滋賀短期大学附属高校における出前講座

更新日:2025年04月25日

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高齢者疑似体験をする生徒

今回の出前講座は、家庭基礎の授業の一環として実施しました。
生徒のみなさんは、高齢社会や健康寿命、介護、クオリティ・オブ・ライフなどについて2時間の事前学習を行い、この日の体験授業に臨まれました。

授業の流れ

1 講話(約10分間)

講師による施設紹介
講師による講義
  • 施設紹介
    「長等の里」は高齢者を介護する施設で、特別養護老人ホーム、ショートステイ、デイサービス、ケアハウスがあります。
    地域とのつながりは大切であると考え、積極的に地域に出向いて、地域活動に取り組んでいます。
    「デイサービスセンターまつもと」はデイサービスのみの施設です。町中にあり、近所の方がふらりと立ち寄れます。
     
  • 高齢者の特徴について
    年をとると、視力・聴力・筋力・記憶力など、様々なところが衰えて、当たり前にできていることにも影響が出てきます。

2 高齢者疑似体験(約20分間)

立ち上がりのコツ

講師による立ち上がりのコツの実演。額に指を1本添えられただけで、立ち上がることができなくなります。
座った状態で足を肩幅に開き、頭を下げて立ち上がってみましょう。

講師による立ち上がり実演
立ち上がり体験

高齢者疑似体験

高齢者疑似体験をする生徒

腰が曲がった状態になるベルト・ゴーグル・イヤーマフを装着し、杖を使用した歩行を体験。2人1組で高齢者役と介護者役に分かれ、それぞれ交代して両方を体験しました。

3 感想発表(約5分間)

感想を発表する生徒

「介助側を体験した感想」、「高齢者側を体験した感想」を発表しました。

自分が介助側をした感想

  • 介護者も高齢者役に合わせて姿勢を低くするので腰が痛くしんどい
  • 支えることに気を付けた
  • 耳が遠いから大きい声を出すことを意識しないといけないし、視野も狭いから「危ないよ」と、普段言わなくていいことも言わないといけなかったので大変だった

自分が高齢者側をした感想

  • 動きづらい
  • 前が見えない。足元が見えない
  • 介助者の声が聞こえない
  • おじいちゃんがテレビの音量を大きくする意味がわかった
  • 介助者に声をかけてもらうことで安心した

4 振り返り・まとめ(約10分間)

 年齢を重ねていくと、多少の差はありますが誰でも衰えてきます。

 将来、みなさんが社会に出た時に、介護の仕事をしていなくても何らかのかたちで高齢者と関わる機会が増えてきます。高齢者がどういう思いでおられるのか、どういうところに不安を持っておられるのか、理解すること、寄り添うことは誰でもできます。

 年齢による衰えがあってもできなくなることばかりではありません。補うものがあれば、適切に手伝えば、高齢者ご自身で行動していただけます。

 介護の仕事では、身体面や動作面だけでなく気持ちの面もサポートしています。生きていく上で必要な食事や排せつなどだけでなく、日常の中でその方にとって生きがいとされている部分もサポートするということも大切な仕事です。

 また、私たちの仕事は補うことだけではなくて、よいところを伸ばす仕事でもあります。サポートが必要になるとどうしても受け身になってしまいます。せっかくできる能力を手伝うことで奪うのではなく、自分でできるようにアプローチする。できる能力、良いところを伸ばすというのも介護の仕事です。

 私たちは地域の中で生活しています。そこにはハンディを抱えるさまざまな方が暮らしています。みなさんがこの先いろいろなところで困っている人と出会ったとき、まずはそれに気づける人になってください。困っている人がいればまずはそれに気付ける人になって、気付けるようになったら次は助けてあげてください。

