個人市民税・県民税 所得控除について

更新日:2024年01月09日

雑損控除

納税義務者またはその方と生計を一にする配偶者その他の親族(総所得金額等が48万円以下の方)が所有する、生活に通常必要な資産について、災害・盗難・横領によって損害が生じた場合や、災害等に関連してやむを得ず支出をした場合の控除のことをいいます。

雑損控除額は、以下のアとイのうちいずれか多い金額になります。

ア 雑損控除額=損失額(注1)-総所得金額等の10%
イ 雑損控除額=損失額(注1)のうち災害関連支出(注2)の金額-5万円

(注1)損失額=損害金額-保険金・損害賠償金等で補填される金額
(注2)災害関連支出とは、災害により滅失した住宅・家財などを取壊しまたは除去するために支出した金額のことです。

医療費控除

納税義務者本人やその方と生計を一にする配偶者その他の親族のために支払った医療費より算定される控除のことをいいます。

医療費の種類

  1. 医師または歯科医師に支払った診療費または治療費
  2. 治療または療養に必要な医薬品の購入費
  3. 病院、診療所または助産所へ収容されるための人的役務の提供
  4. あん摩マッサージ指圧師などの施術費等
  5. 保険師、看護師または準看護師などの療養上の費用
  6. 助産師の分娩介助費用
  7. 介護福祉士等による一定の施術費
  8. 介護保険制度における一定の施設・居宅サービスの自己負担額
  9. 医師等による診療、治療、施術または分娩介助を受けるために直接必要な、通院費、送迎費、入院の際の部屋代や食事代、医療用器具の購入、賃借にかかる費用、補助具費{おむつ(医師発行の使用証明書要)、義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯等}

医療費控除額の算式

医療費控除額(最高200万円)=支払医療費の総額-保険金等で補填される金額-(「10万円」または「総所得金額等の5%」のいずれか少ない金額)

セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)

健康の保持増進および疾病の予防への取組として一定の取組を行う個人が、納税義務者本人または納税義務者本人と生計を一にする配偶者その他親族にかかる一定の特定一般用医薬品等(スイッチOTC医薬品)の購入代金を1年間に1万2千円を超えて支払った場合に、その超える額(最大8万8千円)を所得金額から控除する特例のことをいいます。

  1. 期間
    平成29年1月1日から令和8年12月31日までに支払ったもの(税制改正により延長)
    (平成30年度から令和9年度の個人市民税・県民税に適用)
     
  2. 一定の取組
    次の検診等または予防接種をいいます。なお、市町村が自治体の予算で住民サービスとして実施する健康診査、申請者が任意に受診した健康診査(全額自己負担)は対象外です。
    (1)保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査(人間ドック等)
    (2)市区町村が健康増進事業として行う健康診査
    (3)予防接種(定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種)
    (4)勤務先で実施する定期健康診査(事業主検診)
    (5)特定健康診査(いわゆるメタボ検診)、特定保健指導
    (6)市町村が健康増進事業として実施するがん検診
     
  3. 特定一般用医薬品等(スイッチOTC医薬品)
    要指導医薬品および一般用医薬品のうち、医療用から転用された医薬品(類似の医療用医薬品が医療保険給付の対象外のものを除く)をいいます。
     
  4. 適用要件
    (1)健康の維持増進および疾病の予防への取組として一定の取組を行ったことを証する書類(領収書、結果通知表等)を申告書に添付
    (2)医薬品購入費の明細書を申告書に添付
    (3)医療費控除との選択適用(どちらかの控除のみ適用可)
医療費控除とセルフメディケーション税制
  (従来の)医療費控除 セルフメディケ―ション税制(医療費控除の特例)
控除額 (医療費の金額-保険金等により補填される金額)-(10万円または総所得金額等の合計額の5%のいずれか少ない金額) (特定一般医薬品等の総額-保険金等で補填される金額)-1万2千円
控除限度額 200万円 8万8千円

医療費控除の明細書の添付義務化

医療費控除の適用を受ける場合、従来は医療費の領収書を申告書提出の際に添付または提示しなければなりませんでした。この医療費の領収書に代えて、医療費控除の明細書等を申告書提出の際に添付しなければならないこととなりました。

