全ての若い人に知っておいてほしい 「プレコンセプションケア」
もくじ
1 適正体重を維持しましょう
2 筋肉を増やして、体力・代謝を高めましょう
3 栄養バランスの整った食事を心がけましょう
4 タバコをやめましょう
5 適切なアルコール摂取を
1 自分の身体のしくみを知りましょう
2 がん検診を受けましょう
3 「性感染症」を防ぐために
4 かかりつけ医をもとう
「プレコンセプションケア」を知っていますか?
「プレコンセプションケア」とは、若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うことを指します。
「大人になったらどんな仕事をしたい?」
「自分は将来結婚したい?子どもは欲しい?」
「老後はどんな風に過ごしたい?」
将来、自分の思う生き方を実現するには「健康でいること」が重要です。
次世代を担う子どもの健康にもつながるとして、近年注目されているヘルスケアです。
早い段階から正しい知識を得て健康的な生活を送ることで、今の自分がもっと健康になり、自身で妊娠・出産を含めた様々な選択ができる、豊かな人生につながっていきます。

(注)国立研究開発法人 国立成育医療研究センターHP「プレコンセプションケアセンター プレコンノート」より抜粋
いまなぜ「プレコンセプションケア」が必要なの?

子供を持つ選択をするかしないかにかかわらず、若いうちからの健康的な生活習慣の積み重ねにより健康は培われていきます。
2 リスクのある妊娠の増加
若い女性のやせと肥満の増加、出産年齢の高齢化などから、リスクの高い妊娠が増加しています。
3 不妊の増加
「月経不順を放置していた」「月経痛をがまんしていた」などが将来の不妊の原因となることがあります。男女ともに、妊娠や出産に関する正しい知識を得て行動することで、将来の不妊のリスクを減らします。
健康に過ごすための規則正しい生活習慣を!
1 適正体重を維持しましょう
栄養不足による若い女性のやせ(BMI18.5未満)は、貧血や将来の骨粗しょう症の原因になります。一方、栄養過多や太り過ぎ(BMI25以上)は、将来、糖尿病や高血圧などさまざまな病気のリスクを高めます。また将来、妊娠・出産を望む方はやせも肥満も不妊や妊娠・出産のリスクを高めると言われています。
BMIを計算して、いまの体重を評価してみましょう。
(注)BMI(ボディマス指数)とは、身長と体重から算出される体格指数で、肥満や低体重(やせ)の判定などに用いられる指標です。
(注) BMI22が、最も病気になりにくい体重です。

25以上 | 太っている |
---|---|
18.5~24.9(理想値は22) | 標準の範囲 |
18.5未満 | やせている |
2 筋肉を増やして、体力・代謝を高めましょう
適正体重の維持に積極的な運動は欠かせません。血流がよくなり、筋肉量が増えることで代謝も高まります。プレコンセプションケアでは、1週間に150分程度の運動をめやすとしています。
3 栄養バランスの整った食事を心がけましょう
「食事バランスガイド」で確認し、1日に「何を」「どれだけ」食べたらよいかを確認しましょう。 コマが立つように主食・副菜・主菜・乳製品・果物の5つのグループをバランスよく食べることが大切です。
栄養不足による若い女性のやせは、貧血・肌荒れ・骨密度や筋力の低下、月経不順や不妊などを引き起こします。

(注)厚生労働省、農林水産省「食事バランスガイド」より抜粋
4 タバコをやめましょう
タバコはがん・心臓病をはじめたくさんの病気を引き起こすします。また男女ともに不妊症のリスクが増加し、特に妊娠中の喫煙や受動喫煙は流産、早産、周産期死亡、低体重を引き起こす可能性があります。赤ちゃんが生まれた後も乳幼児突然死症候群のリスク因子となるなど、その影響はきわめて広範囲です。喫煙中の方は禁煙外来を活用する等、いますぐに禁煙しましょう。
5 適切なアルコール摂取を
お酒は適量ならば緊張やストレスを和らげたり血行を促進したりするなどの効果がありますが、飲みすぎには注意が必要です。身体や生活に及ぼすアルコールの影響、適切な飲酒量について理解を深め、お酒との付き合い方を見直してみましょう。
(注)厚生労働省では生活習慣病のリスクを高める飲酒量(1日あたりの平均純アルコール摂取量)を、男性では40グラム以上、女性では20グラム以上としています。
ビール | (アルコール度数5度)なら | 中瓶1本 | 500ミリリットル |
---|---|---|---|
日本酒 | (アルコール度数15度)なら | 1合 | 180ミリリットル |
缶チューハイ | (アルコール度数5度)なら | ロング缶1缶 | 500ミリットル |
特に、妊娠中にお酒を飲むと、アルコールは胎盤を通って赤ちゃんにも影響します。妊娠を考えたときからアルコールは控えるようにしましょう。妊娠中は禁酒が原則です。
健診や検査を受け、自分の身体をチェックしましょう!
長く幸せに生きるために、生涯を通じて健康管理が必要です。年齢や環境により注意する内容は異なります。
1 自分の身体のしくみを知りましょう
将来望んだ時にすこやかな妊娠・出産を実現できるよう、まずは男女の身体のしくみについて理解しましょう。
【女性のカラダ】
月経について
12歳前後に始まり(初経)50歳前後で終わります(閉経)。
- 約1ヶ月に1回、5日間程度続く。
- 自分ではコントロールできない。
- 妊娠すると月経は止まる。
- 体調により不調になることもあり、健康状態の目安にもなる。
卵子について
卵子は年齢とともに質が低下し、数も減少します。年齢が進むとともに妊娠率が低下して流産率が上昇。産める子どもの人数が限られてきます。加えて歳を重ねてからの妊娠はお母さんと赤ちゃんの健康リスクが高くなり、産後は育児と親の介護が重なる可能性があります。
(注)大津市作成「猫吾朗先生と学ぶ カラダココロ生き活きBOOK」より抜粋
【男性のカラダ】
射精について
10~18歳ごろからあり、歳をとると衰えます。
- 周期はなく、回数は人による。
- 自分の意思でコントロールできるが、寝ている間に出ることもある(夢精)。
- 射精されなかった精子は体内に吸収されるため、毎日あっても、全くなくても、ほとんどの場合問題ない。
2 がん検診を受けましょう

