ロールモデル紹介 八木 雅彦さん

ファザーリング・ジャパン滋賀
八木雅彦さん
消防署で救助隊長をしている43歳の男性、3児のパパ。炎の中ひとを探したり、川に流された人を助けたりするお仕事。7年程前に、三人目のお子様の体調がきっかけで当時では珍しい男性の育児休暇を取得。育児と仕事の両方を楽しむような「笑っている父親」を増やすために様々な事業を展開するファザーリング・ジャパン滋賀の代表をされています。
1. 男性の育児参加を応援してくれる会社で気づいたこと
(男性の育児参加を推奨する職場の特徴、雰囲気を教えてください。 )
私の職場は、子育て推進や女性の活躍など制度的に力を入れている方だと思います。育休を取得した時の職場の反応は人それぞれでしたが、直属の上司などは快く「いいよ」と言ってくれて助かりました。一方で「そんなに休んで大丈夫?」「男が育休?」という反応もありました。職場復帰した時、「なにしてたの?ヒマだったでしょ」と言われたこともありました。家事に育児、ヒマはなかったです!
学生時代に1人暮らしをしていて、料理はできたので、1人目の子どもができたときから家事育児は積極的にしていて、食事も作っていました。
近所のお母さんからは、「うちの職場では絶対にとれないから羨ましい」「育休がとれる雰囲気が全然ない」という声が多かったです。
2. 子育てと向き合うことで、働き方にも変化
(育児休暇を取る前、取った後で、仕事で変化はありましたか?)
育休をとったときは内勤で、事務職がメインでした。とる前は、「仕事が多くても残業を覚悟してやる」という感じでしたが子どもが好きなので、早く顔が見たい、お風呂も一緒に入って寝かしつけもしたいので、就業時間までには終わらせたいと思うようになったことで、自身のタイムマネジメント能力がとても上がりました。
育休復帰後、地域の「子育ての集い」に参加しファザーリング・ジャパンと出会いました。それから、大学や行政の依頼を受けて育休や子育ての話をしたり、パパのためのお料理教室やバルーンアート、ギターで歌いながらの絵本の読み聞かせなど、お父さんが楽しめるイベントなどで、男性の意識改革に向けた運動をしています。
3. 苦労や楽しさも。すべてが大切な思い出に
(育児に関わって良かったこと、苦労したことは? )
3人の子どもとはとても仲が良いです。「思春期の難しい年頃」という中学2年生の娘にも難しさはあまり感じないですね。中2の娘曰く、同世代の友達は「お父さんと話したくない」と言っているらしいですが、娘はそれを聞いて、お父さんがうっとうしいなど全く思っていないので、ビックリしているらしいです。しっかり子どもと接してきて、育児をやってきて良かったと思います。
苦労したことは、育休をとった時の食物アレルギーの対応。ネットで調べたり、人に聞いたりしてご飯を作りました。母親に比べて父親は、育児に関わる情報交換をする場が少なく、不安がありました。下の子に力を注ぎすぎると、「お父さんは下の子に甘い」と言われたりもしました。
4. イクメンがもっと増えることに期待!
(あなたの周りにイクメンはいますか?また、イクメンが増えるには?イクメンのコツとは? )
ファザーリング・ジャパンのおかげで、周りは皆イクメン。自分の周りの父親は、家事や炊事も問題なくこなします。父親の積極的な育児参加が、ひいては働き方の見直し、企業の意識改革、社会不安の解消、次世代の育成に繋がり、 10年後・20年後の日本社会に大きな変革をもたらすと思います。
共働き夫婦の男性は、家事も育児もほとんどが妻の仕事になっていて、かろうじて洗濯ができるくらいかなとよく聞きます。
私は、小さい頃からよく子どもと一緒に遊んでいるし、クラブ、部活、スポ少などにも関わり、よく見に行くようにしています。勉強も応援してきました。毎年夏はウェイクボード、冬はスキーやスノーボードを子どもに教えるのが楽しいです。
今は男性だけでなく、女性にも意識改革が必要と思います。男性がやってくれないことを我慢している人もいます。なかなか男性も言われないと気づかない、気づけないので、良い夫婦関係のためにも、手遅れにならないうちに話し合う時間を持つ方がいいと思います。コツは、毎日ちょっとでもいいから思っていることを話すこと。自分は、話して良かったと思うことがほとんどです。
5. 今後、子育てでチャレンジしたいこと
(今後どんなイクメンになりたいですか?)
以前子どもが「お父さんのようなイベント屋さんになりたい」と言ってくれました。楽しそうにやっていることが伝わっているのだろうと思います。自分もメンバーも、家事や育児を母親だけの役割だとは思っていません。父母両方の大切な権利です。
「イクボス」という、イクメンの部下を応援するプロジェクトがあります。この制度を理解してもらい、会社、地域全体で改革を深めていきたいです。
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更新日:2018年08月27日