  1. 期間
    平成29年1月1日以降の医療費にかかるもの
    (平成30年度以降の個人住民税に適用)
     
  2. 添付書類
    医療費控除の明細書
    (注)医療保険者から交付を受けた医療費通知(「医療費のお知らせ」等)を合わせて添付すると、「医療費控除の明細書」への明細の記入を省略できます。なお、令和3年度以降の申告において医療費の領収書の添付または提示のみでは医療費控除を受けることができません。
     
  3. 領収書の取扱
    医療費の領収書については、5年間保存する必要があります。市役所から求められたときは、提示または提出しなければなりません。
    (注)平成29年分~令和元年分の医療費については、従来通り医療費の領収書の添付または提示による申告も可能です。

社会保険料控除

納税義務者本人やその者と生計を一にしている配偶者その他の親族の社会保険料を支払った場合の控除のことをいいます。
社会保険料には以下のようなものが含まれます。

社会保険料の種類

  1. 健康保険の保険料
  2. 国民健康保険の保険料(保険税)
  3. 介護保険の保険料
  4. 後期高齢者医療制度にかかる保険料
  5. 国民年金の保険料および国民年金基金の掛金
  6. 厚生年金の保険料および厚生年金基金の掛金

配偶者その他の親族の公的年金や給与から特別徴収(天引き)されている介護保険料、国民健康保険料および後期高齢者医療保険料については、その年金または給与の受給者が社会保険料控除適用者となります。

小規模企業共済等掛金控除

納税義務者本人が小規模企業共済や確定拠出年金の掛金等を支払った場合の控除のことをいいます。(生計を一にする親族の掛金は控除できません。)

生命保険料控除

納税義務者が、生命保険契約等、個人年金保険契約等および介護医療保険契約等にかかる保険料または掛金を支払った場合(保険金の受取人の全てを保険料等負担者、その配偶者その他の親族とするものに限ります。)の控除のことをいいます。

新契約にかかる生命保険料控除

平成24年1月1日以後に締結した生命保険契約等(新契約)では、一般生命保険料・個人年金保険料・介護医療保険料について、それぞれ下記の表の算式で所得控除額を計算します。これらにかかる控除の限度額は各28,000円、合計控除限度額は70,000円です。

新契約にかかる一般生命・個人年金・介護医療保険料控除額
支払保険料等の金額 生命保険料控除額
12,000円以下 支払保険料等の全額
12,000円超 32,000円以下 支払保険料等×2分の1+6,000円
32,000円超 56,000円以下 支払保険料等×4分の1+14,000円
56,000円超 28,000円

旧契約にかかる生命保険料控除

平成23年12月31日以前に締結した生命保険契約等(旧契約)では、一般生命保険料・個人年金保険料の金額について、それぞれ下記の表の算式で所得控除額を計算します。これらの控除限度額は各35,000円、合計控除限度額は70,000円です。

旧契約にかかる一般生命・個人年金保険料控除額
支払保険料等の金額 生命保険料控除額
15,000円以下 支払保険料等の全額
15,000円超 40,000円以下 支払保険料等×2分の1+7,500円
40,000円超 70,000円以下 支払保険料等×4分の1+17,500円
70,000円超 35,000円

新契約にかかる保険料と旧契約にかかる保険料の両方があっても、合計控除限度額は70,000円です。

一般生命保険料および個人年金保険料については、新契約と旧契約の両方について控除の適用を受ける場合、新旧それぞれ上記の算式により計算した控除額の合計額(限度額28,000円)または旧契約のみの控除額(限度額35,000円)のいずれか大きい金額が控除額となります。(合計控除額の上限額は70,000円)

地震保険料控除

納税義務者が、本人もしくは本人と生計を一にする配偶者その他の親族の有する居住用家屋または生活用動産を保険または共済の目的とし、かつ、地震もしくは噴火またはこれらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没または流出による損害を受けたことにより保険金または共済金が支払われる損害保険契約等にかかる地震等損害部分の保険料または掛金を支払った場合の控除のことをいいます。

