第49回大津市写真展覧会(令和8年度)の審査結果
第49回大津市写真展覧会の審査結果を公表します。
写真展覧会の概要
会期
令和8年6月27日(土曜)~令和8年7月3日(金曜) 9時~17時
(令和8年6月29日(月曜)は休館日)
会場
大津市歴史博物館
(〒520-0037大津市御陵町2-2)
出品状況
| 一般出品作品数 | 入賞 | 一般入選 | 特別出陳 | 陳列作品数 |
|---|---|---|---|---|
| 220点 | 15点 | 133点 | 6点 | 154点 |
会期中の入場者数
会期終了後に公開いたします。
審査員
照井 四郎 氏
審査総評
前回は「大津京駅」から大津市歴史博物館までタクシーでした。しかし、今回は歩くことに決めました。歴史文化に彩られたマチに興味があったことと、徒歩 15 分とあったからです。おかげでしばしの「大津散歩」に浸ることができました。何よりも収穫があったのは道すがらに出会った「路傍の美」たちでした。(これは会期初日の記念講演で公開予定) 晴れて会場前のテラスで深呼吸。審査会場に着いたのは開始時間の 15 分程前でした。
今回の一般応募数は 220 点、昨年比 2 点減。応募者数は 8 人減の 103 人。スマホの普及などで老いも若きもパチパチ撮ってる 1 億総カメラマンの当ご時世なのに点数、人数の減少が気になりました。審査室に入るや大小様々、色彩豊かな作品群に圧倒され、ワクワクさせられました。まずは 1 巡。そして 2 巡、3 巡。最後 4 巡目あたりからは、作品の方から止まれのシグナルが発生され、熟視することになりました。今回少々気がかりになったのは、動物写真(猫、サル、犬、大動物等)とスポーツ写真が少なかったことです。
次回(来年度)は、少しでも当会が盛りあがるのを期待して、身近な事象に目をむけることの大切さを記念講演で述べさせていただこうと思っています。ヒント探しに是非ご参加いただければ幸いです。次回も皆さんの意欲作をご期待いたします。
大津市長賞

形式
単写真
題名
助っ人
作者
中山 捷吉
審査評
野良仕事を終え、荷車を押し家に帰る曾祖母とひ孫(作者談)のうしろ姿。車には、収穫したばかりの玉ネギがチラリと見えます。そして、背景は営々と引き継がれてきた旧家の雰囲気が漂う戸口。いい光景に遭遇し、よくぞこの瞬間を的確な構図でシャッターを切ったものです。ファインダーを覗いている作者の心のときめきが伝わってくる 1 枚です。おばあちゃんの確かな足どりに加え、健康的に育っているひ孫ちゃんの荷車を押す所作も最高です。まさに行く末が楽しみな「助っ人」です。「家族の絆」がみごとに捉えられた傑作でした。
大津市議会議長賞

形式
単写真
題名
泣かんでええよ
作者
百武 忠
審査評
日吉大社の「山王祭」でのひとコマ。出番を間近に控え、武者姿の少年が、緊張のあまりか不安に駆られ、今にも泣き出しそうになっていた。それを見た役員さんが少年を気遣い「大丈夫だ心配いらないよ」と励ましている心情がみごとに写し止められています。親しみのある会話調のタイトルも効果的でした。又、画面に対して人物(2 人)の大きさも完璧でした。欲を言うと、人物(2 人)の色調がやや浅く、背景のトーンがやや濃くなってしまったな、と感じました。ともあれ、2 人の心情がこの 1 枚に凝縮された作品でした。
大津市教育委員会教育長賞

形式
組写真
題名
潮の臭い
作者
前川 修
審査評
作者のコメントを聞き、驚きと同時に感動させられました。撮影場所は左から三重鳥羽漁港、福井県小浜漁港、石川県金沢港ということです。しかも 3~4 年かけて揃えた作品とのことです。この組写真は、プンと潮の香りが漂う作品です。焼き物のタコつぼ、錆び朽ちた錨に張りついたクモの巣。そしてアルミ製のスクリュー。しかもすべてに、タコつぼがへばりつき、時の経過がうかがえる。「終焉の美、というか「漁港のロマン」を感じました。縦位置にしたことも主題がはっきりし、正解でした。「一貫した信念のもと、果敢にテーマに挑み続けることの大切さ」を教えてくれる大労作でした。おこがましいとは思うのですが、右端の「スクリュー」の1点は単写真でも勝負できる秀作だと思いました。
大津市文化連盟会長賞