(注)国立研究開発法人 国立成育医療研究センターホームページ「プレコンセプションケアセンター プレコンノート」より抜粋
女性は20代から、男性は30代からがん世代と言われています。
がん検診は無症状でも定期的に受診することが大切です。自覚症状、心配な症状がある方は、検診を受けるのではなくかかりつけ医にご相談ください。また、がん検診の結果、要精密検査となった方は、がんの早期発見・早期治療のためにも必ず精密検査を受けてください。
検診の種類 | 対象年齢 | 検診の頻度 |
---|---|---|
胃がん検診 | 50歳以上 | 2年に1回 |
肺がん・結核検診 | 40歳以上 | 年に1回 |
大腸がん検診 | 40歳以上 | 年に1回 |
乳がん検診 | 40歳以上 | 2年に1回 |
子宮頸がん検診 | 20歳以上 | 2年に1回 |
各がん検診については、下記「大津市がん検診等のご案内」をご確認ください。
3 「性感染症」を防ぐために
若い人の間で、性的接触を介して誰もが感染する「性感染症」が増えています。感染しても無症状であることが多く、治療に結びつかないケースが多く見られます。知らないあいだに他の人にうつす可能性があるため、性的接触の際にはコンドームを使用して、感染を防ぎましょう。全国の保健所では、無料で性感染症の相談をすることができます。
性器クラミジア | 男性は排尿痛や尿道から膿みが出ることがあります。女性は自覚症状がないために感染が長期化し、不妊の原因となることもあります |
---|---|
性器ヘルペス | 性器の水ぶくれや痛みがあります。症状が出ないこともあります |
尖圭コンジローマ | 性器に先の尖ったイボがたくさんできます |
梅毒 | 初期は性器のしこりなどができます |
淋菌感染症 | 排尿痛や膿みが出ます |
特定感染症(エイズ(HIV)・梅毒・B型肝炎・C型肝炎・HTLV-1)検査について(大津市保健所保健予防課)
4 かかりつけ医をもとう
かかりつけ医とは、「健康に関することをなんでも相談できる上、最新の医療情報を熟知して、必要な時には専門医、専門医療機関を紹介してくれる、身近で頼りになる地域医療、保健、福祉を担う総合的な能力を有する医師((注))」とされています。
(注)「上手な医療のかかりかた.jp」より引用
現代の女性は妊娠・出産回数が減ったことで月経回数が増え、月経に関する症状で日常生活に支障をきたす人が増えています。月経で我慢できない痛みがある人、月経前にイライラして感情がコントロールできない等の悩みについては、気軽に相談してみましょう。女性にとってかかりつけ婦人科医は、あなたのライフプランを尊重し、適切なケアを提供してくれるパートナーです。
また男性については、左右で陰のう(精巣をつつむふくろ)の大きさが違う等、自覚症状がなくても病気がかくれている可能性があります。自身の身体について気になることがある場合は、泌尿器科を受診しましょう。
人生をデザインしてみましょう
妊娠・出産、育児、介護、転職など、人生にはたくさんの転機があります。下記の例を参考に、あなたの「理想のライフプラン」を考えてみましょう。そしてそれを実現するために必要なことについて考えてみましょう。

大津市での「プレコンセプションケア」に関する取り組み
猫吾朗先生と学ぶ カラダココロ生き活きBOOK
大津市では「プレコンセプションケア」の取り組みのひとつとして、性と健康のリーフレット「猫吾朗先生と学ぶカラダココロ生き活きBOOK」を作成し、大津市内小学校6年生に配布をしています。
詳細は下記よりご確認ください。
大津市女性の健康相談、不妊・不育症相談
大津市では月経、妊娠や出産、不妊・不育症での受診・治療への迷いや悩み、検査や薬、周囲との人間関係など様々な悩みの相談を行うことで、自身の健康や治療について、安心して向き合えるように支援します。
大津市女性の健康相談、不妊・不育症相談(案内) (PDFファイル: 189.2KB)
もっと詳しくプレコンセプションケアを知りたい人へ
(注)国立研究開発法人 国立成育医療研究センターホームページ「プレコンセプションケアセンター プレコンノート」より抜粋
この記事に関するお問い合わせ先
こども総合支援局 母子保健課
〒520-0047 大津市浜大津四丁目1-1 明日都浜大津2階
電話番号:077-511-9182
ファックス番号:077-523-1110
母子保健課にメールを送る
更新日:2025年02月04日