中で評価ですが、本市の状況をしっかりと見据えつつ段階的に取り組んでいくという形で今回の予算を編成いたしました。例えば5月の補正予算について、まずは生活支援のところは、国の特別定額給付金を1日も早く給付をするために予算を措置させていただきました。事業者の皆さんに関しては、我々の地域経済を担っていただいている小規模事業者、個人事業主の皆さんを1日も早く支えるために給付金を5月の補正予算で措置をさせていただきました。そしてこの6月の補正予算においては、さらに、細分化をして、例えば生活支援であれば、その中でも、ひとり親家庭については重点的に支援していかなければならない状況がありますので、この状況に対応するためしっかりと措置をさせていただきました。また、これからの経済対策のあり方については、それぞれの業界、それぞれの状況にきめ細かく対応していくということで、デリバリー、テイクアウトの導入補助金を創設いたしました。また、小額工事を前倒しで発注するなど、そのようなきめ細かい取り組みをさせていただき、段階に応じた支援策をこれからも進めて参りたいと思います。

読売新聞 緊急対策パッケージについて、離職された方や、採用内定の取り消しにあった方の就業支援ですが、この枠はどのくらいのイメージでしょうか。

市長 若干名の人数で準備を進めさせていただいております。来年度の新規採用の試験の中で、枠を設けて、年齢も幅広くとりながら、採用して参りたいと思います。

読売新聞 年齢など、詳しいことについて教えていただけないでしょうか。

人事課 職務経験者の年齢については35歳を資格要件としておりますが、40歳に拡大しようと考えております。

読売新聞 この6月補正の40億3000万円あまりの中に、コロナ対策の6億6000万円も入っている理解でよろしいでしょうか。この財源の捻出など、特に苦慮された点、工夫された点など、もしあればお願いします。

市長 財源に関しては今回の補正予算の財政調整基金の取り崩し額は20億8000万円となっています。また国費が充てられるものは、機動的に国費を使っていきます。先ほどのPCR検査センターの設置費用は、国2分の1、本市2分の1、そのようなスキームを積極的に活用しながら予算を編成しております。

読売新聞 あと25億円ぐらいでしたでしょうか。英断というか、これからまた段階的にいろいろな対策を打っていく中で、余裕(ゆうろ?)が減っていくわけですが、そのあたりはどのような覚悟でいらっしゃるのでしょうか。

市長 5月の補正予算の時にも申し上げたところですが、今やらなければいけない、今給付しなければいけないものを、やはり果断にやろうと思えば、財政調整基金も積極的に活用しながらやらなければならないと思っています。また併せて、国に対しても交付金の増額、国において二次補正が議論されておりますが、しっかりと国からの配分を求めていきたいと思います。

朝日新聞 新型コロナでPCRだけではなく、第2波に備えて抗原検査について30分くらいで結果が出るものが、帰国者・接触者外来などに積極的に優先的に配布されますが、その場合に保健所設置の市が医療機関と契約を結んでいないと自己負担の部分を患者さんが負担するようになってしまいますが、その関係の契約を進めていくような状況はいかがでしょうか。

市長 先ほどの地域外来検査センターについては、大津市医師会に委託をすると申し上げましたが、これについては保険適用がありますので、保険診療の中で対応し、残りについて、国2分の1、市2分の1の運営をしていこうと思っています。

 抗原検査については、今、お答えできるところはございません。

朝日新聞 6月補正のポイントの中で、災害時避難行動要支援者名簿システムの再構築は新規の事業になるのでしょうか。

市長 今まで各部局に分かれていた情報をしっかりと統合して、そして一元的に管理ができるように再構築して参ります。このようなものも本来であれば、新型コロナウイルスの感染が拡大する中でも、いつ災害が起きるかわからない中で、やはり急いでやらなければいけないので、6月補正予算として措置をさせていただきました。

朝日新聞 例えば、高齢者、障害者、妊婦、子どもなど、それぞれの部局が持っていた情報を一元化でできるようなシステムを作っていくという理解でいいですか。

市長 はい。

朝日新聞 耐震性の貯水槽ですが、琵琶湖があるところではありますが、貯水槽や基幹となる水道管の整備は、地震に備えて耐震化を進めなければならないと全国的な課題になっていますが、これらは大津市において課題になっているような場所の耐震性貯水槽なのでしょうか。

市長 耐震性貯水槽については、それぞれの地域の皆さんから設置のご要望をいただいております。そのような中、特に要望が多いのは、非常に生活道路が狭隘で消防車が入れない場所など、そのようなところの地域の皆さんから耐震性貯水槽の整備の要望を毎年度いただいております。しかしながら、この何年間か措置できておりませんでしたので、そのような地域の安心を守るために今回措置をさせていただきました。

