ロールモデル紹介 女性起業家 神永 朱美さん

更新日:2023年10月31日

神永 朱美さんの顔写真

akemi kaminaga blowing glass

吹きガラス工芸品の製作・卸売り・小売販売
吹きガラス体験教室・イベント開催

神永 朱美さん

1. 起業への思い

社会人となって初めて勤めた会社が、観光地という立地にあるガラス専門の販売店であった。ここで学んだことは、社会人としての基礎やお客様との応対、礼儀作法のみならず、商品への理解やお客様のニーズを聞いてそれぞれに合ったものをご提案するということであり、今後の人生の考え方や生き方が少しずつ形成されることとなった。観光地ということもあり、旅の思い出に自分や大切な人への贈り物として購入いただくガラス製品が、思い出をさらに幾層にも積み上げてリピーターやご紹介のお客様が来店されることへの感謝と喜びの気持ちが、いつしか自身が「売り手ではなく作り手になりたい」という思いへとつながった。2009年、作り手への道を歩み始め2011年には京都の師匠に弟子入りを果たした。

そして2017年2月 吹きガラス工房「glass imeca」を大津市に設立、神永朱美さんのチャレンジの第一歩が始まった。

2. 「琵琶湖彩ガラス」と「琵琶湖の水草工芸利用研究所」

滋賀県で起業し周囲の方と触れ合う中で、この地のものを使った色ガラスを作りたいと思うようになった。ガラスは鉱物で発色する。当初県内産の鉱物を検討したが、まず探し当てて、採掘、粉砕、それだけでも相当なことである。到底続けられない。簡単に手に入って、むしろ余っている位のものはないか、そこで琵琶湖で大量繁殖する水草に着目する。

植物には鉄分が含まれる為、色が出るはず。そうして水草を乾燥させている会社を探し、県の水草対策技術開発支援事業に応募、研究が始まった。

2020年、出来上がった淡いグリーンの色ガラスを、「琵琶湖彩(びわこいろ)」と名付けて発表。さらに研究の最中で偶然発色した青色を、信楽窯業技術試験場との共同研究により2022年に「琵琶湖彩還元色ブルー」として商品化した。

これをきっかけに、琵琶湖の水草を他の工芸でも使ってもらおうと、一般社団法人を設立。現在、陶芸や染織などの工芸家が、琵琶湖の水草を原材料のひとつにして、様々な工芸品を世に送り出している。

3. ガラスの魅力とは

工房でガラスを作る神永さんの写真

普段の食卓が、いつもと少し違って豊かに感じられることが食器としてのガラスにはある。ガラスは美しくも素朴にもなる。上質にもナチュラルにもなる。かたい表現も柔らかな表現もできて使う人が望む通りのスタイルを表現してくれる。どこか懐かしくもあるガラスだか、モダンでおしゃれな演出をしてくれる。一人でも多くの方に、こんなガラスの魅力を感じながら暮らしやお店・職場を彩ってもらえることが、神永さん自身の願いである。

4. お客様への思い

使い手としてのお客様が望む生活やシチュエーションをお尋ねして思いを込めて作りあげたガラスで幸せや豊かさを提供したい。大切な人へ贈り物としてどんな想いを伝えたいのかをお尋ねして思いを込めて作りあげたガラスで贈る人と受け取る人の両方をガラスで幸せにしたい。「大切に作って、納品していきます。」と、神永さんの言葉は、ごく自然な彼女の日常を感じさせてくれる。

5. 起業1年目(2017年)の活動の紹介

神永さんの作品

4月 第31回全国手作りガラス展 金沢市

4月 大阪梅田スカイビル Art MACHI Museum

5月 札幌大丸 日本のものあわせ

5月 アトリエ華松 風薫るランチ会(食器使用)

6月 大津西武百貨店 1階エントランス

6月 京都大丸 京のものあわせ

7月 アトリエコペリト 岸和田のギャラリー

8月 大阪高島屋 6階食器売り場

​8月 阪急百貨店 カレーとカレーのための器展

12月 ガラス体験

現在 起業7年目

百貨店やギャラリーでの個展開催、委託、卸しなど、年間を通して慌ただしく活動中。

6. 今後の目標は?

コンクールに出て賞をとって作者として付加価値を上げていく。作家の多くの方は、そのような道を探られますが、私の場合は、コンクールや賞よりも目の前のお客様の想いをしっかりとお聞きして満足していただける作品を提供していきたいと思います。一歩ずつ、一歩ずつ・・・

今後の活動が楽しみです。

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

政策調整部 人権・男女共同参画課
〒520-0047 大津市浜大津四丁目1-1 明日都浜大津1階
電話番号:077-528-2791
ファックス番号:077-527-6288

人権・男女共同参画課にメールを送る