三橋節子の絶筆「余呉の天女」
節子は1974年(昭和49年)11月に滋賀県北部へ最後の家族旅行に出かけ、余呉湖を訪れました。そのときの心象を元に、亡くなるおよそ1か月前に入院先の京都府立医科大学附属病院の病室で描いたのが「余呉の天女」です。
最後の気力を振り絞るように描き上げたこの作品は近江昔話「余呉の湖哀し」が題材で、ストーリーどおり、母と子の別離の情景です。暗く広がる湖面を背景に手を差し出しながら空に消えゆこうとする天女と、うつろな顔で呆然と見上げる幼子。自身の境地に重なる作品が絶筆となりました。
(作品は京都府文化博物館管理)
「余呉の天女」1975年(昭和50年)1月
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更新日:2023年07月24日