形式
単写真
題名
気配
作者
前川 健士
審査評
カラー写真全盛の昨今、モノクロームの作品が際立ちました。長めの縦位置で構成したことで、まるで一幅の掛物のようなイメージになりました。撮影は 4 月上旬とのこと。背景には霧が立ち込めているのでしょうか。春霞にけむる木立ちもこの雰囲気を一層盛り上げています。画面いっぱいに垂れ下がる蔓のからみ具合にも自然の美しさがあり、高さも表現されました。また、それにしっかりとしがみついて鳴くメジロの姿も格別です。作者の鋭い観察力と構成力が光る作品でした。
滋賀県写真連盟会長賞

形式
単写真
題名
落雪注意
作者
松田 博光
審査評
2 月頃の比叡山でのスナップ。この作品は、かの有名な世界的写真家のアンリ・カルテイエ・ブレッソン氏が提唱する「決定的瞬間」そのものだと思いました。気温が緩み、寺院の屋根からの落雪の瞬間がみごとに写し取られています。それに加え、最も大事なことは、画面右にお坊さんの姿も同時に捉えられている、ということです。偶然かも知れませんが、この刹那に作者が反応しシャッターを切ったということは絶賛に値することなのです。あっぱれ!
大津写真連盟会長賞

形式
単写真
題名
シュール
作者
荻野 利子
審査評
タイトルは「シュール」。現代的というか芸術的というか大きな感覚的要素を含んだ作品です。遠目で観ると、私には和服姿の女性に見え、不思議な魅力が漂うインパクトのある作品だと思いました。実はこのシーン、近江八幡の日牟礼神社社殿前につけてある金属の短冊が光り輝いているシーンとのことです。広角レンズで、手前には大胆に主題を配置し、左奥には雑踏を小さく入れ、遠近感を表現したその巧さが光る作品でした。
大津市社会福祉協議会会長賞

形式
単写真
題名
森に咲く光
作者
林 節子
審査評
林さんと森。何かありそう?冗談はさておき画面いっぱいヒメボタルが乱舞している光景は、圧巻というべき光景です。「森の神秘」そんなものを感じました。レンズの直前を通り過ぎるホタル。木立の中を自由に飛び回るホタルたち。まさに夢の中のセレナードといった情景に感服しました。闇と静寂の中に浸ってこの光景と対峙している作者の心情が、ひしひしと伝わってきます。木立のむこうに垣間見える明るい部分を入れたのも効果的でした。ホタルの撮影は大変です。私もよく通いました。2~3 時間かけて山の谷川に分け入り、8 時頃のピークまで唯々無言の 2 時間。家に帰るといつも日にちが変わっていました。
びわ湖大津観光協会会長賞

形式
単写真
題名
宵宮囃子
作者
北山 忠
審査評
大津市で行われる国指定無形民俗文化財「大津祭」は、天孫(四宮)神社の祭礼です。京都祇園祭の風情を色濃く継承した祭で、湖国三大祭のひとつとされています。北山さんの作品は天を仰ぐような角度で曳山屋台を狙ったことで面白い作品につながりました。着流し姿の少年達の恰好もユニークです。また、夜の撮影なのでストロボを駆使したことで周囲がすっきりとシンプルな画面になりました。心地よい秋風のもと、コンチキチンの鐘の音が聞こえてきそうな 1 枚です。
準特選
| 題名 | 作者 |
|---|---|
| 移ろいゆく田園 | 鈴鹿 竹二 |
| 梅雨の日の侵入者 | 藤本 義隆 |
| 熱踏? | 牧草 久夫 |
| 無心 | 西村 忠員 |
| 祈祷、世界平和 | 山田 章 |
| さいはてのみち | 永井 敏夫 |
U-30奨励賞

形式
単写真
題名
黎明の水鏡
作者
片尾 遼平
審査評
この作品には、上下それぞれ 2 つの絵が混在しています。ズバリ真ん中より上、下です(スクエアー)。どちらかに絞れば、スクエアー仕上のセンスが光る作品になると思います。上はドラマチックな落日のシーン。下は水を張った田んぼに映る雲の影。どちらもコンテストに向く作品になると思います。確か片尾さんは昨年も「夕凪」という作品で受賞されていましたよね。是非、スナップ、朝日、夕陽にも挑戦してみて下さい。手前みそになりますが、展覧会初日の 6 月 27 日には「テーマを持つ」という記念講演会を開きます。参考になると思いますので、是非ご参加下さい。
注意:フラッシュ等の影響及びファイルサイズの縮小処理の関係上、実際の作品とは見た目が異なっている場合があります。また、外字は使用できませんので修正しております。ご了承ください。
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更新日:2026年06月23日