 みなさんがサポートする側になれれば、どんな方でも住みやすい温かい未来が待っていると思います。

介護の仕事のやりがい

 何もしなければ、ただ年を取って毎日を過ごすだけの生活になってしまうが、介護者が身の回りのこと、さらに気持ちの面でもサポートすることで、高齢者の方々はとても喜ばれる。ありがとうと笑顔で言ってもらえたら、また明日から頑張ろうという気持ちになる。私自身この仕事を約20年間しているが、介護という仕事に誇りを持っています。

 今日の授業が、これからのみなさんの人生において福祉について考えるきっかけになれば幸いです。

受講生アンケート結果

受講前

「介護の仕事」への興味・関心

介護の仕事への興味・関心(受講前)円グラフ

少し持っている 11人 21%
どちらでもない 12人 23%
あまり持っていない 23人 44%
まったく持っていない 6人 12%

受講後

「介護の仕事」への興味・関心の変化

介護の仕事への興味・関心の変化(円グラフ)

高くなった 9人 17%
少し高くなった 32人 62%
変わらない 10人 19%
無回答 1人 2%

出前講座は「介護の仕事」に興味・関心を持つことにつながると思うか

出前講座は介護の使途に興味・関心を持つことにつながると思うか(円グラフ)

思う 27人 52%
少し思う 20人 38%
どちらでもない 4人 8%
無回答 1人 2%

高校生が思っている「介護の仕事」のイメージ

 今回の出前講座を受講した高校生に、「介護の仕事」のイメージを聞いたところ、「精神的にきつそう」、「体力的にきつそう」、「人の役に立つ仕事」の順に多い回答となりました。(複数回答)

介護の仕事のイメージ(棒グラフ)

精神的にきつそう 39人
体力的にきつそう 37人
人の役に立つ仕事 33人
大事な仕事 24人
難しそう 21人
夜勤が多そう 18人
汚い仕事がありそう 18人
給料が安そう 17人
やりがいのある仕事 15人
専門的な仕事 10人
将来性がありそう 6人
自分が成長できそうな仕事 5人
優しそう 4人
楽しそう 3人

受講後の生徒のみなさんの感想(抜粋)

 

  • 普段なんとも思わずにしていることが、疑似体験グッズを着けることで一気に難しく感じた。
  • 介護する人は、高齢者の人を安心させるために常に考えて支えていてすごいなと思った。
  • 高齢社会の現状や、年を取るとどのような機能の低下が起きるのかわかった。
  • 今まであまり考えたことがないようなことが多かったが、これからは高齢者の人がいたら今回の授業のことを思い出しながら接したいと思った。
  • お年寄りの人はこんな生活を毎日送っていて不安な気持ちだと思うので、少しでも助けられるような人になっていきたいと思った。
  • 仕事にやりがいがあるという言葉を聞いて、興味や関心が深まった気がする。
  • 介護を仕事とするやりがいや、普段どのように高齢者をサポートしているのかを詳しく聞くことができて良い経験になった。
  • 体験したことで、改めて介護をする方たちの大変さ、素晴らしさ、ありがたさに気づくことができた。
  • 近くに困っている高齢者がいたら声をかけようと思った。
  • 介護の仕事は大変だろうなという印象は変わらないが、受講後は人を支えるやりがいのある仕事だと思えた。
  • もっと介護について知りたいと思った。
  • 大津市は人口が増えているから子どもが多くて、高齢者が少ないかと思ったら、高齢者が多くて驚いた。
  • 道なども段差を無くしたり、急な坂を減らしたり、小さな工夫を積み重ねる必要があると思った。本人の視線になってみないとわからないことを改めて気づかされた。
  • 筋力が衰えると行動力が落ちる=楽しいことが減ると思ったので、身の周りの人がそうなってきたときに、一緒にストレッチをしてメニューを楽しくできるようにサポートしてあげたい。
  • 高齢者になると体が思うように動かないと感じた。だからこそ、運動したり健康的な食生活を続けていきたいと思った。

この記事に関するお問い合わせ先

健康福祉部 介護・福祉人材確保対策室
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ファックス番号:077-524‐4700

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