「大津市人権教育・啓発推進指針 ~人の和おおつ~」ダイジェスト版

更新日:2018年08月27日

平成21年4月「大津市人権教育・啓発推進指針 ~人の和おおつ~」を策定いたしました。
平成19年度からスタートした大津市総合計画では、大きな柱の一つに「人間性の尊重」を掲げています。

そこでは、すべての市民の基本的人権が守られ、かけがえのない存在として互いを思いやる社会を築くことを目指しています。
この指針は、私たちが日常生活や社会生活などさまざまな場面で人権尊重の考えにふれて、学んで、心に潤いと豊かさを育むためにつくりました。

これからは、この指針をもとに、人権の大切さや考え方を学び、一人ひとりの人権が大切にされる「結の湖都大津」が実現できるよう、市民の皆さんと一緒に取り組んでいきます。
 

「大津市人権教育・啓発推進指針 ~人の和おおつ~」

はじめに

本市では今日まで市民と行政が一体となって、人権尊重の意識の高揚に向けて種々の取組みを行ってきました。そして、市民の人権に関する意識の高まりや関心の広がりなど、今日の状況をつくりだすに至りました。しかしながら、人権に関する理解や認識は必ずしも十分とは言えない状況があります。人権の尊重には、市民一人ひとりが個々の違いを認め、互いに理解しあうことが最も重要です。

この度、新たな総合計画の下で人権教育・啓発をより一層総合的・効果的に推進するための「大津市人権教育・啓発推進指針~人の和おおつ~」を策定しました。

今後は、本指針に基づき人権意識の普及、啓発と人権教育を推進し、市民生活の中に人権意識が根付いた「結の湖都大津」の実現をめざします。

1 「大津市人権教育・啓発推進指針 ~人の和おおつ~」とは

 
本市において、平成19年度から取り組んでいる新たな大津市総合計画では、まちづくりの基本理念の一つに「人間性の尊重」を掲げ、すべての市民の基本的人権が保障された、幸福で健康かつ文化的な生活を営むことができるまちづくりをめざして、施策に取り組んでいるところです。

「大津市人権教育・啓発推進指針~人の和おおつ~」は、過去からの取組を礎として、本市の総合計画をはじめとする各種の計画との整合性を図る中で、本市の状況に見合った人権教育・啓発の施策の総合的かつ効果的な推進を図るために策定したものです。

2 人権教育・啓発の推進

就学前教育・学校教育における推進

幼稚園・保育園では、身近な動植物とのふれあい体験などを通して、生命を大切にする気持ちの芽生えを育み、思いやりの心が培われるよう努めます。
小中学校においては、教育活動全体を通じて、人権尊重の実践的態度の育成に努めます。

社会教育における推進

人権に関する学習意欲の喚起、学習機会と場の提供など、生涯学習施設を拠点として人権尊重の意識を高めるための学習活動を支援します。

家庭は豊かな情操や思いやりを育む役割を担っており、家庭教育の充実や子育て相談体制の充実を図ります。

また、人権啓発関係団体の活動と協調しながら啓発活動を推進し、市民運動としての自主的な活動を支援するとともに、地域における人権学習を推進するため、リーダー養成に努めます。 

企業における推進

企業は、その社会的責任を自覚し、職場における人権問題の解決に取り組む必要があります。

人権が尊重された明るい職場づくりに向け、企業の取組を支援し、また、人権問題に対する正しい理解と認識を深めるため、企業訪問や研修会の開催、人権啓発用教材・視聴覚機器の貸し出しなどを行います。

公的職務などに従事する人に対する推進

公務員、教員、医療関係者、社会福祉関係者など人権に関わりの深い職業・職務に従事する人は、人権尊重の視点に立って、正しい理解と認識を持ち、職務や業務を遂行する必要があります。人権教育を職場研修に位置づけて取り組むよう要請し、人権意識の高揚に努めるとともに、そのための情報提供などの条件整備を推進します。

 

3 重要課題への対応

女性

男女共同参画推進計画「おおつかがやきプラン」を策定し、男女共同参画社会の実現に向けた取組を推進してきました。
しかし、今なお性別役割分担意識の根強さが伺えるとともに、女性の人権を侵害する事象も発生しています。
 
男女共同参画社会の早期実現に向けた対応を図るなど、取組を進めていきます。

  • 男女共同参画の視点に立ち、社会的合意を得ながら社会制度・慣行を見直し、あらゆる機会を通じて学習を充実。
  • 子どもが、男女を問わず等しく個性ある人間として尊重され、自己の能力を十分発揮できる教育を推進。
  • 公的広報の作成にあたっては、女性の人権に配慮し、性にとらわれない表現の促進。

