飲食店等におけるグリーストラップの維持管理

　飲食店（レストラン、中華料理店、ラーメン店など）、旅館、病院等のちゅう房排水には、大量の食材を調理し食器等を洗浄するため、油分が多く含まれています。この排水を適正に処理せず公共下水道に排除すると、宅内の排水管や公共下水道管を詰まらせるなど維持管理に支障を来たすばかりでなく、終末処理場の処理機能に悪影響を及ぼす原因にもなります。

　グリーストラップは定期的に清掃を行い適正に維持管理してください。

1　グリーストラップは、毎日蓋を開けて槽内の状態を確認してください。バスケットや槽内に溜まったごみや油等を掃除してください。（3槽目に油が溜まっているような状態であれば掃除が必要です。）

2　月に1回はグリーストラップの底に溜まった汚泥を除去し槽内を清掃してください。（槽内の清掃および汚泥の除去について、作業が困難である場合は専門業者への委託などで対応してください。）

　清掃時に発生したごみや油分は、詰まりの原因となるので絶対に下水道へ流さないでください。
 

　グリーストラップは排水中の油脂分の阻集器であり、油脂分を分解・処理するものではありません。排水を仕切り板で仕切られた槽内を通すことにより滞留時間をとり、排水中の油脂分を浮上・分離し阻集するものです。
　したがって、仕切り板を外して使用したり、適正な位置に設置せずに使用すると阻集能力が低下しますので適正に使用してください。また、ばっき装置（エアレーター）等を槽内に設置し油分を処理する装置がありますが、槽容量が小さい場合などはグリーストラップとしての機能が低下することになりますので、グリーストラップとは別に処理槽を設置するなど十分な検討が必要です。

　グリーストラップの清掃等を徹底し適正に維持管理していても、ちゅう房からの排水中の油脂分が多ければ公共下水道に油脂分が流入する場合があります。まずは、調理や食器洗浄等で出る油脂分が下水に流入しないように次のことを徹底してください。

1　調理で残った油は残さず回収しましょう。

2　調理器具や食器等に付着した汚れは布や紙等でできるだけ拭き取りましょう。

3　ラーメンのスープ等はできるだけ回収しましょう。回収できない場合でも、そのまま流さず目の細かい布等で漉してから流すか、布や紙等で拭き取るなど工夫しましょう。