重症熱性血小板減少症候群(SFTS)

更新日:2023年07月07日

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)とは

平成23年、中国において新しい感染症として流行していることが報告されました。
SFTSウイルスに感染することによって引き起こされる病気です。

SFTSは、ウイルスを保有しているマダニに咬まれることにより感染します。
このため、患者はマダニの活動期である春から秋にかけて多く発生しています。

最近では、SFTSウイルスに感染し発症している野生動物やネコ・イヌなどの動物の血液からSFTSウイルスが検出されています。

SFTSウイルスに感染している動物の血液などの体液に直接触れた場合、SFTSウイルスに感染することも否定できません。

国内での発生について

平成25年1月、重症熱性血小板減少症候群の患者が国内で初めて確認されました。
その後、過去にさかのぼって調査した結果、平成17年(2005年)から平成24年までの間にさらに10名の方が重症熱性血小板減少症候群にかかっていたことが確認されました。

以降、毎年60名前後の患者の発生が報告されており、年々増加傾向にあります。
令和元年は102名、令和2年12月時点では、国内では573名(死亡75名を含む)の患者が報告されています。

これまでのところ、重症熱性血小板減少症候群の患者の多くは、西日本を中心に発生しており、大津市でもこれまでに数例、患者の発生があります。

症状について

主な症状は、原因不明の発熱、消化器症状(食欲不振、嘔気、嘔吐、下痢、腹痛)です。
また、時に、頭痛、筋肉痛、神経症状(意識障害、けいれん、昏睡)、リンパ節腫脹、呼吸不全症状、出血症状(歯肉出血、紫斑、下血)が出現します。

マダニに咬まれてから、6日~2週間で症状が出ます。
ただし、すべてのマダニがSFTSウイルスを持っているわけではありません。

現在のところSFTSウイルスに対して有効なワクチンはありません。

SFTSにかからないために

マダニに咬まれないようにしましょう

特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。
草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、

  • 長袖・長ズボン
    (シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)
  • 足を完全に覆う靴
    (サンダル等は避ける)
  • 帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等肌の露出を少なくする

ことが大事です。

服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。
DEET(ディート)という成分を含む虫除け剤の中には服の上から用いるタイプがあり、補助的な効果があると言われています。

また、屋外活動後は入浴し、マダニに刺されていないか確認してください。
特に、わきの下、足の付け根、手首、膝の裏、胸の下、頭部(髪の毛の中)などがポイントです。

マダニに吸血された場合は、皮膚科などを受診してマダニを除去してもらってください。

動物からの感染に注意しましょう

動物を飼育している場合、過剰な触れ合い(口移しでエサを与えたり、動物を布団に入れて寝ることなど)は控えてください。
動物に触ったら必ず手洗い・消毒をしましょう。

また、動物に付着したマダニは適切に駆除しましょう。
飼育している動物の健康状態の変化に注意し、体調不良の際には動物病院を受診してください。

野生動物は、どのような病原体を保有しているか分かりません。
野生動物との接触は避けてください。

体に不調を感じたら、早めに医療機関を受診してください。
受診する際は、ペットの飼育状況やペットの健康状態、動物との接触状況についても医師に伝えてください。
SFTS以外の感染症に対しても十分に注意する必要があります。

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