子ども

子どもと家庭をとりまく環境は、少子化、核家族化などにより、大きく変化してきました。また、子どもへの虐待や育児放棄などが、全国的にも大きな問題になっています。
家庭・地域・学校および専門機関が相互に連携し、子どもを取り巻く様々な課題に取り組まなければなりません。
 
すべての子どもが大切にされるまちづくりのために、「大津市次世代育成支援行動計画~大津っ子子育て応援プラン」に基づき、家庭、地域、事業所などが連携して取組を進めます。

  • 乳幼児期から人権を尊重する気持ちを培うよう、さまざまな人々とのふれあいや交流を促進。
  • いじめ問題や不登校の解決に向けた、教育機関の連携・充実。
  • 青少年健全育成ネットワークを構築し、子どもたちを取り巻く環境の浄化や地域の教育力の向上を推進。

高齢者

高齢者が社会の一員として、敬愛され、主体的に社会参加できる条件整備や、安心して活動できる生活環境の整備に努め、明るく豊かな長寿社会を実現する必要があります。
また、財産管理問題、虐待などによる人権侵害などの課題解決に努めなければなりません。
 
 「おおつゴールドプラン2009」に基づき、高齢者が主体的に社会参加でき、安心して暮らせ、互いに支え合い、助け合うまちづくりをめざして取組を進めます。

  • 高齢者福祉について、市民の関心と理解が深まる啓発を推進。
  • ふれあい体験、福祉施設への訪問などを通して、子どもが高齢者への理解を深める教育を推進。
  • 虐待の防止や財産管理など、権利の擁護に向け、相談活動の充実と市民啓発の推進。

障害者

障害者を取り巻く社会環境は、物理的な障壁のみならず意識上の多くの障壁が存在しています。生活環境におけるバリアフリー化を進めるとともに、障害や障害者についての正しい理解と認識を深めていくことが必要です。また、今日的な問題である虐待や財産管理などへの対策も必要です。
 
「大津市障害者基本計画」の理念に基づき、障害者の社会参加と、地域で支えあう取組など、障害者を支えるまちづくりを推進します。

  • 障害や障害者への正しい理解と認識のための啓発を推進。
  • 人権侵害防止や財産管理などの権利擁護のため、利用しやすい相談体制や情報提供の充実。
  • 障害者の雇用促進を図るため、事業者への啓発を推進。

同和問題


「大津市同和対策長期計画」に基づき、総合的かつ計画的に、多くの取組を推進し、その結果、同和問題の解決に向けて、多大な前進を見ることができました。その結果、同和問題への認識は深まり、差別意識の解消に向けて大きく進みましたが、同和問題にかかわる差別事象が皆無になったとは言えません。
 
今後も、不合理な因習や偏見の解消を図るなど、同和問題に対する正しい理解を求めるための教育・啓発が必要です。

  • 子どもの発達段階に応じ、各教科や道徳等を通して人権尊重の意識を高める教育を推進。
  • 市民の自主的・自発的な学習活動を促進し、同和問題の正しい理解や認識を深めるための条件を整備。
  • 企業に対しては、基本的人権を尊重した職場づくりが図られるよう啓発を推進。 

外国人

国際化の進展に伴い、近年ではアジア諸国や南米諸国からの「ニューカマー」と呼ばれる外国人の割合が増加しています。
しかし、ニューカマーの多くは、言葉や文化の違いから生活上の困難を抱えています。また、在日韓国・朝鮮人を含む旧来からの在住外国人への差別意識も皆無ではありません。
 
外国人に対する差別や偏見の解消に努め、「多文化共生」による地域づくりの実現に向け取組をすすめます。

  • 民族や文化、習慣などの違いを理解し認め合う教育を推進。
  • 市民の学習機会や外国人との交流の場を提供していくとともに、外国人に対する理解と認識を深める啓発を推進。
  • 在日韓国・朝鮮人問題について、歴史的経緯を正しく理解し、偏見や差別をなくす啓発の推進。
     

 以上の他にも、HIV感染者、ハンセン病、アイヌ、ホームレス、刑を終えて出所した人々、或いは、性的指向や性同一性障害、犯罪被害者などに対する人権問題が存在しています。
 また近年、インターネットや電子メールなどによる人権侵害も発生しています。これらの要因はそれぞれ異なりますが、一人ひとりが正しい知識を習得し、理解を深めることが大切です。
 すべての人の人権を保障する視点に立って、正しい知識の普及や啓発の推進に努めます。

 

ダウンロード

この記事に関する
お問い合わせ先

政策調整部 人権・男女共同参画課
〒520-0047 大津市浜大津四丁目1-1 明日都浜大津1階
電話番号:077-528-2791
ファックス番号:077-527-6288

人権・男女共同参画課にメールを送る