地震保険料控除額
支払保険料等の金額 地震保険料控除額
50,000円以下 支払保険料等×2分の1
50,000円超 25,000円

平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等にかかる保険料(旧長期損害保険料)については、従前の長期損害保険料控除もあります。長期損害保険契約とは、保険期間が10年以上で満期返戻金などがあるものをいいます。

長期損害保険料控除額
支払保険料等の金額 地震保険料控除額
5,000円以下 支払保険料等の全額
5,000円超 15,000円以下 支払保険料等×2分の1+2,500円
15,000円超 10,000円

地震保険料と旧長期損害保険料の両方がある場合は、それぞれ上記の表により計算した控除額の合計となります。ただし、合計控除限度額は25,000円です。

ある一つの損害保険契約等またはある一つの長期損害保険契約等が、地震保険料と長期損害保険料の保険契約のいずれにも該当する場合は、いずれか一つの契約のみに該当するものとして控除額を計算します。

障害者控除

納税義務者が障害者である場合や、障害者である同一生計配偶者・扶養親族がいる場合の控除のことをいいます。

障害者控除額
区分 障害者控除額
障害者 26万円
特別障害者 30万円
同居特別障害者 53万円

障害者の種類とは

  1. 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方または精神保健指定医等の判定により知的障害者とされた方
  2. 精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている方
  3. 身体障害者手帳に身体上の障害がある者として記載されている方
  4. 障害の程度が上記の障害者1または3に準ずるものとして市区町村長の認定を受けている65歳以上の方
  5. 後見登記されている成年被後見人の方

特別障害者の種類とは

  1. 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にある方または精神保健指定医などの判定により重度の知的障害者とされた方
  2. 精神障害者保健福祉手帳1級の方
  3. 身体障害者手帳1級・2級の方
  4. 障害の程度が上記の特別障害者1または3に準ずるものとして市区町村長の認定を受けている65歳以上の方
  5. 後見登記されている成年被後見人の方
手帳の等級等による障害者控除早見表
  身体障害者手帳 療育手帳 精神障害者保健福祉手帳
障害者 3級以下 B1・B2 2級・3級
特別障害者 1級・2級 A1・A2 1級

また、税の申告にあたって、65歳以上の方が「障害者控除対象者認定」を受けると、本人またはその扶養者が、障害者控除を受けることができます。

ひとり親控除・寡婦控除

納税者がひとり親もしくは寡婦である場合の控除のことをいいます。

ひとり親控除・寡婦控除額
区分 控除額
ひとり親 30万円
寡婦 26万円

 

ひとり親控除は、納税者が現に婚姻していないまたは配偶者の生死が明らかでない方で、次の1~3の要件を満たす場合に認められます。

  1. 総所得金額等が48万円以下の生計を一にする子を有する
  2. 合計所得金額が500万円以下である
  3. 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人(未届の夫又は妻)がいない

寡婦控除はひとり親に該当しない人のうち、次のいずれかに該当する場合に認められます。

  1. 夫と離婚した後に婚姻をしていない人で次のア~ウの要件を満たしている人
    ア 合計所得金額が48万円以下の扶養親族を有している
    イ 合計所得金額が500万円以下である
    ウ 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人(未届の夫)がいない
     
  2. 夫と死別した後婚姻をしていない人又は夫の生死が明らかでない人で次のア~イの要件を満たしている人
    ア 合計所得金額が500万円以下である
    イ 事実上婚姻関係と同様の事情にあると認められる人(未届の夫)がいない

勤労学生控除

納税義務者が勤労学生である場合の控除のことをいいます。控除額は26万円です。

勤労学生控除の対象となる方

以下の1ア~ウのいずれかと2の両方に該当する方をいいます。

  1. ア 学校教育法に規定する小学校、中学校、高等学校、大学、高等専門学校などの児童、生徒または学生
    イ 国、地方公共団体、学校法人等により設置された専修学校又は各種学校のうち一定の課程を履修するもの
    ウ 職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練法人で一定の課程を履修するもの
  2. 合計所得金額が75万円以下で、その中に事業所得、給与所得、退職所得または勤労による雑所得があり、かつそれ以外の所得金額が10万円以下  