産経新聞 感染症対策全般についてお伺いしたいのですが、大きな問題になっている病床数について、大津市が抱えている市民病院も病床が逼迫したと思いますが、今後、第2波、第3波や新たな感染症が来ることを想定して設備を拡充されるなど、そのようなことは考えておられますか。

市長 私からはまず大津市民病院のことについてのみ言及をしたいと思いますが、今ご指摘の通り、感染症病床が8床という中で、4月上旬から中旬にかけて、病床が逼迫したことは事実であると思います。そのような中で順次、病床を拡大しながら、現在38床の病床を確保しております。今回の第2波、第3波よりは、これからいつ感染症が拡大、発生するというところに合わせて、病院のあり方、感染症指定医療機関のあり方について、しっかりと国、県と議論していかなければならないと思っています。今回も8床という感染症病床はありましたが、急に増えたときに明日から増やすことはできません。その後、結核病床の9床を順次あけて参りました。普段は使っていないが、何か有事の際には、柔軟に対応できるような病床はこれから考えうることであると思いますし、備えていかなければならないことであると思っています。そのようなことも含めて、今年度、市民病院については次期中期目標を市において策定しますので、その中に盛り込んでいきたいと思っています。

時事通信 補正予算の関係ですが、市長が公約で掲げられていた学校の「夢づくり予算」は、どのようになるのでしょうか。

市長 それぞれの学校の裁量で活用できる「夢づくり予算」を政策として掲げておりました。これについては今年度、しっかりと議論しながら、学校現場の皆さんにとって使い勝手のよい方法、そして、どのようなことに活用することが資するのか、教育委員会と一緒に議論をしております。この予算については、来年度の当初予算に向けて議論を進めるため、今、整理をしております。

時事通信 大津市民病院について、38床は必要十分なのか、場合によっては少し空床が多いため経営的に厳しいところもあるそうですが、大津市民病院においてはそのようなことがないという理解でよろしいでしょうか。

市長 市民病院については従前と変わらず、経営は厳しい状況です。さらに新型コロナウイルス感染症の対応に追われる中で、一般の診療については非常に制約を受けています。今年度についても、市民病院の経営は非常に厳しいと思っています。そのため、しっかりと感染症対策の対応をしている病院、医療機関に対しての支援を国・県に求めていきたいと思っています。38床が適正な規模かどうかのご指摘でしたが、無理を押して、病床を空けて38床を何とか確保しています。例えば、感染症病床8床はともかく、結核病床の9床、そして緩和ケア病棟を閉鎖してこれに活用しております。他のところを潰して何とか確保しているのが38床という理解です。

時事通信 病院の経営としては、厳しくなる方向になる可能性があるということでしょうか。

市長 端的に申し上げますと、厳しくなる方向ではなくて、すでに厳しい状況です。今までも経営がままならなかった中で、この新型コロナウイルスの感染症に対応し、そして、重症患者を受け入れております。そのため医療スタッフも充実しなければならない中で、経営はかなり厳しくなると思います。そのため、この感染症の対応についてはしっかりと国や県において措置をしていかなければ、一般の病院経営の中でこの新型コロナウイルスの対応をみていくことは、国が診療報酬を何倍にしようとも合いません。そのため、それは別枠でしっかりと病床、そして、医療の機能を確保していかなければならないし、そのような議論をしなければなりません。

朝日新聞 市民病院の話ですが、診療報酬3倍になり、空床確保の病床についても、一定のお金を出すことが補正の中に組み込まれています。それは病床を確保することが難しい中で、やっぱりその経営に影響がある中でも、病床の確保が医療機関に対する支援であると国が説明していますが、市長がおっしゃるように、それで足りるのか足りないのか、さらに必要なのか、例えば緊急事態宣言が解除されても、県はまだ注意のレベルなので、その間、また病床をいきなり増やすことも難しいので、一定期間置くとなると、確かに財政上影響がありますので、そこは大津市で市民病院の状況を分析して、市長会や国、県などを通して、何か具体的に提案するようなお考えがあれば教えてください。

市長 影響について申し上げれば、外来の患者は激減しています。そして同時に、診療点数の高い手術がこの間ほとんどできていませんので、それだけ収入が減っています。なおかつ、新型コロナウイルスの重症患者を受け入れる中で、医療スタッフがそこに手を取られる状況です。いずれにしても経営は厳しい状況です。このような実情を市民病院にも分析をしてもらっています。近いうちに、しっかりと要望としてまとめて、国、県に出していきたいと思っています。

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