坂本城跡の国史跡指定について

更新日:2025年09月18日

大津市下阪本に所在する坂本城跡について、令和7年9月18日(木曜)の官報告示をもって国指定史跡となりました。

坂本城跡の価値は、1. 織豊系城郭の立地や構造、築城技術等を知ることができる重要な城郭であること、2. 琵琶湖を通じた京への流通拠点に築城された政治的・軍事的・経済的に重要な城郭であると、国の文化審議会にて評価されていました。

坂本城跡三ノ丸石垣

坂本城跡について

坂本城跡に関するこれまでの調査と取り組み

明智光秀の居城として築城された坂本城は、存続期間約15年と短く、その痕跡を現在に残さないことから「幻の城」と言われることがあります。昭和54年度に実施された発掘調査において、礎石建物等の遺構と大量の瓦等が確認されたことから、坂本城本丸内の屋敷跡(御殿か)と推測されました。現在は建物の地下において遺構が保存されています。出土した赤褐色の瓦は坂本城炎上の痕跡と考えられてきましたが、近年の理化学的調査により、築城当初から赤褐色であるものが含まれる可能性が示されました。

次に坂本城の遺構が確認されたのが、令和5年度に実施した宅地造成に伴う発掘調査です。その調査では、長さ30mを超える石垣を有する堀や礎石建物等が確認され、出土遺物等から坂本城の外郭(三ノ丸)の遺構であると判断しました。現地説明会を行ったところ、全国から2000名以上の参加があり、遺構の重要性から開発事業者との協議の結果、遺構を現地保存し、国史跡指定を目指す覚書を締結していました。

昭和54年度調査で確認された遺構

昭和54年度調査で確認された遺構

昭和54年度調査で確認された瓦

昭和54年度調査で確認された瓦

令和6年2月の現地説明会様子

令和6年2月の現地説明会様子

令和6年3月の覚書締結式

令和6年3月の覚書締結式

坂本城跡三ノ丸石垣

坂本城跡三ノ丸石垣

坂本城跡三ノ丸の舟入遺構

坂本城跡三ノ丸の舟入遺構

坂本城跡空撮

坂本城跡空撮

琵琶湖から見た坂本城跡

琵琶湖から見た比叡山と坂本城跡

大津市内に所在する国指定史跡

今回の告示により、本市に所在する国指定史跡は16件となりました(名勝史跡除く)。今までの国指定史跡は、近江国府跡、近江大津宮錦織遺跡といった古代律令国家に関わるものが多くありましたが、坂本城跡は城郭として市内で初めての国指定史跡となります。

「坂本城跡」の史跡指定の告示を受けての大津市長コメント

本日、坂本城跡が国史跡として告示され、正式に国史跡となりました。本市としては16件目、城郭としては初めてとなります。

坂本城跡の国史跡指定にお力添えいただきました皆様に改めてお礼申し上げます。

今後、坂本城跡を国史跡として後世に引き継いでいくため、保存活用計画の策定に向けた取り組みを進めるとともに、坂本城跡をはじめとする本市の豊かな文化財を活かした歴史まちづくりをより一層推進してまいります。

関連リンク

この記事に関するお問い合わせ先

市民部 文化財保護課
〒520-8575 市役所別館2階
電話番号:077-528-2638
ファックス番号:077-522-7630

文化財保護課にメールを送る