配偶者控除

合計所得金額が1,000万円以下の納税義務者本人と生計を一にする、合計所得金額が48万円以下の配偶者(青色事業専従者給与を受ける方・白色事業専従者を除く)である場合の控除のことをいいます。
(注)配偶者とは、民法に規定する配偶者をいい、事実婚の配偶者は含まれません。

配偶者控除額
配偶者の年齢(区分) 控除の要件 納税義務者の合計所得金額 控除額
70歳未満
(配偶者控除)
同一生計配偶者のうち、 納税義務者の合計所得金額が1,000万円以下の場合 900万円以下 33万円
900万円超950万円以下 22万円
950万円超1,000万円以下 11万円

70歳以上
(老人配偶者控除)

70歳以上の同一生計配偶者のうち、納税義務者の合計所得金額が1,000万円以下の場合 900万円以下 38万円
900万円超950万円以下 26万円
950万円超1,000万円以下 13万円

同一生計配偶者

納税義務者と生計を一にする配偶者のうち、合計所得金額が48万円以下の方。

控除対象配偶者

同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1,000万円以下の納税義務者の配偶者。

(注)控除対象配偶者に該当しない同一生計配偶者は、配偶者控除の適用を受けることはできませんが、障害者控除の適用を受けることは可能です。また、個人市民税・県民税の非課税限度額にかかる扶養親族等の数に含まれます。

配偶者特別控除

合計所得金額が1,000万円以下の納税義務者本人と生計を一にする、配偶者(青色事業専従者給与を受ける方・白色事業専従者を除く)の合計所得金額が48万円超133万円以下である場合の控除のことをいいます。

(注)配偶者とは、民法の規定する配偶者をいい、事実婚の配偶者は含まれません。

配偶者特別控除
配偶者の合計所得金額 控除額
納税義務者の合計所得金額が900万円以下 納税義務者の合計所得金額が900万円超950万円以下 納税義務者の合計所得金額が950万円超1,000万円以下
48万円超
100万円以下
33万円 22万円 11万円
100万円超
105万円以下
31万円 21万円 11万円
105万円超
110万円以下
26万円 18万円 9万円
110万円超
115万円以下
21万円 14万円 7万円
115万円超
120万円以下
16万円 11万円 6万円
120万円超
125万円以下
11万円 8万円 4万円
125万円超
130万円以下
6万円 4万円 2万円
130万円超
133万円以下
3万円 2万円 1万円

扶養控除

納税義務者本人と生計を一にする、合計所得金額が48万円以下の扶養親族(青色事業専従者給与を受ける方・白色事業専従者を除く)がいる場合の控除のことをいいます。

扶養控除
年齢(区分) 1人当たりの所得控除額
16歳未満(年少扶養親族)(注) 0円
16歳以上19歳未満(一般扶養親族) 33万円
19歳以上23歳未満(特定扶養親族) 45万円
23歳以上70歳未満(一般扶養親族) 33万円
70歳以上(老人扶養親族) 38万円
70歳以上(同居老親等) 45万円

(注)年少扶養親族は、個人市民税・県民税の非課税限度額にかかる扶養親族等の数に含まれます。

扶養控除に関する用語解説

親族

6親等内の血族および3親等内の姻族をいいます。

同居老親等

老人扶養親族のうち、納税義務者またはその配偶者の父母・祖父母で、納税義務者またはその配偶者と常に同居している方をいいます。

病気の治療のため入院していることにより納税義務者等と別居している場合は、その期間が結果として1年以上といった長期にわたるような場合であっても、同居に該当するものとして取り扱って差し支えありません。

ただし、老人ホーム等へ入所している場合には、その老人ホームが居所となり、同居しているとはいえません。

生計を一にする

必ずしも同一の家屋に住んでいることを指すとは限りません。勤務や修学等の余暇には、該当する親族のもとでの暮らしを共にすることが常況となっている場合や、生活や学業、療養等に必要な送金が行われている場合も、生計を一にするとされます。

扶養の重複

複数の納税者に、同じ親族についての扶養控除や配偶者控除を重複して適用することはできません。

基礎控除

基礎控除額
合計所得金額 控除額
~24,000,000円 43万円
24,000,001円 ~24,500,000円 29万円
24,500,001円 ~25,000,000円 15万円
25,000,001円~ 0円

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