貯水槽水道の適正な管理について
水道事業者(大津市では大津市企業局)は、水道法に定められている水質基準に適合した水道水を責任を持って供給していますが、その責任は給水管及びこれと直結している給水器具によって供給される水までとされています。
したがって、水圧が不足する中高層の建物や、一時に大量の水を使用する施設で、水道の水を一旦受水槽に受けてから給水している場合、受水槽以降の給水施設及びこれらの施設によって供給される水の水質については、施設の設置者が自らの責任において管理しなければなりません。
近年、受水槽における汚水や油の混入、サビや汚泥の沈積、ネズミや虫の侵入などを原因とした水質事故も発生しており、受水槽以降の給水施設やその水質について適正な維持管理を常に行う必要があります。
貯水槽水道の衛生管理リーフレット (PDFファイル: 2.3MB)
貯水槽水道とは
ビルやマンションなどでは、高いところへ水道水を送るため、水道管を通って送られてきた水を一旦受水槽にためて、ポンプで直接または高架水槽を経由して各ご家庭へ送るようになっています。
この受水槽と高架水槽を合わせた設備を一般的に貯水槽水道といいます。
貯水槽水道の名称
受水槽の有効容量が10立方メートルを超える貯水槽水道については、水道法において簡易専用水道として位置付けられています。
また、受水槽の有効容量が10立方メートル以下の貯水槽水道については、一般的に小規模貯水槽水道と呼んでいます。
簡易専用水道設置者の義務
簡易専用水道の適正な維持管理を図るため、『大津市簡易専用水道維持管理指導要綱(平成24年4月1日施行)』で設置者等が行うべき必要事項や、大津市保健所長が行う設置者等に対する監視指導について定めています。
設置者等が行うべき必要事項
- 設置するときや廃止するときには保健所長へ届け出ること
(ただし、既に届出している施設は改めて届出する必要はありません) - 給水栓における水のにごりや残留塩素の有無などを定期的に点検すること
- 衛生上問題がある状況が生じた場合には保健所長へ報告すること
大津市簡易専用水道維持管理指導要綱 (PDFファイル: 312.0KB)
簡易専用水道の管理
水道管により運ばれてきた水道水の水質管理については、受水槽に入るまでは水道事業者(大津市では大津市企業局)の責任ですが、受水槽に入ってからの管理責任は設置者です。
設置者とは簡易専用水道が設置されている建築物等を所有している者のことです。
管理を第三者に委託している場合でも、管理義務は当該設置者に課せられます。
簡易専用水道は次の管理基準に従って管理すること、毎年1回以上定期検査を受けることが義務付けられています。(水道法第34条の2、同法施行規則第55条・第56条)
簡易専用槽水道の管理基準
設置者は定期的な清掃を行うとともに、日頃から点検を行ってください。(水道法第34条の2)
受水槽・高置水槽の清掃
回数:毎年1回以上、定期的に行う。
管理業務の概要
専門的な知識、技能を有するものに行わせるのが望ましい。
例えば、建築物における衛生的環境の確保に関する法律に基づき知事登録を行っている者。
受水槽・高置水槽の点検
回数:定期的に行う。
また、地震・凍結・大雨等水質に影響を与えるおそれがある事態が発生したときも速やかに行う。
管理業務の概要
次の要領で点検を行い、異常を認めたときは速やかに改善する。
- 水槽の周辺は清潔か。
- 水槽に亀裂、漏水、腐食等がないか。
- 汚水等に汚染されていないか。
- 水槽に鉄サビ、藻の発生、水アカ等の沈積物等はないか。
- マンホールの鍵は完全か。
- マンホールに破損はないか。
- マンホールの汚水、防錆は完全か。
- オーバーフロー管、通気管の防虫網は完全か。
給水栓における水質検査
回数:定期的に行う。
管理業務の概要
末端給水栓水を透明なガラスコップにとり、次の検査を行い、異常を認めたときは、必要な項目について専門機関に検査を依頼する。
- 無色透明か(濁っていないか、色はついていないか、砂やサビが入っていないか)。
- 塩素臭を除く異臭味がないか(なまぐさ、かなけ、かび、油等の異常な臭味がないか)。
- 残留塩素が異常に低くなっていないか。
供給する水が人の健康に害するおそれがあることを知った場合
管理業務の概要
日常管理は、難しい管理をする必要はありません。日常の点検の中で異常なところがないか、毎日のチェックを続けることが大切です。
また、利用者からの問い合わせや情報提供に注意して、異常があれば迅速な対応を取ることを心がけてください。
もしも異常が認められた場合は、給水を直ちに停止し、その旨を利用者等に知らせるとともに、保健所衛生課に連絡してください。
定期検査について
設置者は、国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた検査機関に依頼して、定期検査(毎年1回以上)を受けなければなりません。(水道法第34条の2、同法施行規則第56条)
