【西分署】10月の救急ニュース
10月の西分署救急隊の取り組みについて
10月の救急隊の活動は「内因性疾患に対するシミュレーション」についてです。
内因性疾患とはケガ等の外的な要因による疾患を除いた病気の事を意味しており、西分署では以下の内容のシミュレーションを行い、救急現場に備えました。
- 心疾患(心筋梗塞、大動脈解離などの対応)
- 脳疾患(脳梗塞、脳出血などの対応)
- 意識障害(低血糖、大量服薬などの対応)
- 腹部疾患(腹腔内で発生する疾患に対する対応)
訓練の様子

傷病者に対する初期評価を実施している様子です。
初期評価とは以下の項目を素早く観察し、緊急度を早期に判断するものです。
- 意識(目を開けているか、会話が正常にできるか、痛みに対して反応があるか等で判断します。)
- 気道(呼吸をするための通り道が正常に確保されているかを判断します。)
- 呼吸(呼吸が正常にできているか、呼吸数が正常範囲かを判断します。)
- 循環(脈拍の状態について、手首で脈拍がわかるか、首元で脈拍がわかるかなどで判断します。)
これらの事を約15秒で判断し、その後に血圧、体温、血中酸素飽和度(体の中の酸素の値)を測定します。
また、必要な処置の判断や適切な医療機関へ搬送するための判断材料として他にもいろいろな観察を行います。

救急車内での救急活動の様子
大津市の救急車には12誘導心電図の測定が可能なモニターが積載されています。
心疾患を疑い必要があると判断した場合は、12誘導心電図を測定し医療機関へ連絡を行います。これにより、病院到着後に素早く治療を行えたり、心臓の状態を記録し傷病者の治療の役に立てることができます。
心疾患では時間経過が重要であり、2つのリミットがあります。
- 1時間以内に適切な処置が必要。急性心筋梗塞を伴う心停止は、1時間以内の発生が約86%となっています。
- 6時間以内に適切な処置が必要。心停止にならない場合も、心臓のダメージを小さくできるタイムリミットは6時間といわれています。
救急車の適正利用にご協力をお願い致します
救急隊は心停止の方や上記のような、タイムリミットがある緊急度の高い傷病者の元へ早く駆け付けるのが本来の目的です。
しかし、救急件数の増加により救急現場への到着時間が年々遅くなっています。下のリンク先に資料が載っていますので、市民皆様のご協力をお願い致します。

更新日:2024年11月19日