国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた検査機関の案内については、下記の簡易専用水道検査機関をご覧ください。
定期検査項目と内容
施設の外観検査
内容
- 簡易専用水道に係る施設の中に汚水等の衛生上有害なものが混入するおそれの有無
- 水槽及び周辺の清潔保持の状況
- 水槽内の沈積物、浮遊物質等の異常な物の有無
給水栓における水質検査
内容
- 臭気・味・色・濁度に関する検査、残留塩素の有無
書類の検査
内容
次に掲げる書類の整理及び保存状況
- 簡易専用水道の設備の配置及び系統を明らかにした図面
- 受水槽の周囲の構造物の配置を明らかにした平面図
- 水槽の掃除の記録
- その他管理についての記録
(例)施設の定期・臨時の点検結果及び補修改善措置、水質異常に伴う水質検査結果、給水の停止措置等
建築物における衛生的環境の確保に関する法律の適用にある簡易専用水道にあっては、「現場検査」に替えて、国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた者に建築物における衛生的環境の確保に関する法律第10条に規定する帳簿書類および管理状況を示す書類を提出することにより書類検査を受けることも可能です。
検査の結果について
- 検査機関から検査済みを証する書類が交付されます。
- 検査の結果、判定基準に適合しなかった事項がある場合には、設置者に対し、検査機関から当該事項について速やかに対策を講じるよう助言が行われます。
- 検査の結果、特に衛生上問題がある場合には、設置者が保健所にその旨を報告し、速やかに対策を講じなければなりません。
特に衛生上問題がある場合とは、次のいずれかに該当する場合を言います。
- 汚水槽その他排水設備から水槽に汚水または排水が流入し、またはそのおそれがある場合
- 水槽内に動物等の死骸がある場合
- 給水栓における水質の検査において、異常が認められる場合
- 水槽の上部が清潔に保たれず、またはマンホール面が槽上面から衛生上有効に立ち上がっていないため、汚水等が水槽に流入するおそれがある場合
- マンホール、通気管等が著しく破損し、または汚水もしくは雨水が水槽に流入するおそれがある場合
- その他検査者が水の供給について特に衛生上問題があると認める場合
簡易専用水道の設置者に対する指導監督等
管理が管理基準通り行われない、定期検査を受けていない等問題があるときは、保健所長が飲料水の安全確保を図るために、改善の指示、給水停止命令、報告の徴収、立入検査を行うことができます。
罰則
設置者は、定期検査、給水停止命令、立入検査等に違反した(または従わなかった)ときは、罰則が適用されます。(水道法第53条第10号、第54条第8号、第55条第3号)
小規模貯水槽水道の設置者には、罰則規定はありませんが、簡易専用水道に準じた管理を行うようにしてください。
簡易専用水道検査機関
検査を依頼する場合は、国土交通大臣及び環境大臣の登録を受けた簡易専用水道登録検査機関へ問い合わせてください。
小規模貯水槽水道の管理
小規模貯水槽水道については、『大津市飲用井戸等衛生対策要綱』で衛生管理(清掃、点検等)について定めています。
また、簡易専用水道と同様の清掃・定期検査及び日常的な点検に努めましょう。
オンラインで変更届等が提出できます(生活衛生関係)
大津市保健所衛生課生活衛生係あてに提出する各種変更届等は、オンライン(大津市電子申請サービス)で提出することができます。(一部手続きを除く)
大津市電子申請サービス(生活衛生係あて変更届等提出フォーム)
- 届出等の添付書類に原本が必要な場合がございます。
その場合は、申請受理後に原本を大津市保健所衛生課あて郵送してください。
(必ず申請が受理されたことを確認後、郵送してください。) - 手数料の納付が必要な手続きはオンラインでの申請はできません。
- 手続き内容によっては、保健所への御来所をお願いする場合がございます。御了承ください。
平面図の確認等、オンラインで事前相談を受け付けています(生活衛生関係)
大津市保健所衛生課生活衛生係への事前相談(平面図の確認等)は、オンライン(大津市電子申請サービス)で受け付けています。
- 相談内容によっては、保健所への御来所をお願いする場合がございます。御了承ください。
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この記事に関するお問い合わせ先
健康福祉部保健所 衛生課 生活衛生係
〒520-0047 大津市浜大津四丁目1番1号 明日都浜大津2階
電話番号:077-522-7372
ファックス番号:077-522-7373
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更新日:2025年03月14日